この第4章は、17年のヘルシンキワールドをメインで扱っているんですが、前半部分で四大陸選手権のエピソードも紹介されています。ちょうど良いタイミングで、まもなく4CCが開催されるので、ここで振り返ってみてもいいかなと思います。
韓国開催ということで、マガジン編集部からは、記者(山口さん)とカメラマン(毛受亮介カメラマン)の2人を派遣。山口さんと毛受さんは、以前山口さんが「陸上競技マガジン」の担当だった頃に仕事をした経験はあるものの、フィギュアスケートを一緒に取材をするのは、この試合が初めて。
現地の焼肉店で二人は「作戦会議」。毛受カメラマンの、「山口さん、フィギュアスケートの世界では、どんなんが“いい写真”なんですか」という問いに対する、山口さんの返答が印象に残りました。
「美麗写真って言葉がフィギュアスケートにはあるんだけど、僕としては、そういうのもありつつ、ふとした時に見せる素の表情とか、一心不乱に演技に没頭しているところが人間ぽくっていいと思うんだけど…。でも、マガジンは写真がどうもという人もいて、そこがちょっと悩みどころなの。だから毛受さんには、難しい注文をつけることも多いと思うんだけど」
まぁ、読者がアンケートハガキで「写真についての注文」も書き添えていた感じはありますね。でも、マガジンが写真にまで力を入れて、ある程度の質・量を確保していたら、1,500円以上のお値段になってしまうし、むしろ写真が少ないからこそ、「読むフィギュアスケート」ならぬ「読む羽生結弦」という強烈な個性を放っていた感はあります。・・・でも、山口さん、気にしていたんですね。
SPは、ネイサン1位、宇野選手2位での折返し。4Loは、カメラの角度的に軸の傾きは分かりづらいですが、着氷含めて素晴らしい出来。インフル明けの最初の試合で、こんないいループ跳んでたんだ!とビックリ。ちなみに、この素晴らしい4LoにGOE+1と渋ったJ7は、やっぱりおまえか!の、カナダジャッジです。
そして、4S-3Tは、このシーズンは鬼門とされていました。このSPの4S-3T、それからフリー後半の4S-3Tでは、手を合わせながら観戦していた方もいたんじゃないかと。
当時、リスフラン関節の捻挫から復帰したばかりだったので、4Tはフリーの単発1本のみに制限。翌シーズンの平昌五輪以降は4Tを復活させて、SP・フリーともに羽生さんの要のジャンプになっています。今シーズン、Otonalのコンボ(4T-3T)は苦労していましたが、来月の4CCも、昨年末の全日本のように2本目に配置する構成で行くなら、ショートのスコアを「計算」できるようになりますね。この点、どうなるか個人的に注目しています。
明日は、フリーの方を見ていきます。
では、また明日!
Jun
コメント
まだここまで読めていなくて、4CCまでにはと思っています。マガジンは写真が…と私も呟いたことがありました。仰るように写真の質が上がったら値段にも反映されますよね。
文字で埋め尽くされているからこそマガジンですし、他誌との差別化が実現されている訳です。ただ、最近の号は写真も随分良くなった印象があります。
4S-3T、苦戦していましたね。確かSPでの4Sの入り方にこだわりを持っているとの本人談があったような…。そこがプライドだと。今は、そうした勢いの部分だけでなく、より柔軟に対応するようになってきているので、次戦の構成も出場メンバー込みで臨機応変に考えるのではと思っています。
ととちゃん さま
今シーズンはかなり写真を増やしていますよね!その代わり、一冊を若干薄くして「一冊一試合主義」のスタイルにしている。売り上げはどうなんでしょうか?
もしかすると、本書の後半部分でその「意図」が語られているかもしれませんので、少しずつ読み進めていきたいと思います。