「Number PLUS 決意の銀盤。」(1)

「Number PLUS 決意の銀盤。」(1)

2021年4月22日発売。定価「1,650円」。

さて、皆さんはどの記事から読まれましたか?私はというと、まずブライアンのインタから入って、その後に矢野桂一さんのインタを読みました。今日はこの二つを取り上げてみます。

ブライアンのインタについては、「AERA」のインタとそこまで重複はなく、二つで一つという感じがします。今回のインタの目玉は、やはりワールドの「フリー前」の部分でしょう。詳しい内容は本誌を読んでいただきたいのですが、「ルーティンを大切にする彼がこんな行動をとるなんて何かが起きたんだなと察しがつきました」と語っているように、通常のウォームアップができない状態だったことは分かります。もちろんブライアンは言及していませんが、おそらく発作に関連した体調の悪化によるものでしょう。

その他には、LMEYのPCSの低さについて指摘していますね。スコアについて話すのは珍しい気もしますが、「観客がいなかったこと」をその理由に挙げているのは、「ブライアン流」という感じはします。わざとぼやかしている(笑)。まぁ、でも、もしコロナが無く、通常通りにお客さんを入れてたら、プーシャワーの嵐でしょうし、多少影響はあったかもしれません。

このインタの最後の部分で、練習の実施や試合の開催において、ほとんど規制の無かったロシアとアメリカに比べて、カナダ・日本・韓国の選手は相当なハンデがあったのだと。来季はこの「違い」が少しでも無くなってくれることを祈ります。

矢野桂一さんのインタは、「天と地と」の「謎解き編」という内容です。いやぁ、面白いですね。琵琶というと、「鬼滅の刃」で無残の部下の「鳴女」という鬼が「ベンベンベン!」と作中でよくかき鳴らしているんですけど、「力強さの琵琶」「華やかさの琴」という対比は、なるほどと思います。だからこそ、4回転を冒頭から跳んでいく前半に天と地とのテーマを配置したのも納得しました。

そして、インタの中で語られていた「2:40~2:56の部分」というのは、これを読むまで特に意識したことはありませんでした。たしかにハープでの「ピロピロリン、ポロリン」から、「琴のかき鳴らし」で盛り上げていっての、4T-1Eu-3Sに雪崩込んで行ってます。いやぁ、緻密です。

そもそも、フィギュアスケートのプログラムを「関係者」が語る場合、スケーター本人が語り、コーチが語り、振付師が語る。それでそのプログラムに込められた「作意」というのはある程度、我々ファンにも伝わります。

しかし、LMEYにしろ、天と地とにしろ、矢野さんに語ってもらわないと「未解明」の部分があまりに多すぎる。そんなスケーターが他にいますか?いずれ、矢野さん編曲のもと、羽生さんは自分で作曲するんじゃないか?と。他人の作った曲を継ぎはぎするより、もはや彼自身がイメージしたものを曲にした方が早いような気がします。

今回のNumber PLUSは、後ろの方は日本女子やエテリ組の特集が組まれているのに、羽生さん関連の企画の一つひとつがとにかく濃密です。明日以降もしばらく、レビューを続けたいと思います。

では、また明日!

Jun


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