「GIFT」特別版感想など

「GIFT」特別版感想など

キスクラを読み始めようかという時に、こちらの配信が開始したことに気づいて、ひとまず今回の特別版の「追加映像」の部分のみ視聴しました。以下、感想をまとめておきます。

・追加分は約30分ほどでしょうか。公演終了後のバックステージでの羽生さんからスタッフへの挨拶から始まり、公演翌日に実施された羽生さんへの独占インタビューという流れです。このインタが予想以上に濃い内容で、しかも折に触れて公演映像やリハーサル時の映像が挿入されるので、上質なドキュメンタリーを観ているようでした。

・他のショーと比べて、この「GIFT」は羽生さんの言葉の重要性が高いですが、「これまで書き留めていたものや、ボイスメモに残していたもの」から拾ってきたものも少なくないようです。まぁ、日々トレーニングノートを丁寧につけている人ですし、言葉の数々が瑞々しくピュアでリアルだったことも納得です。

・基本的にアイスショーには「途中休憩」というものがあって、この「GIFT」も例外ではないのですが、第一部には「ファンタジックさ」第二部には「よりリアリティのある感じ」というコンセプトの違いがあって、「それが融合して最終的にエンディングにつながる」ということを意図していたようです。「より自分らしいのは第二部」と語っていますね。

・第二部の何が「よりリアル」かと言うと、やはり羽生さん自身が「葛藤する(葛藤してきた)部分」に踏み込んでいるからなんですよね。羽生さんにとっては、楽しくてやっているはずのフィギュアスケートも、いつも楽しいかと言うとそうじゃない。我々だと仕事とか家事とかになるんでしょうか。単に好きなことだけやっていたり、飽きたらいつでも投げ出せるのは「個人の趣味」の世界ですが、周囲の期待に応える責任が伴ってきたり、ましてや具体的に賃金が発生すると、嫌なこともやらなきゃいけない。それは「仕事」の世界ですよね。でも、嫌な事を乗り越えるからこそ、人は成長する。少なくとも自分の中で「成長の実感」があれば嫌でも続けるべきで、逆にそんな実感がまったく無いならば、それはやめるべきなのでしょう。

「オペラ座の怪人」は、ストーリーを忠実に表現していた14-15シーズンとは「違った解釈」で、この「GIFT」では滑ったそうです。中国杯での衝突事故にも触れていて、あのシーズン以降封印してきた理由も語られています。まぁ確かに、その後のシーズンに再登板させて元気にノーミスしたら「何か、違う・・・」という印象を受けるファンもいるかもしれないですが、私なんかは「あの出来事をやっと乗り越えられたね!」と手放しで喜んでいたと思います。でも、羽生さんにとって「苦しくなきゃ、オペラ座じゃない」んだそうです。もし、第二部のあの疲労困憊になっている時間帯に「意図的に配置」したのであれば恐ろしいですが、それはあくまでも私の想像です。

・フィギュアスケートというスポーツ・表現手段の特性上、クオリティを維持するためには日々の反復練習が欠かせませんから、スケーターの立場からすると、当然そこに「飽き」が出てくる。妥協の無い羽生さんなら、葛藤や苦しみの日々でしょう。そこに、特に今回のショーのような「外部の視点」が入ることで、「羽生結弦の何が凄いのか?」という新鮮な気づきが羽生さんの中にあったんだろうと思います。毎年とは言わないまでも、こういった「フィギュアスケートの外の世界」の方々とのコラボショーを開催してほしいですね。ファンのためというより、何よりも、羽生さん自身のモチベーション維持のために。

印象的だった部分は、以上の点ですかね。節制してストイックな羽生さんならば、プロスケーターとしてあと10年は大丈夫だと思いますが、とはいえ、このようなワンマンショーが可能なコンディションとなると、あと何年維持できるのか分からない。

おそらく「新たなワンマン企画」は動いているはずですが、単にプログラムを滑っていくだけじゃなくて、「GIFT」のような壮大な構想を1年やそこらで形にできるのか?だとすると、こういうショーってあと何回観られるんだろう?という不安も募ります。

でも、「はやく次を!」なんて言う前に、感謝しなきゃいけませんよね。せっかくDisney+さんがこうして再配信をしてくれたので、しばらくは楽しみたいと思います。

メタルジョギング・チャレンジは167日目。RAGE AGAINST THE MACHINEの『Rage Against The Machine』(1992年11月)です。彼らのデビューアルバムにして、いわゆる「ラップメタル」の不滅の最高傑作として神格化されている作品です。ヒップホップスタイルの歌詞を通じて、アメリカ政治の腐敗と欺瞞と、国内・国外問わず「弱者・少数派に対する政治弾圧」に対して、厳しく批判するというのが彼らの思想です。

ヘヴィメタル愛好家としては、彼らの鋭い政治性から考えると、「ちょっと音が軽くない?」という気がしないでもなかったですが、余分なモノをそぎ落とした上で、そのメッセージを伝える手段として「ベストな音」だったのでしょう。ただ、次作の『Evil Empire』は音がかなり分厚くなっていて、音自体は2ndの方が個人的には好きですが、曲は本作の方が粒ぞろいです。

実は、YouTube Musicで本作を聴こうとすると、「ご自身の責任において視聴してください」というアラートが表示されて、1曲終わって、次の曲に切り替わる度にいちいち「確認」をタップしないといけません。この間のCannibal Corpseの方がよっぽど残忍な歌詞ですけど、上のロンドンのライブの凄まじい動員数から見ても分かるように、レイジぐらい有名だとこういう「弾圧」を受けるわけですね。

92年発表の本作以降、2000年までに4作発表。バンドはいちど解散するものの、再結成を果たします。ただ、ヴォーカルのザックのアキレス腱負傷により、昨年のツアーは中断。今年のツアーも中止。ベースの人が癌を公表したり、バンドがフルで再活動するまでには時間がかかりそうです。しっかり治してもらいたいですね。

では、また明日!

Jun


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