「紀平梨花VSザギトワ、4回転の新星たち続々でフィギュア女子は戦国時代」(AERA dot. 20190102)
記事のネタに困っていて、苦し紛れにネットニュースをいくつか覗いてみると、「どうせしょーもない記事でしょ?」と思っていたこちらが、比較的しっかりした内容でした。
ロシアの女子ジュニア勢に注目した記事というのは、「日本の女子も今すぐに4回転を!」という論調になりがちですが、こちらは、様々な立場の意見を集めています。
例えば、折山淑美さんは「必要論」で、紀平さんがワールドで勝てるのは「今年が最後かもしれない」と悲観的です。エテリ組のジュニア勢が来季シニアに上がって、PCSももらえるようになると、厳しい戦いになるという見解です。
安藤美姫さんは、「ロシアのジュニアが来年もクワドを跳べているかどうか分からない」と前置きした上で、「でも彼女たちは実際に跳べているのだから、日本の選手もやっていかなきゃいけない」と、折山さんよりややマイルドな主張でしょうか。
渡部絵美さんは、「大技が本当に必要なのか?4回転で差がつくようだと、選手がつぶれてしまう。よい選手が消えてしまう。紀平や坂本は無理して挑戦する必要はない」という、最近ではやや新鮮な意見です。
実は、渡部さんは、全日本での三原さんの演技を高く評価しています。
三原選手は残念ながら4位でしたが、非常に上手かった。彼女のような、ノーミスで綺麗に最後まで演じきれる方が、私個人としては好きですので、上位選手がジャンプの失敗とかあった中で、4位という結果は少し可哀相ですね。彼女は、オールラウンドに、綺麗に滑ることができます。
まったくもって同感ですね。「紀平さんage報道」が多いこともあって、高難度ジャンプバトルを受け入れる論調が大半な中、舞依ちゃんのような堅実なスケーターに注目してくれるのは嬉しく思います。
私自身の見立てでは、ロシアのジュニア勢も一枚岩ではなくて、ロシアナショナルのレビューを終えて、やっぱり「トゥルソワのPCSの伸び悩み」が気になっています。今季は、クワドどころか3Aすら入れていないコストルナヤと「勝ったり負けたり」という状況なので、おそらくシニアに上がったら、さらにクワドを増やすという「大バクチ」を打つんじゃないかと。それこそ、渡部さんが指摘しているように「潰れて」しまわないか、心配です。
「花束ガール・川畑知愛、世界は羽ばたく」(矢内由美子 20181231)
さすが矢内さん。川畑さんに注目してくれて、ありがとうございます!
私が知らなかった情報としては、川畑さんは「コストナーが理想像」で、パトリック・チャンも「お手本にしている」とか。いいセンスしてるじゃないですか!
シニアにはスケーティングがうまい選手がたくさんいらっしゃるので、先生にはスケーティングを見ていただいて、曲の中で大きく滑る練習をしました。スピンやステップでレベルの取りこぼしのないように練習しました。
「先生」としか書かれていないので、章一郎先生か、奈加子先生かは分かりませんが、まぁ、スケートの方はやっぱりアイスダンス出身の奈加子先生のような気がします。
そして、おそらく取材した矢内さんも彼女に対して好印象を持ったのでしょう。「背筋をピンと伸ばした美しい姿勢でこう返した」「よどみなく出てくる敬語にはジュニアらしい瑞々しい響きがあった」という記述に、スケーターとしてだけでなく、人間的にも川畑さんのファンになってしまいますね。
この二つの記事をチョイスしたのは偶然ですが、専門家が「女子の4回転時代」を煽る中で、「コストナーを理想」としている川畑さんがどんなスケーターとして成長するのか楽しみです。
では、また明日!
Jun
コメント
明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。
北京まで、トゥルソワとシェルバコワがあの体型のままで、楽々4回転を跳べるとは思えません。もっと下の世代で4回転ジャンパーが現れて、ザギちゃんのようにシニア1年目で勝ちまくる可能性はあると思います。
私も三原さんのことは気になっていました。日本とロシアを除くナショナルなら優勝できるレベルですからね。
グルノーブルGPで紀平さんと三原さん両方を現地で見ましたが、二人の滑りは両極端で、紀平さんのカミソリのようなシャープさと、三原さんの羽衣のような柔らかさは卓越していました。同時に三原さんの個性でもある奥ゆかしさと初々しさは日本人の心には結構ぐっと刺さるのですが、国外のシニアで戦うには弱いかもしれないと感じました。
日本と違ってヨーロッパでは、いとけない可愛らしさよりも大人の女性としての成熟が評価されます。ビッチも演じ切れるトゥクタミシェワや、圧の強いプロを滑ったらピカイチの樋口さんのもつ意思の強さが、ヨーロッパでは好まれます。多分北米も似ているのではないでしょうか。
英ユーロの女性解説者は三原さんはfacial expressionをもっと磨いたほうがいいと言っていました。個人的には顔芸先行はあまり好きではないのですが、三原さんは技術は確かなのでプラス顔芸があればさらにPCSは伸びるでしょう。
紀平のシャープネスと3A、坂本のダイナミズム、宮原のエレガンスに対抗できる、三原さんの武器は何だろうと考えています。スケーティングと音ハメをさらに磨いて、天衣無縫なキャラクターの国際認知度をあげることではないかと思います。
Fakefurさま
トゥルソワやシェルバコワのさらに下の世代を警戒視する意見もけっこう見かけますね。私自身は、試合で見てみないとなぁ・・・というのが正直な所です。
三原さんは、難病と戦い、いつも謙虚な発言も含めて、我々スケオタの心を掴んでいる選手ですよね。もちろん、高い技術を持った選手ですが、彼女の人間性と透明感のあるプログラムに共通点を感じて、私はいつも感銘を受けています。この辺りの事情を、海外の人たちが詳しく知ってるはずがないので、なかなか伝わりにくい部分はあるかもしれません。
スケートはよく伸びる選手なので、3Lz-3Tのセカンドの回転不足と、エッジの問題を克服すると、スコア的にはもっと安定すると思います。
記事のご紹介ありがとうございます!
知愛ちゃんの記事、とても良かったです。
しっかり敬語も使えるんだな、と。なかなかいないタイプだと思うんです。ご家庭がしっかりしてらっしゃるからじゃないかと思います。その上都築先生ですから、期待も膨らみます。自分のなかで理想像もあるようで、そういう選手は芯があって強いと思います。
朝日系列の記事も、興味深かったのですが、私は誤字脱字にアレルギーがあって、あのまま載せる感性にちょっとプロ意識を疑った次第です。ただ、舞依ちゃんはもっと評価して欲しいという気持ちは一緒で、是非四大陸、獲って欲しいです。
ととちゃん さま
あの選手や、この選手とかを見れば、親やコーチによる教育の重要性がよく分かりますよね。
興味深いのは、かつてボクシングの世界チャンピオンになるような選手は、辰吉さん、薬師寺さん、竹原さんのような「元不良」みたいのが多かったんですけど、
いまは受け答えのしっかりした、高校スポーツのエリートが世界を獲っていますね。井上選手なんて、鬼のような強さなのにめちゃくちゃ謙虚でクレバーです。
フィギュアスケートはどうか?と考えると、OBが醜態を晒しているので、後輩たちは反面教師にしてもらいたいですね。
誤字脱字は、私自身よくやってしまうので、あまり言えないのですが、選手の名前だけはなるべく気をつけるようにしています。
渡部絵美さんのことでょうか?懐かしいですね、まさかコメントしているとは知りませんでした。絵美さんは自分の時代のスケートがお好みなんでょうが、舞依ちゃんの演技をプロが絶賛してくれたのは嬉しいですね!。ウィルソンプロは魅せるけど勝つってとこではどうですかね?結弦君の二本のプロも私はあまりお好みではありません。この際来期はspかFsのどちらかの振り付け師を勝つために変えてみたらどうでしょうかね?レパートリーが豊富なシェイリーンがいいなあ…。
4回転論争凄いですけど、安藤さんはTVで4回転は簡単といったそうな?来年跳べてるかって安藤さんと同じ体質とは限らないし、余計なお世話ですね。選手は今、闘ってるわけだし紀平さんも練習しているらしいけど実力があるなら勝つためにやればいいと思います。私達は怪我を心配するけどアスリートは挑戦、勝つというのがモチベーションでしょうからね。まあ、できない選手もいるしあんまり煽らないで欲しいですね。
コストちゃんのインタで3Aの練習を夏頃までしていたみたいですね。コンディションが悪いと思ったら3㎝身長伸びててやめたそうで。私は、4回転論争より医大にいくというコストちゃんのスケートがいつまで観れるのか?が気になります。
ゴゴレフ君は、ブライアンと十分な時間が取れなくてバーケルがついてくれているということで移籍したそうで、そうでしょうね?人数多すぎますね。これではやはり、駿君の入る余地は無さそう…。
senninさま
そうです。あの渡部絵美さんです。
三原さんの来季プロはどうですかね・・・。リショーさんのリベルタンゴについて彼女は相当悩んでいたようなので、けっこう性格的にデリケートなのかもしれません。
そう考えると、中野先生は、坂本さんには「今季はこれをやって!」とガツンと言えるけど、三原さんにはどうなのか・・・と勝手に想像しています。ウィルソンと相性が良いと思うなら、ウィルソンにお願いすべきではないかと。シェイはシェイで、けっこう奇抜な選曲をしますからね。
安藤さんは、地上波のいろんな番組に出ていて、例えばバイキングだとネタキャラ扱いされていますが、スッキリ!だとマジメに解説しています。
JGPファイナルについても、コストちゃんを取り上げて「この子は4回転もトリプルアクセルも無いけど優勝しています」と指摘していました。
彼女の師匠の門奈裕子コーチの妹弟子に、荒木さんや吉田さんがいますから、ジュニアの試合は細かく見ていると思いますね。