5月7日付でアップされたYUZU DAYSの「第34回」をご紹介します。今回のテーマは「母親への感謝の気持ち」です。
子供の頃、母親や家族から「スケートばかりで、他がおろそかになってはいけない」ということを言われて育ってきた気がします。例えば、人としての常識や人に対する感情や想いを大切にするように言われてきました。常識といっても、それぞれの家庭によって違うと思いますが、僕が家族に教わったことは今の自分自身を形成する一部になっているなと思います。
これまでたびたび私も言ってきましたが、「家庭での教育」「指導者や親友との出会い」そして「本人の資質」によって、いまの羽生君の姿があるのだと。
いつの頃からか、「スポーツで良い成績を残して世間を黙らせる」とか「稼ぐが勝ち」とか、「本業で結果さえ出していれば何を言っても、やっても許される」という風潮が「市民権を得る」ようになってきました。最近で言うと「アクセスさえ稼げれば何を書いてもいい(どんな動画をアップしてもいい)」という価値観もそこに含まれるでしょう。
ただ、一方で、「トップに立つ人間は、人間的にも尊敬されなきゃいけない」という「教え」は根強く生き残っていて、それは「羽生家での教え」であり、おそらく将棋の藤井聡太七段も家庭でそう教えられてきたと私は思っています。
ご存知のように、羽生君の場合、トロントに渡ってからはお母さんと二人暮らしで、フィギュアスケーターとして日本の第一人者となってからは、「お母さんとの二人三脚」という感じでした。一方、藤井七段の場合、まだ高校2年生なので、大阪対局の時は、愛知県瀬戸市の実家からお母さんに送り出されて向かい、東京対局の時は、都内のお父さんの単身赴任先に泊まっていると言われています。あの29連勝のフィーバーや、30連勝を阻まれた対局はいずれも東京将棋会館で行われたので、節目節目ではお父さんの存在も大きかったかもしれません。
母は、僕の考えを尊重してくれて、進む道をちゃんと未来まで見越した上で守ってくれています。例えば、「僕自身が、スケートを好きで始めた。」という気持ちを絶対に消さないでいてくれます。僕の最終的な目標がオリンピックの連覇になったときには、そこに向かうまでの過程を一点に絞って支え続けてくれました。
おそらく、母と子の会話の中で、「嫌ならいつやめてもいいんだよ」という問答もあれば、「自分が好きで始めたのなら、がんばりなさい」とか、あるいは「あなたにいくらかかったと思っているの?」というキツイ言葉もかけられたかもしれません。「羽生結弦というスケーターを20年を支えてきた」のですから、外に出せないやりとりもたくさんあるでしょう。しかし、いま、「自分が好きで始めた気持ちを、母は絶対に消さないでいてくれます」と振り返ることができるって、素晴らしいことです。金銭的なサポートや、時間的な面での献身という部分での感謝だけでなく、「スケートへのモチベーションの維持にお母さんは欠かせない存在」ということは、なかなか言えることじゃありません。
これだけ強固な絆で結ばれ、スケートに対する向き合い方についてもかなりの部分を共有しているのなら、おそらくクリケットのコーチ陣よりも先に、お母さんに相談したことも多いはずです。今回のインタの中では、「平昌後どんな話をしたの?」という部分は語られていません。お母さんは、羽生君にどんな言葉をかけたのでしょうね・・・以下、私の勝手な想像です。
「『親孝行のために引退』とか、みっともないこと言わないでね。あなたの稼いだお金で贅沢しようなんて、家族の誰も思っていません。スケートを滑れることに感謝して、おもいっきりやりなさい」
ピシャっとこういうことを言う、まさに賢母ではないかな?と思っています。
では、また明日!
Jun
コメント
羽生くんは、お母様にしか本音は言えない気がします
思いっきり言えるし、お母様も受け止めてくれる
母親の存在はとても大事ですね
決して甘やかさないところも素晴らしい
以前手袋を忘れて、お母様に激おこしてましたね
それくらい、自分の感情を出せる相手がいるって、ほんとに感謝です
羽生くんの親子は、固い絆で結ばれてます
それはお父様も、お姉さまも同じで、表には出ずしっかりサポートしてます
誰かさんの所とは大分違いますね
賢いご家族が付いているって、これ程強い事はないてます
羽生くんに何があっても強くいられるのは、そう言う絆で結ばれているからでしょうね
毎回羽生くんのお写真が素晴らしい
育ちの良さが出ていますね
どんなに繕っても品の良さは出ません
安置がどんな言葉で言ってきても、彼の曇りのない瞳を見れば分かります
しかし、羽生くんはFaoI出るのでしょうか?
足の具合次第と思いますが、羽生くんのショーでは無いので、このまま発表されないのか?と不安になりますが、どちらにしても早く発表して欲しいですね
おのさま
マイレピの写真は毎回素晴らしいですよね!爽やかすぎます。ネットだけの写真というのはあまりにももったいないクオリティだと思います。
FaOIについてですが、かりに出演がすでに決まっているとして、これは私見ですけど「究極の転売対策」として、ギリギリまで羽生君の出演だけを伏せるということもあるんじゃないかと。真壁さんにとってはチケットが売れないと困るので、どの段階で発表するかは悩ましいでしょうが・・・。
アリサのクリケットの写真に羽生君が写っていたのを見て、私はFaOI出演はあると確信したんですけどね。どうなるでしょうか。
こんにちは
更新ありがとうございます。
羽生さんの家族は賢明で真摯な方々だと思います。
黒子に徹して決して表に出てこない。今の時代には難しいことですが、祖父母、そして過去のコーチの方々までその精神で行動しているようにみえます。
オーサーコーチの著書にも、「ユヅルの母は彼の日常の生活を支えているが、スケートについて口出ししてきたことは一度もない」
息子を信頼し、その知性や行動力に自信があるからできることだけど、自分はスケートについては素人なのだという理性的判断なのだと思います。
スポーツに限らず、子供が成功するとしゃしゃり出る親の多いこと・・・
マスコミがもてはやすからでもありますが、一気に白けてしまうのもまた、ありです。
もてはやし、持ち上げたあと一気に落とすのもマスコミですから、一切でてこないのは本人だけでなく、家族を守ることでもありますね。
みつばちさま
おっしゃる通り、親族の露出の激しいアスリートには、私もあまり良い印象は無いですね。
家族はもちろん本人も一切取材拒否というなでしこJAPANの宮間さんという特殊な人もいますが、それは極端な例としても、アスリート本人のSNSもやらないに越したことはないなと。その点、羽生君はうまく情報発信をしているなぁと感心しますね。
おはようございます。
マイレピを読んで同じ息子持ちとしては胸がいっぱいになります。
共に支え合って歩む母子関係は信頼に満ちていますね。
お父さんもですが、お母さんの支えなくしてここまで来る事は難しかった事でしょう。
息子を守りたい気持ち痛いほど分かります。
全世界を敵に回しても守りたいもの。
勿論、娘に対しても同じです。
羽生くんのお母さんは立派な方ですよね。
私も無理強いはしないほうですが、果たして羽生くんのお母さんのように支えていけるか?と思うと頭の下がる思いです。
いっ時言われてた友達親子って教育を放棄しています。
常識やマナーを教えていくのは大切な事ですよね。
反抗期がなかったと言っている羽生くん、お母さんが羽生くんの人格を認めて対応しているからこそですね。
思春期に素っ気なかったなと反省している羽生くんですが、思春期には息子って素っ気なくなるのは成長している証と受け止めています。
羽生くんのお母さんもわかってますよ。
それを悪かったなと言える羽生くんも素敵です。
マリィさま
厳密に言えば、母と子の間の衝突は数え切れないほどあったでしょうけど、羽生君が「反抗期が無かった」と回想できるのは、やはりスケートという「打ち込めるもの」があったからではないかと。
しかも、家族にスケートの専門家がいなかったので、基本的に自分の判断でできたことも大きい。織田君はお母さんとの間でけっこう難しい時期があったと、自著で語っていましたからね。
お母さまとの ここまでの絆を堂々と言える強さを 今の羽生選手から感じました。
恐らくマザコンだの過保護だのとアンチの面々などから言われていることは先刻承知でしょう。それでも言う、母親の支えがあって
今の自分がいる、どこが悪い、と胸を張って語っている姿は清々しいです。
少し逸れますが、世選フリー前のループの確認について、誰にどう見られてもいいと思った、と語っていましたね。他人の目ではなく
自分の考えを大切にする姿勢は 様々な場面で見られ、それが羽生選手を強くしているのだと思います。
それを培ったのもご家庭。藤井七段然り、本当に両親の力の偉大さを感じますね。
ととちゃん さま
さいたまでの4Loについて、相当念入りに練習していた件は、マガジンの山口さんのレポートにもありましたね。
私は4Loに限らず、周囲の視線や他人の価値観を基準にせずに、自分自身に判断の基準を置いて練習を積んできたから、それがさいたまでのOriginや、平昌五輪での演技に結実したと思います。ここから学んでくれる後輩が現れてほしいものですね。
JUNさんの想像の言葉、当たらずとも遠からずでしょうか。
理想的な「マザコン」ですね。ナルシストと同様にマザコンも、一般的に日本では良い意味では使われない。甘える対象や友達と同義なのでしょうか?
母親を愛せないで誰を愛せるというのでしょうね。自我を確立し、自立した向上心を持って、母親に感謝し愛せるなんて理想的な男子だと思います。
長い人生、羽生さんがどのような艱難に会い、どん底に落ちることがあっても、最終的に救えるのはお母さまお一人かもしれません。
ごろ寝さま
お母さん含めて、羽生君が周囲の人たちに感謝ができるということは、それだけ自分の成し遂げたことを客観視できているということですよね。
もちろん才能があったことは事実ですが、さまざまな環境や運にも恵まれていたと考えているはずです。すでに指導者の資質十分と感じさせられます。