ネーベルホルン杯・JGPチェコ(女子SP)感想

ネーベルホルン杯・JGPチェコ(女子SP)感想

ネーベルホルン杯のリザルトは「こちら」で、フィギュアスケート速報さんは「こちら」。JGPチェコのリザルトは「こちら」で、フィギュアスケート速報さんは「こちら」。そして、SkatingScores.comは「こちら」で。

リアルタイムでレビューしています。JGPの荒木さんから。SPは昨シーズンの持ち越しプロで、キャシー振付の「素敵なあなた」。ただ、編曲、途中のつなぎともに変えてきています。転倒もなくうまくまとめたように見えたんですが、今季の判定基準なら、3Lz-3Tのセカンドか2Aで刺さったかもしれません。

病み上がりの影響があるかもしれませんが、彼女のポテンシャルからすると、こんなスコアの選手じゃありません。ただ、大崩しないのが彼女の強みでもあるので、フリーと2本揃えて、180点欲しいところです。

ここからネーベルホルン杯。シェイ振付の「Seven Nation Army」。スコアは56.66。冒頭の3Lo-3Tのセカンドでこらえ気味。セカンドはURがあったかも。2Aで転倒。3Fは両足着氷でこちらも刺さっている可能性が。ただ、もっと厳しいスコアだと思っていたので、失点は最小限のようです。スケーティングのスピードが出ていて、動き自体はシャープで悪くないと思いました。ハードな感じの衣装も相俟って、これまでとは違った真凜ちゃんを表現できていると思います。

一人挟んで、舞依ちゃん。ただ、その挟んだ一人の、ベルギーのヘンドリクスに「71.50はいくら何でも出しすぎだろ!」と思っていたところで、演技開始。ウィルソン振付の「It’s Magic」。3Lz-3T、3A、3Fとジャンプを難なく決めて、本人もガッツポーズ。中野コーチもホクホクの表情でした。スコアは70.94。エッジか回転で若干の減点があったかもですが、新プロでここまで仕上げてきたのは素晴らしいです。ほぼ完璧な演技だったので、これは滑り慣れたフリーは大いに期待できそうです。

ザギちゃん。この「オペラ座の怪人」は何度聞いても「壊滅的な編曲の酷さ」で、好きになれる要素ゼロですが、もちろん彼女に非はありません。衣装もかわいいし、パフォーマンスも悪くないです。で、「ちょっとこの試合おかしいよね?」ってぐらい、79.93とやっぱり盛り盛りのスコアでした。厳しめだったオータムやUSクラシックと比較するまでもなく、CSは「お祭り」ということですね。腹を立てるだけエネルギーの無駄ですな。

初めて吉岡さんのこのSPを見たときは、「ヴォーカルうるせー!」と思ったんですが、だんだん吉岡さんの明るいキャラに合っているような気がしてきました(笑)。3Fにエラーがありましたが、ジャンプ自体はしっかり決めて好調を維持していますね。7位という位置ですが、フリーで良い演技ができれば、まだまだ順位は上げられそうです。頑張って!

彼女が2Aを試合でミスしたのは初めてだと思いますが、それより驚いたのは、SPの2Aを一本パンクしただけで、こんなボロボロに大泣きするということです。こんな選手、私は見たことがありませんよ。いつも、あれだけ美しく、華麗な演技を披露するために、日々厳しい練習を積み重ねるだけでなく、どんな試合に対しても完璧な演技をするために臨んでいる。彼女の本性は、ファイターであり、フィギュアスケートの鬼ですね。

これほどの怒りを露わにする若者といえば、去年の夏頃、将棋の藤井聡太七段(当時四段)が、勝ち寸前での終盤戦で自分が悪手を指したことに気づいて、生放送されている対局中にもかかわらず、自分の太ももをバシンとおもいっきり殴りつけて悔しがっていた光景を思い出しました。結局、その対局は相手がミスをして勝ちを拾えたわけですが・・・。それぐらい気持ちが強くないと、超一流のパフォーマンスを披露できないわけです。どの分野も一緒ですね。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. kanon より:

    真凜ちゃんとまいちゃん良かったですねぇ~!
    ミスはあったけど良いプロになりそうだなぁって思いました。
    レオナとザギーの点数はやっぱ出すぎですよね(;^_^A
    まあ、レオナは地元なのでホームアドバンテージがあったかも?
    ロンバルも地元イタリア勢には尋常じゃない高得点出しますから(笑)
    GPSでもいい演技をして同じくらい取れたら本物ですね。

    ただザギーは内容がどうあれミスしなければこのままの得点を
    維持するんじゃないかと思ってます。
    ロシアじゃこのプロ評判良いみたいなんで私たちとは価値観が違うんですよ(笑)
    滑り慣れてくれば質も上がるでしょうから更に高得点を出すでしょうね。
    エテリが珍しくCSについてきてました。
    来季になれば彼女も危機的状況になるので今季のうちに世界女王のタイトルを
    取らせるために気合入ってそうです。

    • Jun より:

      kanonさま

      ザギちゃんは、身長伸びたと言われていた割に、しっかりまとめきっていたのはさすがだなと思いました。ただ、テクニカルの判定基準によってはちょっと回転が危ないジャンプもあったので、それこそ北米の有力選手、今季だとテネル辺りも出てくるような試合になるとどうなるかは不明です。

      舞依ちゃんは原点回帰という感じで、SP・フリーともに彼女のキャラにあったプロで「自信を取り戻すシーズン」ということなんだと思います。真凜ちゃんは、環境も大きく変わったことですし、いきなり結果を求めるのは酷ですよね。私自身は彼女のチャレンジを応援したいと思っている一人です。

  2. あや より:

    本田真凜ちゃんの演技を見て、新ルールはジャンプをミスすると致命的なスコアになってしまうんだな…ということがよく解るスコアでした。
    ただ去年のカナダ杯ではスピンの回転不足採られてたけど、今年はスピンもスケーティングもスピードがあり、ステップがダイナミックになったし、腕の使い方が丁寧になったし、ジャンプ以外は格段に良くなってると思いました。

    三原さんは去年のタンゴより、こういうプログラムや衣装のほうが合ってると思います。
    中野ゆかりを彷彿とさせる丁寧なスケーティングでした。

    • Jun より:

      あやさま

      私は、他の試合だったら、真凜ちゃんはもっと厳しいスコアだったかもなと思っていました。向こうのチームでは身体作りをかなりしているという報道から、少し大きくなったように見えました。いずれにしても、長い目で見守ってあげたいですね。

      三原さんについては、私は去年のタンゴも「チャレンジ」として評価していましたが、五輪代表を惜しくも逃してしまった彼女には、まずは自信を取り戻すことが大事。ウィルソンとの相性も抜群のようですし、まずは今季この両プロで頑張ってもらいたいなと思います。

  3. マリィ より:

    こんにちは
    ザギトワのオペラ座はいっそ新しい曲のつもりで聞いてしまったほうがスッキリするかもしれません。
    なんせ2014年はたくさんのオペラ座を聞きましたから(笑)
    真凛ちゃんイメージ変えてきましたね。
    樋口新葉が滑りそうな?
    舞依ちゃんはやっぱりこんな感じがいいですね。
    まだまだ大人っぽいプログラムは合わない気がしましたから。

    • Jun より:

      マリィさま

      おっしゃるように、もはや「オペラ座」とは思わないで、別の曲として見た方がいいかもしれませんね。

      真凜ちゃんのSPの衣装は、新葉ちゃんのMJメドレーのような雰囲気はあるかもしれません。「殻を破りたい」という彼女の意欲はよく伝わってくるので、その理想を現実にするために、彼女は日々格闘しているんだと思います。彼女は、余計なスポンサーのバックアップ関係なく、もともとギラリと光るスター性のある子ですから、しっかり実力をつけてほしいです。

  4. sennin より:

    昨夜は疲れてダウン、朝junさんのツイで試合を思い出す始末で慌てて動画を観ました。菜那ちゃんは病み上がりで練習不足があったか、いつもの切れがない感じはしましたがよく頑張りました。離氷後に回転してランデイングも流れる壮大なジャンプ、美しいスピンと可愛らしい笑顔の菜那ちゃんのスケートを観ていると、私はいつも元気になるんです。 ショートは継続でしたね。指先まで綺麗で良かった。レイバックスピンが本当に美しくて今回も加点が多かったですね。フリーも頑張ってほしいです。
    今回の女子はコストルナヤと詩果ちゃんなど私のお気に入り選手で楽しめました。詩果ちゃんの曲はともかくとしてこの選手も可愛くて豪快で気持ちがいいですね。小山コーチの明るさが健在で…(笑)

    ザギちゃん素晴らしい。それはそれでいろいろ考えてしまうなあ。音楽は頭に残ってないです。
    三原舞依ちゃん体調も良かったんですね?素晴らしい演技で舞依ちゃんの良さが存分に出ていてこちらまで幸せになるような演技でした。フリーに期待です。
    真凛ちゃんはジャンプ失敗したけど他はいうことないですよね?一皮むけた感じで日本の選手でこの衣装を着こなせて、このプログラムを表現出来るのは真凛ちゃんだからこそではないかと思いました。ラファがフォローしている感じでしたね〜。次の選手が滑り始めても真凛ちゃんに向かって弾丸のように話していましたけど、あれ真凛ちゃん何ってるのかわかったか?煩いだけかもと勝手に 想像。そう言えばネイサンの時もだった(笑)

    今夜はいよいよ須本君時間帯助かる!準備万端整えます(笑)。

    • Jun より:

      senninさま

      菜那ちゃんは、去年の衝撃のJGPデビューの頃と比べると、若干身体が重そうかな・・・とは感じました。でも、高さと幅のあるジャンプは健在。スピンも相変わらず上手い。個々のエレメンツにおけるスケールの大きさは日本女子の中でもズバ抜けたものを持つ選手ですから、あとは全体としての完成度ですね。フリーが楽しみです。

      舞依ちゃんは、自信を取り戻すためのシーズン。真凜ちゃんは、挑戦して殻を破るためのシーズン。私は勝手にそう位置づけて見ています。まずはシーズン通して、二人がどのように成長できるか、しっかり見守りたいと思います。

  5. ふくこ より:

    JUNさま
    こんにちは。

    真凛ちゃん、ジャンプ失敗ありますが(初戦はこんな感じでも・・徐々にあがっていけば御の字です)良かったと思います。
    選曲もいいですね。
    今までの誰かの・・・っていうのは私的には???でしたから。
    滑りに重厚さも感じられてきてますのであせらずに自分のものにすればgood
    華のある選手なのでフリー楽しみです!

    ザキトワ選手
    オペラ座曲のプツン、プツンはえーと思いましたがロシアは謎繋ぎが多いので(笑)
    衣装と技のキレで見せてくれますね(美しいし)。

    さすが「オリンピックチャンピオン」

  6. ととちゃん より:

    ザギトワの曲に慣れることは、今シーズン通してないと思います。衣装を着ると、少しは世界観に浸れるかと思っていましたが、あまりにも切れ切れで、諦めました(笑)。
    ただ、スコアの妥当性はともかく、美しいスケート、ジャンプでした。

    コストルナヤはミスに慣れていなくて泣いたのでしょうね。解説も彼女のミスは見たことがないと。ただ、彼の言うように、いつかは経験することなのですから、シーズン初めで
    むしろラッキーだと思い、糧にして欲しいですね。

    真凜ちゃん、環境を変えて初めての試合ですよね?かなりの緊張があったでしょうが、今までの真凜ちゃんとは違う雰囲気をだせていると思います。メディアも押し掛けているのかもしれませんね。舞依ちゃんは是非台乗りして、弾みをつけて欲しいですね。

  7. Jun より:

    ふくこさま

    真凜ちゃんが「華のある選手」というのは同感です。ただ、彼女をアイドルとして売り出して金儲けをしようとする大人たちの「ゴリ押し」により、彼女には余計なプレッシャーがかかってしまったと個人的には感じています。もちろん彼女自身もそんな雰囲気の中でフワフワしてしまった時期もありました。でも、いまの彼女は「アスリートとしてやっていく」ことを決意してラファのもとで頑張っているわけで、しっかり力をつけてほしいなと思います。

    ロシアのフィギュアスケートは編曲に限ってみても本当に多様だなと感じます。エテリ組のひどい編曲もあれば、パノワ組やブヤノワ組は王道という感じですし、プルさんのアカデミーのタラちゃんのフリーはロックアレンジが素敵でした。まぁ、いろいろあるということですね。

  8. Jun より:

    ととちゃん さま

    コストちゃんの2Aのミスは衝撃でしたが、まぁ、でも、ファイナルやジュニアワールドじゃなくてよかったです。この経験をしっかり胸に刻んで、まずはこの試合のフリーで修正してもらいたいです。

    テッドさんも、全種目、全選手を解説しているので、本当にいつもコメントが温かい。オータムでの羽生君に対するコメントで、彼の存在を初めて知った方も多いと思います。JGPの映像はすべてYouTubeにアーカイブ化されているので、気になる選手がいれば、彼のコメント付きでチェックしてほしいなと思います。