Asian Open 2018レビュー(男子Advanced Novice・Jr フリー)

Asian Open 2018レビュー(男子Advanced Novice・Jr フリー)

リザルト関係は「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。

すべての演技がアップされているわけではないので、一部のみでご了承ください。まずは、男子Advanced Noviceのフリーから。

SPでは40.77で2位につけていた中村俊介君のフリーです。荒木さん&吉田さんと同じ名東FSC所属です。

プログラムの途中で映像がバツっと切れるので、全構成を論評できないのが残念ですが、冒頭の3Lzはとてもキレイでした。つづく3LoはURを取られていますが、着氷に安定感があります。プロトコルでは色々とエラーや刺さったりしていますけど、ジャンプ自体には力みもなく、身のこなしから品の良さも感じます。もともと全日本ノービスBで2連覇していた実力者なんですが、怪我の影響で、昨年のノービスAは3位でした。身体に気をつけて、頑張ってもらいたいです。

男子Advanced Noviceで優勝したのは、アメリカのイリア・マリニン選手。いやぁ・・・見入ってしまいました。ほとばしる「ゆづ愛」ですね(笑)。

プロトコルを見比べてみると分かりますが、フリーの技術点は中村君の方が上。しかし、PCSはイリア選手の方が上で、フリーもイリア選手が1位。わずか0.86点の差で、惜しくも中村君は総合2位となりました。

某ゆづれない氏なんてどーでもよくなるほど、ハッピーな気持ちになります。紫ではなくコバルトブルーを使っている所に、デザイナーさん(と本人?)の主張を感じますね。

私は陰陽師のサントラを持っているわけじゃないので正確なことは言えないのですが、さすがにこの曲は別のものを使っているような・・・。ご存じの方、教えてください。

男子ジュニアの部は、日本男子が1・2フィニッシュとなりました。優勝は鍵山優真君。2003年5月5日生まれの15歳(中学3年)。お父さんは、92年アルベールビル五輪・94年リレハンメル五輪男子シングル代表の鍵山正和さん。2位はお馴染みの壷井達也君。壷井君は2002年12月17日生まれなので、一年上(高校1年)ということになります。

まずは、鍵山君から。映像は、3Loから最後の足換えコンビネーションスピンの途中まで。3つのスピンのうち、2つでレベル4を取れていて、たしかにスピンが印象に残る映像です。ノービスの中村君を見た後だと、やっぱり身体もガッシリしてきて、それがスピンのポジションの安定感に繋がっているんだと思います。ジャンプも上手ですね。冒頭の2AのDGはもしかすると、3Aに挑戦したのかな?と想像します。

そして、壷井君。最初の2本のジャンプがともに抜けてしまって、ちょっともったいなかったですね。鍵山君とはタイプが違っていて、細くて華奢な体型もあってか、動きにしなやかさを感じます。あとやっぱり、2Aを跳ぶ時のリラックスしたフォームなんかは、邦和の先輩の山本草太君ととっても似ていると思います。

日本のジュニア世代は、どうしても女子に注目が行きがちですが、男子も1学年刻みで面白い選手が出てきてますね。須本君(高3)、島田君・西山君(高2)、壷井君(高1)、鍵山君・佐藤駿君(中3)と続いてるわけです。西山君をのぞく5人は今季のJGPの日本代表のエントリー選手(補欠含む)に入っているので、誰がどこに出て、どれぐらいの活躍を見せてくれるのか・・・いまから楽しみです。

では、また明日!

Jun


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コメント

  1. ととちゃん より:

    動画アップありがとうございます!

    中村俊介くんとイリアくんしか見れてないの
    ですが、滑り自体は中村くんの方が好みです。 junさんが仰る通り品がありますね。

    対するイリアくんは、ちょっとバタバタした感じがしました。でも、この衣装で何もかもが許せる!という印象です(笑)。雰囲気は似ているけれど、また違った曲だと思うのですが、振付師の方、よく見つけてきましたね。

    ジュニアの方も、またゆっくり見ます。

    そういえば、ジュニア男子、佐藤駿くんもいましたね。人材、かなり揃ってきたと思います。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      おっしゃる通りです。イリア君の「バタつき感」はまさに私も感じた所で、でもゆづリスペクトの衣装をまとって、一生懸命やっているのだから、胸を打たれますよね。

      男子は、それこそ「ぴょん落ち」の子どもたちがこれからフィギュアスケートを始めて、もっと層が厚くなることだって十分にありえます。そんな彼らが競技を続けられるように、いま頑張っている若手選手も含めて応援していきたいと思っています。

  2. Fakefur より:

    初めまして。私はニースのロミオ落ちの者です。冷静で知的でありながら、筆致が熱いJunさんのレポートを愛読しています。

    今さらなのですが、ゆづ愛溢れるちびっこスケーターを追っていたら、マリニン君の動画にたどり着きました。
    もう解明済みかもしれませんが、マリニン・プロの音楽について。最初と最後の部分はわかりませんが、途中1:26あたりからの、憂いが漂うヴァイオリンが印象的な三拍子は「夢二のテーマ」です。作曲は我らが梅林茂先生です。はい、陰陽師つながり、SEIMEIへのリスペクトに溢れています。
    「夢二のテーマ」は元々は若かりし沢田研二主演の映画サントラですが、ウォン・カーウァイ監督の「花様年華」の重要シーンで幾度となく挿入され、世界的に有名になったと思います。
    「花様年華」は気怠い香港の不倫の話で、全くちびっこ向けではないですが、直接的なシーンは一切ないのにエロスが散りばめられた大人の映画で、大好きなので、つい出てきてしまいました。
    これからもキレにある記事を楽しみにしています!マリニン君の成長も楽しみです。

    • Jun より:

      Fakefurさま

      はじめまして。コメントありがとうございます。

      過分なお言葉に、身の引き締まる思いがします。ご期待に応えられるように、頑張って更新を続けていきます。

      イリア君のプログラムを深く掘り下げていただき、ありがとうございます。肩を組んでいる画像の、壷井君と鍵山君が、この夏・秋を経て、もはやシニア勢を脅かすほどの実力をつけていますから、イリア君のこれからの成長も本当に楽しみです。

      ロシアのボロノフ君やサーシャもそうですが、ゆづリスペクトを公言する子どもたちが世界中でデカイ夢を抱いて頑張っている姿は微笑ましいですね。日本の若手スケーターも、ようやくそれを口に出せる雰囲気になってきましたし、羽生君をお手本とするスケーターが増えることが、日本男子が「勝ち続ける」ためには必須条件だと、私は思います。