JGPチェコ(男子フリー)感想

JGPチェコ(男子フリー)感想

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須本君。ショートが悪かったので心配していたんですが、このフリーは3Loの着氷での乱れと、最後の3Lzの転倒&URを除けば、ほぼ文句無しの内容でした。フリーのスコアだけで言うと133.70の3位で、フリーの1位(138.29)・2位(134.06)は4Tを降りているので(他のミスはありますが)、須本君に対する評価は高いと見ていいでしょう。タラレバは言いたくないですが、ショートのミスが響きました。

ジュニアの場合、海外選手はフリーで一か八かでクワドを入れてくるんですけど、そんな中でクワドレスで挑むならば、ノーミスしないと勝負にならないですよね。まぁ、ここは一度気持ちを切り替えて、全日本ジュニア、全日本と、年末に向けてもう一度完成度を上げていってもらいたいなと思います。

ヤコブレフ君。ショートでパイレーツの彼は、フリーではロミジュリなのです。そんな彼は、クワドどころか3Aも入れてないのですが、それでも133.69という、ほぼ須本君と同等のスコアを叩き出しています。コンビネーションジャンプでスピードが落ちて危なかったですが、減点されるまでには至っていません。

「できないものは入れない」という思想のもとノーミスの演技を披露するという考え方は、我々視聴者(観客)からすれば、コケ・抜けばかりの演技が続くとウンザリするわけで、嬉しい方針ですね。おそらく彼はまだもう数シーズンをジュニアで過ごすことになるでしょうが、今後の成長が楽しみです。

モザレフ君。冒頭の4T、美しいです。この子も15歳ですが、着氷はかなり余裕があります。ここまで余裕のある4Tって、羽生君とハビを除けば、ちょっと思い当たりません。これで+1.90?・・・ネーベル杯だったらもっとご祝儀出てそうなクオリティです。最初の4Tだけでも、騙されたと思ってぜひ見てください。ミスは2つあって、おそらく単発の3A予定がシングルに抜けた部分と、後半の3Lz-3Tのセカンドでよろけた以外はしっかり滑りきりました。

中盤からの唐突なダンサブルアレンジは正直微妙ですが、4Tと3Aをこのクオリティで全て降りられるなら、6戦目ないし7戦目にアサインされても優勝はまず間違いなし。ファイナルの優勝候補筆頭に躍り出た感があります。昨シーズンのコストちゃんじゃないですが、こんな凄い選手、どうして隠していたのか・・・。おそロシア・・・。

プルキネン。いやぁ・・・こういうことが起こるから、フィギュアスケートは恐ろしいです。冒頭の3連コンボの転倒、おそらくコンボ予定の前半の3Aでも着氷が乱れて、後半に単発で跳んだ3AはREP。ちなみに最後のスピンは、この間の羽生君のOtonalのシットスピンが0点だったのに、これはスコア入るの?というぐらい、ヨレヨレでした。

フリースコアは131.44で5位。ショートの貯金でなんとか2位を確保。ファイナル進出は決まりましたが、彼ほどの実力と経験のある人でもこういうミスが出てしまうと、ファイナル優勝は危ないな・・・と思います。

ジョセフ君。ゴッドファーザーを聞くと、例のボクシング連盟の会長の顔が浮かんでしょうがないのですが、そんなことは振付担当のジェフには関係ないことなんで、それはさておき、冒頭の4T-2Tは見事でした。+2.44の出来栄え点がついていますが、4Tの質はモザレフ君の方が高かったように感じます。

3Aと3連コンボのところでミスはありましたが、初戦に比べたら、かなり復調したと思います。ショートも含めてこの試合に関して言うと、どうもクワドより3Aの方が苦手に見えるのですが、そこはしっかりブライアンに指導してもらえればなと思います。カナダはシニア男子の選手層が若干弱いので、将来的に彼には頑張ってもらわないといけません。

女子のファイナル進出者は、おそらく「ロシア5+韓国1」か「ロシア6」で間違いなさそうですが、男子は混沌としてきています。1枠がアメリカのプルキネンで決まりましたが、ロシアは今大会優勝のモザレフが一戦残していて、カナダ大会優勝のグメンニクも一戦残っていて、さらに今年のワールドジュニア2位のダニエリャンが2戦残しています。カナダ大会2位の樋渡君もあと一戦あります。

そこで、島田君(現在13P)がどこまで頑張れるか。24Pのトルガシェフが一戦優勝しているので、同じ24Pだと負けてしまう。したがって、2位(13P)以上が絶対条件ですね。なかなかハードルは高いですが、頑張ってもらいたいです。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. ととちゃん より:

    須本くん、良かったです。最後、惜しかったけれど、気持ちのこもった滑りでした。つくづくSPが悔やまれます。

    モザレフとジョセフ、質のいい4Tを跳びますね。プルキネンは、後半ちょっとバテたのでしょうか?昨季の友野くんを思い出しながら見てましたが、乗り切れていなかったような…。すっかりロミオになっていたパイレーツくん、今後が楽しみです。

    島田くん、まだGPF出場の芽が あるんですね!シニアGPですが、羽生選手が、一位を取らないとファイナルには行けない状況で見事に獲ったことを思い出します。女子がオールロシアになる分、是非踏ん張って欲しいです!

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      島田君がファイナルに残るには、SP・フリーともにノーミスが必須で、それでもライバル選手のフリーの構成によっては、なかなか大変な情勢です。

      ただ、ファイナル進出の可能性を残している選手も、そこまで完璧な演技を披露できていないので、どう転ぶか分かりませんね。

      島田君も、ジュニアのうちからこのような痺れる試合を経験しておくのはいいと思います。あとは、ランビさんも同行してくれるといいんだけどなぁ・・・。

  2. sennin より:

    須本君フリーいい演技でした。結果は残念でしたが、キスクラで鼻をかんでいたのでやはり体調不良だったものと思います。それと、ホームリンクが使えなくてどこで練習しているのかな?「羽生選手もリンクを失った事があるので僕も頑張る」と言っていたのを思い出しました。環境が万全で無いなかよくやってくれてるなあと思ってます。
    島田君はどんな演技をするか?本当に楽しみです。ランビエールとキスクラに座って欲しいですね。

    今季のジュニアの試合が終わっているわけではありませんが、むやみやたらに4回転を跳ぶ選手が居なくてなんか今季は自分自身が落ち着いて試合が見られる感じがします。ヤコブレフ選手もいいですよね?ロシアの選手はやはり所作が美しいです。

    ジョセフ君はやはりジェフでしたか?ショートは見るからにジェフだと思いましたが、フリーもなんですね?。確かにカナダ男子頑張らないとってところでしょうね。

    • Jun より:

      senninさま

      須本君は、昨シーズンと比べてそれほど悪いパフォーマンスではないんですが、ロシア勢の若手が急激に伸びてきて、「ミスが許されない」という厳しい戦いになっていますね。

      ただ、もちろんこれで彼のスケート人生が終わったわけではなく、ランビさんも雑誌の中で「ジュニア時代の成績はシニアでの活躍を担保しない」とおっしゃっていたので、これを発奮材料として、しっかり1から鍛えてほしいと思います。

      おっしゃるように、ジュニア男子は、北米勢もロシア勢も「ジャンプだけじゃない」という選手がどんどん出てきていて、みんなが魅力的です。ファイナルがどういう戦いになるのか楽しみです。