藤井棋聖への挑戦者を決める戦い!

藤井棋聖への挑戦者を決める戦い!

ABEMA将棋チャンネルでの放送は「こちら」。両者の対戦成績は、山崎八段から見て「6勝5敗」です。

将棋ファンの間で大注目のカードなんです。お二人のどちらが勝っても、タイトル戦で藤井聡太さんと初めて戦うという点で新鮮であること。そして、何と言っても、お二人ともに超個性派の棋士なので、どっちが挑戦者になっても棋聖戦五番勝負は盛り上がる、という点でみんなワクワクしているんです。

まず、佐藤天彦九段について。福岡県出身の36歳。順位戦A級に所属するトップ棋士の一人。2016年に当時の羽生善治名人から名人位を奪取して、名人三連覇を成し遂げました。趣味はクラシック鑑賞、ファッション、西洋美術にも造詣が深く、「貴族 天彦」あたりで画像検索すると、自宅のゴージャスな調度品がヒットすると思います。ぜひ調べてみてください。

30代~40代にかけて、ガクっと実力が落ちる棋士が増えてくる中、天彦先生は将棋界で不利とされる「振り飛車党」に転向して、しっかり結果を残しています。そんな天彦先生の発言で印象的なのが、「評価値ディストピアに監視されている」というもの。AIがプロ棋士よりもはるかに強くなって、いまや多くの棋士が、研究段階でAIを活用し、AIが推奨する手順を大量に暗記して対局に臨んでいます。勝つためには、自分が指したい将棋ではなく、AIの評価値の高い将棋を指す。自分の指した手に「何点プラス・何点マイナス」とAIによって数値化されるようになり、「AIに見張られながら、将棋を指している現状」を憂えたわけですね。

その点、振り飛車というのは「自分の指したい形をほぼ確実に指せる」という点で私も愛好しているのですが、AIの評価はすこぶる悪い。「不利飛車」なんてネットスラングまであるぐらいですが、でも、天彦先生はあえてその茨の道を選び、挑決まで勝ち進んだのだから、私も応援したい棋士の一人です。

そして、山崎隆之八段。広島県出身の43歳。A級在籍、タイトル挑戦歴もある強豪棋士ですが、そういう実績面抜きにして、この人こそ、まさに「天才」の名に相応しい棋士です。まず、指している将棋がわけがわからない。おそらくプロ棋士でも指し手の意図を正確に解説できる人は少ないはずで、「山崎流」としか言いようがない謎の形、謎の指し手を連発しながら、なぜか勝ってしまう。アマチュアが彼の将棋を真似しようものならすぐに負けるのは確実で、プロでも彼の将棋を参考にして指している棋士はほとんどいないんじゃないでしょうか。意味不明な現代アートを鑑賞するように、何が飛び出してくるか分からない山崎将棋は、いつもワクワクさせられます。

山崎八段は、将棋がわけがわからないだけでなく、話もわけがわからないんです。挨拶やコメントを求められると、話が長く、どういうオチになるのかもわからず、たぶん本人も何を話しているのか分からずに話しているんだと思います(笑)。もしこの人が挑戦者になったら・・・、いつも簡潔で隙の無い21歳の藤井棋聖のコメントの後、確実に何かやらかす43歳の挑戦者という構図は、いまからハラハラドキドキです。

もちろん、AIなんて使いません。コロナ禍の初期、オンライン会議のために、広島の後輩の糸谷哲郎八段を自宅に呼びつけて、ずっと触っていなかったPCにZoomの設定をさせた逸話とか、面白エピソードに事欠きません。

正直どちらが挑戦者になってもいいです。お二人のどちらが挑戦者になっても、AIで「予習」なんてできないような謎作戦で、藤井棋聖を苦しめることでしょう。今回の放送は、解説・聞き手はつきませんが、お暇な時にアベマの方を覗きにきてもらえたらと思います。

では、また明日!

Jun


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