リライト&再検討。「フィギュアスケートプリンス 祝!国民栄誉賞受賞特別号」

リライト&再検討。「フィギュアスケートプリンス 祝!国民栄誉賞受賞特別号」

2018年7月9日発売。税込み価格「1,080円」

本書をレビューしたのは「7月10日0時アップの記事」だったんですが、ご承知のように、その記事は読めなくなってしまっているので、元記事をリライトしつつ、数日後に発売された「FIGURE SKATERS Vol.11」との比較、そして本号とバックナンバーとの違いについても触れておきます。

(1)羽織袴写真(3~18頁)<プリンス>

表紙以外の羽織袴姿の内訳は次の通り。マイクを向けられてコメントに応じるショット(1枚)、総理官邸に入る際のショット(2枚)、橋本会長と談笑するショット(1枚)、襟元を女性に直してもらっているショット(1枚)、安倍総理から賞状を受け取るショット(1枚、見開き2ページ)、総理と談笑するショット(1枚、見開き2ページ)、総理と一緒に盾をかかげるショット(1枚)、着席時のショット(1枚)、マイクを向けられインタビューに答えるショット(1枚、見開き2ページ)、ICレコーダーがズラッと並ぶテーブルの前でコメントをするショット(1枚、見開き2ページ)、総理官邸を後にするショット(1枚)です。

見開き2ページに1枚か、1ページに1枚と、いずれも大きなサイズで掲載。写真自体は計11枚で、全16ページにわたって収録されています。テキストも写真の中にハメこまれていますが、さほど気にはなりません。

※「FIGURE SKATERS Vol.11」の羽織袴写真の内訳についても再掲します。

表紙・ポスター(表面)以外は、次の通り(2~7頁)。ひとりで着席して微笑むショット(見開き2ページ、ただし安倍総理から賞状&盾を渡される連続写真2枚が右ページに)、安倍総理とともに盾を掲げるショット(1枚)、扇子を手に笑顔のショット(1枚)、立ち姿で上半身のショット(1枚)、記者に答えるショット(1ページに上下2枚)です。

写真の枚数は計8枚で、6ページ。テキストは2頁と7頁にあります。サイズが違う本ではありますが、こうやって比べてみると、やはり「FIGURE SKATERS」の羽織袴は、ポスターはなかなか頻繁に広げないことを考えると、ちょっと足りないですね。「FIGURE SKATERS」は、スーツギャラリーとFaOIの写真でかなり頑張ってくれているので購入する価値はあるんですが、だったらもうちょっと羽織袴も頑張ってくれてもよかったかなと。せっかくスタイルの良い羽生君だし全身を写したショットが「FIGURE SKATERS」に無いのは本当にもったいないです。「プリンス」には、官邸の「入り」と「出」のショットも入ってますし、やはり羽織袴ショットは「プリンス」が総合的に優るというのが、私の意見です。

(2)バックナンバーからの変遷を見てみる

ここからが、新しい情報です。ウチに全号あるわけじゃないんですが、一番上が第2号(2015年5月発売)。ヘルシンキホプレガが表紙の号(2017年4月)から現在のA4サイズに少しシェイプアップしました。初期の3冊は、今以上に無駄にテキストが多く、煽りポップから、ページ全体に埋め尽くされた「ゆづ名言集」等々、レイアウトのダサさに加えて、キャスティングも「ちょっと事情を把握していないな・・・」という感があります。

サイズがA4になってからは、テキストはサイズも量も控えめになり、ゆづ濃度も増してはいるんですが、「羽生結弦の復活」と題した平昌五輪号(前編)では「N杯での転倒写真を何枚も掲載するという大失態」を犯し、この雑誌の編集者は「ゆづアンチなの?」と、不愉快な気持ちになった私です。平昌五輪号(後編)にあたる「羽生結弦の軌跡」では、平昌スワンや閉会式の様子、EX公式練習等、我々の中でも話題になった写真を多数収めつつも、宇野選手が頻繁に出てくるので、ちょっと並びがなぁ・・・と、書店で見かけて本棚に戻した方もおられるんじゃないかと。

ところが、です。もし手元に、平昌五輪特集の2冊をお持ちで、本書も購入された方、ぜひパラパラと見比べていただくと良いと思います。実は、平昌号の2冊は、本書より30ページほど多く「1,296円」に設定。一方、本書は、80ページほどになって、価格は「1,080円」です。あえてゆづ中心にして全体のボリュームを抑えて、価格も下げる。かつての「通信」方式、現在では「KISS & CRY」方式というか、他誌を明らかに意識した変化が見られますね。

他に、読者の方から指摘のあった、テキスト部分の問題は、私自身は「これでもかなりマシになったんだよ」と、隔世の感があります。4Loの写真が、どうしてよりによってバランスを崩した16年N杯のSPなのかという点は、本書は、全写真を共同通信から借りているので、「共同には、4Loの写真はこれしかなかった?」というのが私の見立てです。

バックナンバーの表紙を色々と貼りましたが、バックナンバーをあえて買う必要はありません。これは断言してもいいです。ただ、いい方向に変化してくれているし、この雑誌が「写真重視系」であるがゆえに、比較的コンスタントに発売してくれるのも魅力です。本号はおそらくかなり売れているはずで、もしかすると、9月上旬のFaOIオフィシャルブックの前か、あるいはその直後辺りに、FaOI・H&F含めた「夏のアイスショー特集号」を出版する予感があります。そこで、今回のようなゆづ率で「1,080円」に抑えてくれたら、拍手ものですね。個人的にはかなり期待しています。

さて、かつて私がレビュー済で「気になる雑誌のバックナンバーや書籍」がございましたら、ぜひリクエストをお願いします。今回の記事のように、元記事を参考にしつつ、現在の視点でリライトしてみようと思っています。「私がレビュー済」というのは、もちろん大体の記憶で構いません。お気軽にどうぞ。

では、また明日!

Jun


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コメント

  1. ととちゃん より:

    プリンスの初期の2冊、表紙のレイアウトに全くセンスが感じられませんね。写真のチョイスも、何故それを?と不思議に思う号が多かった印象があります。

    でも、今回の号は買いでしたし、この調子で是非頑張っていって欲しいです。

    過去記事、全部消滅したのだと思っていましたが、 junさんからは見られるとの事、安堵しました。リクエストですが、 ソチOP前に発行された、「日本男子応援ブック」についての記事があれば…。確か、初めて「ゆづ呼び」したなど話題性があって、ソールドアウトしてしまい、手に入りませんでした。

    また、ニースワールドを取材した本をお持ちでしたら、取り上げて頂けたら嬉しいです。
    高橋選手を当時どう見ていたかなど、興味があります。お忙しいと思うので、機会があれば…。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      私の「ゆづ呼び」はたぶん無意識であまり意味はないですが、新規参入雑誌の「応援ブック」が、ソチ前にあの内容で創刊号としてスタートしたことに意味がありますので、検討させていただきます。

      今晩の記事は「ニースワールド」関連で準備しております。お楽しみに!

  2. sennin より:

    あたたかいコメ返だけでなく改めて記事にしていただいて本当にありがとうございます。プリンスの今までの変化が良くわかりました。写真のチョイスは成る程そういうことなんですね〜。日本の至宝・羽生結弦とタイトルがあるのにもかかわらず、全体的なコメントに愛情を感じられなかったので写真のチョイスもいい加減にしているのかと思いました。私は、写真重視で買ったものはコメントをスルーする傾向があり、junさんのブログに出会ってから、写真の側にある文章も読むようになりました。その方が羽生結弦をもっと知ることが出来るし、スケートも本も楽しめます。私は、まさかプリンスは持っていないと思っていたら2015の全日本号がありました。アフロの長田さんの写真が主でコメントも違和感のない号でした。
    早速ですが「KISS&CRY」発売日は忘れました。お願いできたらで結構ですので宜しくお願いします。
    今日は、田中さんが駆けつけて撮ったというユヅ、ハビハグ写真の動画が賑やかで…。なぜ、ハビの顔アップなのか?とは思っていました。やっと撮れたショットだったみたいで私も納得。いくら田中さんでも「今からやるよ」と結弦君が合図するものでもないしカメラマンさん本当に大変ですね。

    • Jun より:

      senninさま

      いえいえ、写真重視系雑誌の「お飾りテキスト」は、私もそんなにチェックはしてないですよ。ただ、最近の傾向として「萌え系」はほぼ絶滅状態になった印象です。そりゃ、五輪連覇の国民栄誉賞受賞者を、もはやそんな風に扱うわけにはいきません。

      「KISS & CRY」は、ここ1~2年のものはほぼ揃っていますが、私の持っているもので一番古いのがソチ直前号ですね。中身を確認してから、検討してみたいと思います。ありがとうございました!

  3. 名無しの猫 より:

    こんばんは。

    既に書かれていらしたらすみません。
    私の本棚にズラッと並んだフィギュア誌を見て、もうファン通信は出ないのだなぁ
    と思いながら、マガジンはどうなるのだろう?と。
    お考えお聞かせいただけるとありがたいです。

    • Jun より:

      名無しの猫さま

      マガジンは、山口さんが編集部にいた時代も、ワールド号の後は、トロントメディアデーまで発売が無かったので、もし出版があるとしても、9月以降だと思いますよ。

      通信は私も本棚に並んでいますが、この雑誌が毎月発売されていた時代は楽しかったですね。私の宝物です。