マイレピ(第24回:今語る、平昌冬季オリンピック)

マイレピ(第24回:今語る、平昌冬季オリンピック)

マイレピのYUZU DAYSの最新号が10月12日にアップされました。10月15日現在で「今だけ一般公開中」となっていますね。ぜひチェックしてみてください。

JGPのレビューで忙しかったので、私もようやく読むことができました。今回はマイレピにしては珍しく、フィギュアスケートに特化した内容になっています。

オリンピックの会場に入るまでに『ここまではやりたい』という具体的なゴールを決めていたんです。自分が決めたゴールさえ達成できれば、オリンピックで勝てるって完全に信じ込んで練習していました。そのゴールを達成できたのは、平昌に向かう前日の練習の時でした。だから、会場に入ったときは、「自分は勝てる準備ができた」という感覚でした。

フィギュアスケート雑誌ではないので簡略化した表現になっていますが、この「具体的なゴール」は、4回転ループのことですね(Ice Jewels Vol.08、46頁)。詳しくはジュエルズを見てほしいですが、4Loを入れるとしたらフリーの冒頭に考えていたが、ランスルーには4Loは入れていなかったとのことで、おそらくSPでリードされた場合の「非常手段」ということだったんだと私は想像します。実際には、SPを1位で折り返したため、羽生君および陣営は「4Lo無しでも勝てる」と判断したのでしょう。

オリンピックの演技の中で、一番印象に残っているのは、フリーの最後のステップです。・・・その前の3回転ルッツで、変な方向に飛んでしまって転んでもおかしくなかったのに、持ちこたえたんですよ。転ばなかった自分が可笑しく思えてきて、そこから完全に素の自分になっていました。

これと似ているのが、2016年マルセイユのGPFのレックレ(あの4Loの後)のように思います。もちろん、両試合では背負っているものが全然違いますし、本人は絶対に否定すると思いますが、そのミスが出た後に「羽生結弦が解き放たれた!」という点で、共通するものを感じます。

一番幸せを感じた瞬間は、やっぱり表彰台に上ったときです。・・・表彰台に上がったときが、「一番、今が自由だ」と感じた瞬間でした。結果が全てのスポーツの世界の中で、今まで頑張ってきたことが証明できたと思いました。自分が一位で、一番いい演技をして、何も語らなくても誰にも侵されない領域に自分は立っているんだという感覚でした。それを自分の中で「自由だ」と感じた瞬間でした。

ここで羽生君が言っている「何も語らなくても誰にも侵されない領域」というのは、単に表彰台の1位のところに立つということではなく、オリンピックを連覇したことを言っていると私は解釈しました。そもそも、彼はソチオリンピックで金メダルを獲っていた人で、本来は何人たりともケチをつけてはならない業績です。ですが、彼はこの4年間いろんなものと闘ってきました。「しゃべればしゃべるほど嫌われる」とさえ吐露したほどです。だから、いちいち口で説明する必要のないほどの、前人未到の結果をもって「黙らせる」ために、努力を重ねてきた。そういうものが、この発言に凝縮されているように私は感じました。勝手な深読みでしょうか?

フィギュアスケート雑誌やスポーツ紙の記者相手にこういう発言をすると、また例のごとく都合よく切り取られたり捏造されたりするわけで、もう個別インタは、ジュエルズとマイレピだけでいいよ!とさえ思います。だから、この両メディアは出版&更新頻度をもっと上げてくださいね。もっと頑張ってもらいたいです。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. ととちゃん より:

    深読みじゃないと思います。何も語らなくても 誰にも侵されない領域に立っている、自由だ、という表現が、哲学的にさえ感じて掴めそうで掴めないでいましたが、 junさんの解釈通りだと思いました。

    やっと、誰にも何も言わせない場所に到達したんですよね。自由というのは、これで自由に自分のスケートを追求できる、ということでしょうか。

    いずれにせよ、P&Gがこれほどのインタを引き出してくるとは予想していませんでした。
    OP前にプル様を呼び、激励を伝えた功績は大きいですね。今後はしばらく商品絡みの記事になるのでしょうが、シーズン毎にスケートに特化した内容があれば嬉しいです。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      たとえソチで金メダルを獲ったとしても、自分がスケ連の推し選手じゃないことは自覚していたはずで、前人未到の結果で証明するしかない。そして、五輪連覇という偉業を達成したことで、もはや自分の実力を証明する必要もなくなり、自由になった。だからこそ、例の弁護士やら管理会社の件等、いろいろ周辺の整備をはじめたのかもしれません。

      いつまでもクリケットにいるわけにもいかないですし、日本を拠点にするのであれば、自分を防衛するための環境を整える必要がある。おそらく羽生君は、プロ転向後は個人事務所を設立して活動をするんじゃないかなと。

      この発言や、最近のいろいろな動きから、「そういうことなのかな」と、私自身は勝手に納得しています。