2021年4月30日発売。定価「1,320円」。今回のマガジンの国別号は、オンライン取材申請が遅れて叶わなかったとのことで、写真はアフロとゲッティ、会見と公式練習のリポートは共同通信の記者さんの力を借りて、なんとか出版にこぎつけたそうです。実質、山口さん一人で取材から編集・出版まで管理されているはずで、異例のシーズンですし、仕方のないことです。予定通り、発売日に雑誌を届けてくれて、感謝感激です。
さて、マガジンを買うと、私は座談会から開くことにしています。高木さん(報知)、吉田さん(共同)、小海途さん(スポニチ)の御三方は、大阪で現地取材されています。言うまでもなく、羽生さんは国別でSPとフリーの2本滑っているわけですけど、話題の中心は完全にEXリハーサル中の「4A公開挑戦」になっています。
<吉田>(EXリハーサルの)あの日は氷に乗った瞬間からスピードが違った。羽生選手の姿を見た瞬間、これはやる気だと思いました。前回の座談会で「たぎる」羽生選手はもう見られないんじゃないかという話がありましたが、とんでもなかったですよ。はっきりいって、あの日の彼は、たぎりまくっていました。
<高木>氷に乗ってからのスピードが目に見えて速かったんです。ウォームアップの数秒で「ああ、やるんだ」というのは伝わってきました。「焦るな。落ち着け」と自分に言い聞かせながらパソコンを開き、アクセルの軌道を確認し始めたところで覚悟を決めました。
<小海途>僕の場合は表情を見て「羽生結弦の顔」をしていたので、「そうだよ、これが羽生結弦だ」と思いました。だから彼がリンクインしてすぐ撮影場所を換えたんです。「4Aを跳ぶならここだろう」という場所に。特に僕が鋭いわけじゃなくて、あの会場にいればすぐにわかるような動きであり、表情だったと思います。
ピックアップしたこのコメントだけでも、興奮度がリアルに伝わってきますよね。自分は、この4Aについて言うと、記者さんのツイから、「ああ、4Aチャレンジしてるんだなぁ・・・」という文字情報と、テレ朝の各種番組での練習の映像&修造さんのシャウト、そして羽生さん自身の「本当はもっといい」というコメントにより、ひとまず完結していたんです。何より「怪我なくワールドと国別を終えてくれてよかった」という安堵感の方が大きかったぐらいなので。ただ、現地で取材していた記者さんたちは、とんでもない瞬間を目の当たりにした、と大興奮だったようです。
今回の座談会を読んでいて、さすがだな・・・と思ったのは、ネイサンの「ネ」の字も出ていないことと、羽生さんが北京五輪に出たら連覇できるか云々、という話が一切出てきてないんですよね。五輪シーズンということを考慮してどのようなプロになるか?という話は出ましたが、フリーは持ち越しですし、SPでLMEY継続でなければ、やっぱりピアノ曲かな?とかその程度の話です。
逆に考えると、ワールド以降の採点の話は、記者さんたちがみんな承知していて、でも、それを腹の底に飲み込んで、「4Aに興奮していた」ということなのでしょう。まぁ、いろいろ立場もありますからね。
しかし、それだけ「スピードが違う」となると、やっぱりリンクは貸し切りで使わないとハードな練習は難しそうです。事実、19年12月のトリノの時と「明らかに違っていた」のであれば、仙台での練習によって、4A成功に向けて確実に距離が縮まっていると考えていいでしょう。今年はショーも無いし、しっかり休養した後に、またチャレンジしてもらいたいです。
そして、そして・・・、この対談の最後の部分で「エクストラ号」出版の可能性を、山口さんが示唆しています。この対談はSOIの前だと思いますが、ネタ切れの心配は無いはず。楽しみに待ちましょう!
では、また明日!
Jun