スケカナ(男子フリー)感想

スケカナ(男子フリー)感想

リザルトは「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。すでに大会は終了しているので、内容的にはほとんど雑談の「振り返り」にお付き合いください。

https://www.youtube.com/watch?v=BdCY5Hgo-f0

最初の4Sこそダブルに抜けましたが、3Aは1本決まりましたし、次戦以降に希望の持てる演技だったんじゃないかと。ジャンプ以外の、スケーティングやスピンの美しさに関して言えば、羽生君の次に来る実力者だと思っています。彼の場合、4回転が2種類でもメダル争いに食い込める能力の持ち主ですから、チームとしてもじっくりやるしかないでしょう。なんだか、メドちゃんもそうですが、クリケットクラブが「駆け込み寺」の様相を呈していますね。

https://www.youtube.com/watch?v=0PbiKEWAuCo

コンディション不良という情報も伝え聞いていて、フリーはやや残念な内容でした。やはりクワドが入らないとスコアも伸びません。ただ、ショート・フリーともにノーミスを揃えられば、GPシリーズの表彰台も視野に入る実力はついていると言えます。彼の演技は、単純に「見ていて楽しい!」「華がある!」という魅力に溢れていて、そういう魅力はトレーニングを積んだからとって身につくものではないと思っています。ある意味で、4回転ジャンプを習得するよりも難しい。自信を喪失している暇はないですよ。ロステレ杯では「彼」との共演になります。ぜひアピールしてほしいですね。

https://www.youtube.com/watch?v=M3MTaHgZTlI

個人的に、この試合でもっとも株を上げた選手は、彼だと思っています。前半に難しいジャンプに果敢にトライする様子と、曲も曲なので、ニースの羽生君が若干かぶるような気がしたと言ったら、言い過ぎでしょうか?

いまクリケットには、ゴゴレフ君という怪物が登場して、羽生君と彼の間に挟まれるような形で「影が薄くなった」かと思いきや、CSから存在感を見せてくれています。以前は少し頼りない印象もあったんですが、本当に逞しく見えますよ。

「ジューーーーリエーーーーッ」のシャウトを待っている自分がいて、振付はシェイなんですが、やっぱり彼女の感性って独特だなぁ・・・と改めて感じます。樋口さんのEnergiaやネイサンのネメシスのように、フィギュアスケートと無縁の楽曲を発掘するセンスに長けた人ですが、定番曲をアレンジするとこうなるのか・・・と。「定番曲」という意味では、羽生君の「オペラ座の怪人」は比較的オーソドックスでしたから、彼女の感覚もここ数年で変わってきているのかもしれませんね。

https://www.youtube.com/watch?v=eluENvSYAgU

「ジャンプだけで点を取る」という狙いがはっきり表れているプログラムで、ここまでつなぎの薄いプログラムってジュニアでも思い浮かびませんね。その肝心のジャンプの技術がアレなので、悲劇を通り越して喜劇にしか見えません。

プロトコルを見て思わず首をかしげてしまったのが、4SだけURがついている点。このジャンプの回転が足りなくて、他が足りているとする根拠が分からない。理解不能です。今回のスケカナの映像を使ったジャンプの検証動画がさっそくアップされていますけど、ジャッジ連中もその辺りの動向を知らないはずがないので、「ぜんぶ回転を認定したらやっぱマズいかな?」ということで、アリバイづくりに4SだけURをつけた説が濃厚と見ています。

https://www.youtube.com/watch?v=yiMOMwPOIKc

やっぱり、スケカナでは毎年何かが起こる・・・。そこまでやるかのキーガンへのPCS(87.22)の盛りっぷりに、ビックリです。それに加担しているのが、フランス(J9)のジャッジで、またフランスか(笑)と。優勝した宇野選手のPCSは9.25が最高得点なんですけど、J9はキーガンに、9.00を1項目、9.25が3項目、9.50を1項目と大盤振る舞いです。ジュンファン君(80.42)との差は露骨ですし、いくらミスがあったとはいえジェイソン(84.36)よりも高いというのはどうなのか。

ちなみに、昨年のスケカナの男子ショートで、宇野選手のPCSに9.75を2項目、10.00を3項目献上したのが、フランスのジャッジ(J2)でしたが、その人とは別人です。

明日は女子のフリーの振り返りをして、そしていよいよ、ヘルシンキですね!その前に雑誌のレビューを挟めればと考えています。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. おの より:

    何だかなぁ~と…
    毎回スッキリしない気持ちでいます
    ジュンファンくんは美しい演技でしたね
    近くにいいお手本があるから、自然と似てきているような気がします。
    録画でみていますが、盛り上げと内容が違っていて、でも放送はそうしないと行けないんだろうね
    ルールなんて変わっても、ジャッジが古い頭のままなのか?
    大会ごとに違うのってどうなの?
    すでに決まっているかのようなスケカナ
    ドキドキも何にも無かったかな
    マスコミのあげ方が今期は違うって言ってたので、どんな事してくるのか不安になりました。
    ゴーイングも煽っているように思えて住み替えして欲しいと思います。
    愚痴ってすいません

    • Jun より:

      おのさま

      こういう不可解なage採点や放送があるので、シニアの試合は毎年萎えるんですよね。JGPの方が純粋に楽しめます。

      ジュンファン君は逞しくなりましたよ。背が伸びたのもあるんですが、頼りない感じが無くなって、「俺を見ろ!」というような風格が出てきた感じがします。

      ちょっと前までは、「その髪切りなよ?」とか、そういう所ばかり個人的に気になっていたんですけど、あの重たいヘアスタイルがだんだん彼の個性の一つに思えてきましたね。こうやって褒めると、バッサリ切ってしまったりして・・・。

  2. ごろ寝 より:

    こちらでスケカナの上位選手の見せていただきました。毎回、ありがとうございます。

    簡潔にまとめていただき、同意。ジャッジは、毎大会「まとも」なものは半分程度と考えないと苛立ちが湧いてしまって。ISUは、衰退競技として終わらせるつもりなのか?この曖昧さがフィギュアスケートとでも認識しているのか?少なくとも五輪競技として、クリアに分かり易く、広く浸透させようとする意欲はないのでしょう。
    PCSの件も、海外記者さんの疑問を呈するようなツイを見かけたのですが、そういう事でしたか。

    ジュンファンくんは、12、3歳ごろから注目していた選手。資質とクリケットの指導が順調のようですね。
    宇野くん、ジャッジスコアの高いGOEに彼も進化した?のかと思いましたが・・・ジャンプは「少しは」良くなっていますね。しかし、スローな曲は悪目立ちします。両足滑走が目に付き過ぎ、「繋ぎ?何それ」状態。スピンも回りきっていない印象。でも3であれ4であれレベルは取れていてそれなりに評価もされている。ジャッジの感性との乖離に我が目を疑います。

    男子は2大会とも、優勝は多種クワド選手で決まりのような試合でした。NHKも同じ。フィンランドとロシア、フランス大会のみ「男子」らしい試合が見られるのでしょうか。ジャッジに采配される気もしないではありませんが。

    • Jun より:

      ごろ寝さま

      フィギュアスケートに限らず、どのスポーツの団体の役員にも言えるのでしょうが、自分が高級官僚にでもなったつもりなんでしょう。曖昧な採点競技だからこそ、スコアの部分はこの方々にとっての権力の源泉であり、そこに利権が生まれる。それを手放すわけがないですから、AIの導入なんて受け入れられるはずがない。五輪競技から排除されるような大スキャンダルが起こらないかぎり、真の意味でクリアな採点システムの構築は難しそうです。

      暗い話ばかりしても仕方ないので、我々は我々の感性を信じて、美しいスケートを披露してくれるスケーターたちを応援していくしかないですよね。まずは、ヘルシンキの地で、羽生君のOtonalとOriginがどう進化しているのか、楽しみに待つとしましょう。

  3. ととちゃん より:

    録画、見返しましたが、ジェイソンの演技、なかったんです。がっかりしました。ジャンプは抜けましたが、いい演技だったので大画面で見たかったのですが…。S&Gを選んだのがジェイソンで良かった、そう思わせる滑りでした。

    友野くん、クワドが1本も決まらなかったのは残念でした。でも、こういうナンバーはとても合っていますね。キレのある踊りを楽しめました。

    ジュンファン、大画面だと、動きの滑らかさがより分かります。ニースの羽生選手と同じ年なんですね。一気に伸びてくる気がします。

    キーガンは、SPの方が良かったですね。順位の圧を感じたのかな、と思いました。
    宇野選手、多少は繋ぎ部分にメリハリを入れてきたものの、音楽が月光である必然性を感じません。あれだけ音楽と関係なく滑れるのは、もはや才能でしょうか。これを今季数回見るのだと思うと、萎えてしまいます。

    でも、週末には、確実に何度も見返したくなる演技が見られますね。待ち遠しいです!

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      ジェイソンは、いつも私は言ってますが、大好きな選手なんですよ。

      本来だったら、プロスケーターになった方が、得意なジャンプをチョイスして、もっとスケーティングやスピンで魅せられるはずで、アイスショーこそ彼の良さを存分に発揮できると思います。ただ、それは5年後、10年後でもできると彼は考えているはずで、だからこそ、クリケットでチャレンジすることを選んだ。いまは、ジャンプが抜けて、転倒をしていますが、頑張る彼を応援したいと思います。

      ところで、アメリカのフィギュアスケート事情を考えると、おそらくオリンピックのメダリストクラスじゃないと、プロスケーターとして食べていくのはなかなか大変なのかなという気がします。カナダよりも、アメリカの選手の方がしぶとく現役を続けている印象です。そう考えると、日本のスケーターはまだ恵まれているのかもしれませんね。

  4. sennin より:

    今季は動画でスケートを見てきたせいか、テレビは音楽の音が小さいということに気がつきました。アナウンサーの声を優先するためなんでしょうね?演技中は黙っていてくれていいんですけど…友野君のリバーダンスの音楽の編集気に入ってるものですから。それにしても、どの選手もキツそうでしたね?特に晶磨君キスクラでも苦しそうでした。珍しい、クリムキンは忙しいから入れないと言ってるけど休憩の多いプログラムに私には見えるんですけど、ノブ君がジャンプのランデイングが流れるように練習していたと話していましたが、確かに昨年よりいい感じはしましたが右腕クルリンは明確で流れるジャンプに見えないよ?と思いながらテレビ観戦しました。

    ジュンファン君順調で今季は今のところ全部表彰台ですね。丁寧にすべってますね?Jr.の頃から怪我続きでしたが、ジッと我慢して良かったですね!側に、手本となる結弦君やハビがいてそりゃあ勉強になりますね。今季はジェイソンがいますから、私もテレビでジェイソンが映らなかったので紹介していただき助かりました。4S挑戦したんですね〜凄い!スケーテイング、表現、体の柔軟性と素晴らしいですよね。

    友野君は体調イマイチだったんですか?今週末の西日本にエントリーすることにしたようですが、度胸つけるためなんでしょうか?

    • Jun より:

      senninさま

      友野君は、いま冷静に自分の実力を分析していると思います。たしかに、ワールド5位というのは大躍進ですけど、羽生君もハビもいない、ボーヤンは不調だった中、かなりラッキーだった面はあります。

      マスコミやライトなファンはその上の結果を当たり前のように求めてしまうわけですが、そう簡単には行きません。彼の場合、クワドの精度が課題ではあるんですけど、スピンやステップで取りこぼしもあるので、少しずつ全体の完成度を底上げしてもらいたいです。4回転は何だかんだでバクチ的な部分もあるので、それ以外のエレメンツをいかに安定させるかも重要かなと思います。