すでに男子の最終順位が出ていますが、それは明日の楽しみに取っておいて、今日は女子SPに集中します。リザルト関係は「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。
まずは、コストルナヤから。羽生君の新プロの情報が解禁されたのもありますが、彼女の本気の演技を見て、いやぁ・・・18-19シーズンも始まったなぁ・・・と感慨深いです。
もう、衣装も演技も、もちろんビジュアルも、すべてが期待をはるかに超えるクオリティで、言葉も無いですよ。私がフィギュアスケート女子シングルという競技に求めているすべてのものが詰まっています。
ライストで見た後も、動画になった映像をスマホですでに10回以上見ていますが、本当に美しいものを目撃すると、それを生活の中心に据えたくなるんだなと、自分自身で体験・体感しています。
褒め言葉だけじゃ記事にならないので、レビューらしいことをすると、スコアの出方で色々と発見がありました。彼女の演技には、ルッツのアテンションがこれまでも何度かついたことがありますが、J9のフィンランドのジャッジは、それでも3Lz+3TにGOE+4をつけています。どうしてこういうことが起きるのかを考えてみると、おそらく、テクニカルがVTRを検証してアテンションを「確定」させる前に、各ジャッジは演技を見ながらボタンを押してGOEを出している。しかもそれは、テクニカルの判定後、修正していない(できない)可能性がある。そう考えないと、説明がつかないんです。それは、エッジのアテンションやエラーだけでなく、もしかすると回転不足もそうなのかもしれない。一方、転倒は素人が見ても一目瞭然ですから、演技中であってもどのジャッジも一律でマイナスをつけられるので、ジャッジ間で採点のブレが生じない。
回転不足(UR・DG)とエッジエラーが判定されると、基礎点自体が引かれるのでそれは良いとして、アテンションによる基礎点の減点は無いですから、GOEのつけ方はジャッジ個人に委ねられる。これは7段階制時代でも行われていたことですけど、11段階制になってかなり目立つようになった気がします。この辺りは、もっとスッキリした基準にしてもらいたいものです。
コストルナヤの演技に話を戻すと、このクオリティなら、75~76点ぐらい出て当然な気がしますが、それは彼女が来季シニアに上がってからの楽しみに取っておくとして、このMax Richterの曲は、序盤の「Departure(Lullaby)」こそおとなしいですけど、ジャンプを跳び終えた後、「November」という曲に変わると、かなり激しいステップのパートになります。「アディオス・ノニーノ」よりも運動量を求められている印象です。それを、初戦から恐るべき完成度で披露する彼女の練習量は容易に想像できますし、彼女を鍛えあげているエテリコーチの手腕を認めないわけにはいかない。いや、認めないんじゃなくて、「エテリさんありがとう!」と言わせてもらいましょう。ところで、フィニッシュの「ガッガッガッ」って振り付けは、ザギトワの「ブラック・スワン」の冒頭を彷彿とさせますね。彼女のガッツポーズも初めて見たかもしれません。
ロシアテストスケートから個人的に注目していた、カニシェワ。ジュニア初年度で、もちろんJGPデビュー戦ですが、ジャンプはエラーもアテンションも回転不足もなく、さすがの逸材です。明らかに13歳の演技じゃないんですが、コストルナヤを見た後だと、全体的にアッサリしているなぁ・・・というのが、ライストを見ていた時の印象でした。
そう考えると、実は、コストルナヤって「けっこうコッテリ系?」と思いつつ、でも、そもそもコーチも振付師も違うので、カニシェワ自身にというより、プログラムと振付に「アッサリ感」の理由があるような気もします。
ノービス選手権の演技はけっこうワイルドでガツガツ来る感じだったはずですが、やっぱりプログラムと衣装なのかなと。このSPだけで言うと、優秀なスケーターではあるけど、良くも悪くもクセがなくて、何かが足りない・・・という気がします。まぁ、フリーの方も見てからですね。
JGPデビュー戦の吉岡さん。56.11で3位というのは、エントリーメンバー的にラッキーだった部分もあるとはいえ、立派ですね。アジアンオープンの映像でこのSPを見ていますが、やっぱりヴォーカルがうるせー曲だなと(笑)。でも、彼女の弾ける笑顔に合っているといえば合っていますかね。他のスケーターだったら、もっとミスマッチのはずで、実はかなりの難曲なのかもしれません。
衣装とメイクと明るいキャラで横井さんのような雰囲気もあり、でも村上佳菜子ちゃんを彷彿とさせる部分もありそうです。そして、第1戦のスロバキア大会に出場した川畑さんにも言えますが、今季のJGPに初めて派遣された選手には、ジャンプの技術がまず求められているように見えます。吉岡さんの場合、踏切に入る前の体勢に特徴がありますが、着氷姿勢は安定感があってキレイです。スピンやスケーティングで荒削りな部分もありますが、それは彼女の伸びしろということで。フリーも楽しみです。
合宿のインタで感じた以上に、滝野さんはさらに大人っぽく見えますね。所作に柔らかさがあって、表情の作り方はきっと「織田君直伝」なのでしょう(笑)。スケーティングスピードも出ていて、こりゃいいぞ!とライストでワクワクしながら見ていると・・・。
ジャンプの回転がはっきり足りていない。回り切る前にズドンと落ちてしまっている。ライストでスコアを見て、こりゃ相当刺さったな・・・と思ったら、案の定のプロトコルでした。演技としては洗練されていて、表現面の彼女の成長を大いに感じるんですが、背も伸びて、ジャンプの感覚を戻すのに苦労しているのかもしれません。
コンビネーションスピンの最後の所でバランスを崩した所も、見ていて心配になりましたが、やっぱり減点されていましたか。ただ、3位~8位までが50点台で団子状態なので、フリーの出来次第では台乗りのチャンスは十分にあると思います。吉岡さん、滝野さん、ともに頑張ってもらいたいですね。
では、また明日!
Jun
コメント
コストルナヤちゃん全てにおいて美しいスケートですね。10回以上みたんですね?それほどの価値のある演技ですね。
吉岡さんはルッツを跳ぶ前の踏み込みが前屈みが低くて特徴なんですね。ショートの曲は、なんとも言えないですね。私にはよくわかりません。
ノブ君のお弟子さんの滝野さん素敵です。流石ノブ君の生徒さんジャンプが上手くいかなかったりしますが表現がいいですね、日本のジュニアは最後の挨拶が殺風景だったりしますが滝野さんはその辺まで神経行き届いてました。こうしろう君もランビの指導が行き届いるなあと感じましたが、リンクから去るまでが演技だと思ってみている私にはとても好感が持てました。
senninさま
女子はすでに最終順位が確定していますが、コストちゃんのフリーの方はワタシ的に微妙だったので、なおさらショートの方を見ていますね。
吉岡さんの、ジャンプの前にかがみ込む感じを見て、無良チームのキム・ジンソ君を思い出しましたが、でも、エッジエラーや回転不足が無いのだから、私はこれでいいと思うんですよね。どんなに見かけはキレイでも減点されたら、やっぱり戦えません。本人が気持ちよく演技してくれればいいんじゃないかと。
「リンクから去るまでが演技」というのは、まさにおっしゃる通り。ランビさんも織田君も国際試合・アイスショーともに経験豊富ですから、その辺りも弟子にしっかり指導しているのでしょう。いい啓蒙ですよね。
こんばんは
リアタイ出来ませんでした。
コストルナヤさん、優雅な演技でした
このまま上手く成長して欲しいです。
身長や体重など、色々苦しい時期がありますね
ザキトワさんの食事も、夜は殆ど取らないので、大変ですね。
衣装など、自分を知っていますね
リンクにいると大きく見えますが、コーチの方と並ぶととても小柄なんですね
点数ですが、よく分かりませんが、彼女の演技はドラマを感じました。
吉田さんは、何故か見れませんでした
後でチャレンジしてみます
滝野さん、しなやかでいいですね!
織田くんの生徒さんなんですか
なるほど!(^-^)
将来が楽しみです
高志朗君も、ランビ先生のようなスケーティングでしたね
とても柔らかな、綺麗なスケートと感じました。
生徒が先生に似るって事は、それだけお互い信頼しているって事ですよね?
織田くんの生徒さんも、いつか金メダルを取るくらい、頑張って欲しいです。
羽生くんのプロが分かり、あぁこの人はほんとに先が読めない
皆の考える事は全然追い付かない
そして気づいてみれば、全部が繋がっている!
羽生くんは思いつきで行動しない
ちゃんと考えてるんてすね
脱帽です。
おのさま
コストちゃんは、たしかお母さんも小柄な体型という話なので、私はそんなに心配していません。エテリも女子の体型変化を想定していないはずがないので、もしかするとエテリは、親御さんもチェックした上で、その点もクリアした子をスカウトしているフシがあります。
吉岡さん、滝野さん、高志郎君、すべてSP・フリーともにISUのYouTube垢にアーカイブ化されているので、ぜひチェックしてみてください。三者三様で、いろいろと考えさせられる部分が随所にあると思います。
羽生君は、SPの方も情報が出てきましたね。JGPの合間に、なんとか一本記事を書けたらなと考えています。