JGPオーストリア(男子フリー)感想

JGPオーストリア(男子フリー)感想

リザルト関係は「こちら」。フィギュアスケート速報は「こちら」で。まずは、高志郎君のフリーから。

コメント欄で読者さまとすでにやり取りはさせていただいているんですが、コストルナヤのSPと同様に、はやくこの感動を記事に残したい気持ちでいっぱいでした。ピアソラの「ブエノスアイレスの冬」は、宮原さんも今季フリーで使用していますが、いやぁ、かっこいいですね。なんだかもう、ランビさんの教えを日々忠実に吸収していることは、要所要所で、ビシ!ビシッ!と決まる自信に満ち溢れた上半身の所作に、存分に表れています。

2A+3Tを降りた後、曲のギアが一段階速くなって、緊張感を増すパートになりますが、そこでもうちょっとスピードが欲しいかな・・・という気もしますが、今季初戦ですし慎重に入ったのでしょう。しっかりジャンプを降りて、滑りきったことがまず素晴らしいです。ジャンプに余裕が出てくれば、スケーティングや表現の部分でも、「もっとメリハリというか、アクの強さ」が出てくるんだと思います。

おそらく、次戦は、第6戦スロベニア大会か第7戦アルメニア大会のどちらかにアサインされると予想します。今季のジュニア選手で、現状もっともスコアが出やすいのはゴゴレフ君だと思いますが、彼の次戦は第4戦カナダ大会なので、第5戦出場の須本君とともに、二人揃ってファイナル進出の可能性も見えてきました。

一時期は(というか現時点でも世間は)、「日本の男子は女子に比べてダメだ」という認識に留まっていましたが、3Aまでの構成でも演技全体の質が高ければ、ジュニアでは十分にトップで戦えることを証明できています。ぜひ怪我なく、次戦も頑張ってもらいたいですね。

優勝したプルキネン。さすが実力者だけあって、きっちりまとめてきました。彼も島田君と同様に3Aまでの構成ですが、昨シーズンのファイナル2位という実績もあって彼のスケートはよく知られているので、PCSは島田君より高く出ています。それでも、技術点は島田君の方が上で、結果的に合計で3.5点しか差はないので、ミス1つで順位がひっくり返ってもおかしくはありませんでした。

SPの感想でも書きましたが、彼は、ジャンプには高さもあって着氷姿勢もキレイなんですけど、決してジャンプだけじゃなくて、表現力も兼ね備えた選手です。私もつい、「アメリカ男子の若手スケーターの良心」という感じで見てしまって、贔屓したくなりますね。

このウエスト・サイドストーリーの振付はトム・ディクソンですが、やっぱり、Just play it cool, boy.って所と、マリーーアー!って所はやっぱり使うよねぇ・・・と。ただ、プルキネンと比べると、友野君の場合は、「マリーーアー」の部分は比較的あっさり過ぎていた印象です。

ちなみに、プルキネンのプロには入っていませんが、ウエスト・サイドストーリー絡みで言うと、Americaの有名な一節を聴くと、義務教育時代にメタルにどっぷりだった私はこっちが脳内再生されてしまうんですよね(汗)。

3位にはロシアのサヴォシンが入りました。今年の世界ジュニアで5位。先週のJGPスロバキア大会では5位だったので、今大会3位だとファイナルは厳しそうですが、フリーでは果敢に4回転にトライしてきました。

クワドはURを取られてしまって残念でした。この人のジャンプは、いわゆるパワー系で、多少軸が傾いたり、不安定な体勢で着氷しても、強引にまとめ上げる力のある選手だと思います。ただ、こらえ気味に降りるジャンプがあるので、スケーティングが「寸断される」印象があります。もう1段階上のレベルに上がるには、この辺りが課題かもしれません。

SPでは首位だったコンラッド君。しかし、フリーでは残念ながら崩れました。冒頭の4Sは認定。つづく4Tも高さは十分で、これで転倒はもったいなかったですね・・・。GOE-3に留めているジャッジが二人いるのも分かります。

ただ、冷静に考えれば、この2本で精神的に動揺する必要なんて無いはずですし、そこから3Aおよび通常のトリプルをしっかり降りていけば、優勝間違いなしでした。うーん、成功・失敗は別にして、やっぱり彼にとって4回転は相当な負担になっているのかな?と思います。

一戦目のスロバキア大会で優勝したゴゴレフ君は別にして、かりにフリーでクワドに挑戦したとしても、それ以外がダメだとスコアは出にくいというのが、JGPが2試合終わった段階での傾向かもしれません。

つぎの第3戦はリトアニア大会。日本から木科雄登君が出場します。無良チームで指導を受ける彼ですが、彼も3Aの調子はかなり良いとのことなんで、楽しみですね。

では、また明日!

Jun

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
スポンサーリンク
レクタングル(大)

コメント

  1. sennin より:

    この日を待ってました!高志郎君が花咲く日を…。やっときました、仰るようにステファンの教えを忠実に守って一生懸命練習して努力したんですね。次戦当然ですね。ジュニア男子はやっぱり3Aがネックですかね?そうなると駿君を見ていると失敗する感じががしないですよ。後半にもいれてましたし、試合では4回転はやめてスケーテイング、表現を強化して確実なものにすればどうかなあというのが私の感想なんですが。日本ジュニア男子楽しみになって来ました。
    高志郎君のアクセル跳ぶ前の手の振りが結弦君と同じですね?あの、モモンガの両手です。羽生選手のようなジャンプを跳びたいと前に話していましたので、研究でもしたのかな?結弦君の動きをよーく見ているとモモンガからサッと両手を後ろに引いて跳ぶんですが、肩関節や肩甲骨が柔らかいのでしょう凄い後ろまで引いているんです。これが、羽生結弦の世界最高のアクセルを生み出している一つではないかと素人ながら感じています。
    Jr.の試合は様子をみてエントリーする感じですかね?今発表されてるのは基準はなんですかね?特に男子は枠が少ないので選手も必死だと思うのですが…。私まで必死です(笑)

  2. ととちゃん より:

    旅行中で動画が繋がりにくく、高志郎くんのみ視聴できました。

    堂々としていて、既に自信が感じられますね。危ないジャンプがあっても、気にならないほど上手くまとめたと思います。

    次はリトアニアかスロベニアですか。出来ればJGPFに出場して欲しい、と見ている方も欲が出てきます。今回の初戦を見ると叶うのではないでしょうか。須本くん共々期待しています。

  3. Jun より:

    senninさま

    高志郎君は、まず、SP・フリーともに、さすがランビのプロ!という仕上がりですよね。SPは振付面が印象的で、フリーは、こんなに良い曲だっけ?というぐらい、緊張感のある編曲が最高。ハイクオリティなプログラムに高志郎君の安定した演技も負けていませんでした。もっともっとよくなると思いますので、ファイナル進出に向けて、もう一戦頑張ってほしいです。

    須本&島田の活躍は、「俺もやってやる!」と、男子ジュニア勢の中で間違いなく刺激になっていると思います。ロシアや北米の選手が、ジュニア時代からクワドに熱心なのは、実は3Aがそんなに得意ではないという部分が影響しているかもしれません。羽生君の技術面のご指摘、たいへん勉強になりましたが、日本には3A習得のノウハウのようなものがあるのかもしれませんね。

  4. Jun より:

    ととちゃん さま

    ご旅行中でしたか。台風の接近で天候が大荒れになることが予想されているので、お気をつけください。

    このオーストリア大会は、男女ともに見どころがたっぷり詰まった面白い試合でしたので、お暇なときに動画をチェックされると良いと思います。