ユーロ(女子SP)感想

ユーロ(女子SP)感想

ユーロは、男子はちょっと低調な内容だったので、女子(エテリ3)だけチェックしておきます。リザルトは「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。

コストルナヤ。84.92で1位。トリノGPFでは「85.45」で、これが現行ルールでの女子SPの世界記録なんですが、ジャッジは、そのスコアを頭に置きながら、採点したかもしれないですね。以下、2つプロトコルを並べてみました。

今回、たしかに3Aの着氷がちょっと滑った感じはあったかな・・・という気はするんですけど、それはファイナルのプロトコルを見た上での「結果論」とも言えるので、実質的にはほぼ同じレベルの演技だったと思います。ファイナルの映像と見比べてみましたが、3F-3Tはファイナルの方が余裕があったように見えます。

それよりも注目すべきは、PCSがついに36点台に到達した点です。トリノファイナルのザギちゃんが、SPをノーミスして36.46だったので、シニア1年目にしてオリンピック金メダリストに迫る評価を得ているというのは、素晴らしいです。

シェルバコワ。77.95で2位。体型の細さと動きのせわしなさはあるんですけど、やっぱりクオリティの高さは認めないわけにはいきません。この陰気でよくわからない曲というハンデがありながら、しっかり「彼女の仕事」をこなしているのは素晴らしい。

こちらも、ファイナルのプロトコルと見比べてみたんですが、PCSが「34.55→35.17」と、コストちゃん以上の伸び幅です。フリーでもPCSを伸ばしてくるようだと、クワドを2本クリーンに降りれば逆転優勝の可能性は十分にあると思います。おそらく予定は「4Lz-3T、4F、4Lz」の3本のはずですが、もしかりに3本降りたらとんでもないですね。

トゥルソワ。74.95で3位。冒頭、3Aを跳びにいったようには見えなかったので、彼女の2Aのミスは見た記憶がありません。スタートポジションで静止していたときに、上半身がガッシリした印象があって、これまでのようにジャンプが跳べるのか心配だったんですけど、残り2つのジャンプは回転も速く、しっかり降りていました。彼女もフリー勝負になってきますが、彼女は良くも悪くも4回転のことばかり注目されるので、そこがプレッシャーにならなければいいのですが。

ちなみに、USナショナルはまったく見れてないですが、アリサの回転不足は多少はマシになったのかどうかは、気になります。

では、また明日!

Jun


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コメント

  1. Fakefur より:

    去年台乗りした三人が誰一人出場していないという、世代交代の大会となりましたね。

    コストちゃんについては異論はないのですが、シェルバコワのルッツは素人目で見てもエッジがフラットだし、フルブレで3/4は下で回ってますからね・・・アンクリアエッジとダウングレードをちゃんと取ってほしいですよ、天野さん!
    今、フリーが終わりましたが、さすがにシェル子のクアッドは回転不足を取られてますが、アンクリアエッジはついてはいないんですよね・・・。

    SPで、トゥルソワとコストのPCSが1.5しか違わないことに驚いたのですが(トゥル子はそこまで美しくないぞ!)、フリーではさすがにコストのほうが5点以上ですが、器械体操のようなトゥル子でも67点代にのるようになってしまいました。

    クアドなしでも、3Aを2本を跳び、芸術性に秀でたコストルナヤがGPFを制し、欧州女王にもなりました。回転不足のクアドを一か八かで試すより、3Aを確実に決めた選手が勝ち、こちらの溜飲も下がったところです。この三人は全員ロシア人なので、この三人間で政治は働かないのは幸いだと思いました。もし、3Aを跳べるのがアジア人だけだったら、どんな不当な採点になるのか、想像するだけで恐ろしいです。

    どうか、この流れが世界選に臨む紀平さんにとっても追い風になりますように。

    • Jun より:

      Fakefurさま

      今晩アップするフリーのレビューも書き終えたので、フリーの話はそちらでするとして、SPのPCSは、まぁ、そこまで差はつけられないんじゃないですか?

      紀平さんについては、私も今回のユーロの結果を受けて、いろいろ思う所はあります。コストちゃんほど3Aが安定しておらず、今季は3Lzを入れられなかったので、4Sへのチャレンジは「前倒し」感があります。ただ、クワド以外が安定したときに、コストちゃん並みのスコアが出るのかどうか?それこそ「政治」の面も含めて、そこは私の関心事ですね。

      • Fakefur より:

        エテリ3の中でコストちゃんが勝つ限りは、ISUにまだ良心が残っていると信じたいです。

        同じく3Aを武器とする紀平さんだけを下げる理由はないわけですから。もし、3Aを跳べる若手選手が紀平さんとユヨンだけだったら、ロシア人のチートクアドが、バンバン認定されたんじゃないかと思います。

        その意味でもあの三人の中ではコストに勝ってほしいし、紀平さんには3Aの上に4Sを降りて、世選で勝って欲しいですね!

        • Jun より:

          Fakefurさま

          去年のさいたまワールドではツルシンちゃんの4Sが認定されましたけど、紀平さんの場合は3Aをまずは確実に決めなきゃいけないので、4Sに「一か八か」というわけにはいかない。3Lzの回復具合も見つつ、チームで相談することになりそうですね。

          しかし、紀平さんも、4CCの後、B級試合を挟んでワールドですから、さすが若い子はハードワークしますね。「試合数」ということで言えば、エテリ3よりもシニアデビューは1年早いですし、実戦での経験値は確実に高いと思います。そこが強みですね。