ワールド(女子フリー)感想

ワールド(女子フリー)感想

男子フリーのレビューをアップできなくも無いですが、しっかり頭をクリアにしてから振り返りたいので、女子フリーの方を先に片付けておきます。

リザルトは「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」。フジのワールド特設サイトは「こちら」で。

宮原さん。フリーは145.35の6位。合計215.95の6位。彼女の場合、URの判定次第なので、抜けと転倒だけは無ければいいな・・・と思って見ていました。後半の3連コンボの2LoでSOとお手付き。まぁ、でも、点差的にこれ以上順位を上げるのは困難であることを考えると、彼女のできることはやり尽くしたと思います。

紀平さん。フリーは152.59の2位。合計223.49の4位。冒頭の3A-3Tはパーフェクト。つづく単発の3Aも角度的には「いった!」と思いましたが、惜しかったですね。フリーでアクセルを2発決めていたら、2位は間違いなかったとしても、ザギちゃんをかわすのはちょっと難しかったかもしれません。そして、今季何度も指摘していますが、彼女の強さは3A以外のエレメンツをほぼパーフェクトにこなしきる所にあります。

にも関わらず、このフリーの演技にPCSが「70.96」というのは、ちょっと抑えられていないかい?と。最終Gに残れなかったことも影響していたかもしれませんが。四大陸のフリーのPCSとの比較で言うと、次のようにスコアは変化しています。紀平(70.40→70.96)、坂本(67.19→73.26)、ツルシン(64.40→69.83)。今大会優勝したザギが74.26だったので、天井が見えているとはいえ、「上げ幅」ということで言ったら、紀平さんが73点で、坂本さんが70点であってもまったくおかしくない。

ちなみに、GPFでの紀平さんのフリーは、冒頭の3AでDG、つづく3A-2Tを成功してTESは78.21(今大会は82.43)という内容で、PCSは72.40。ワールドのフリーの方が出来が良いのに、このブレ方はなんでしょうか?

本人はすでに来季に向けて気持ちを切り替えているのであまり言いたくないですが、この不可解なPCSの推移については、事実として記憶しておきたいものです。

メドちゃん(7:27~)。フリーは149.57の3位。合計223.80の3位。たしかに、ジャンプの入りの部分は、かつてよりも「あまりに慎重すぎる」ので、「よっこらしょ感」が顕著ですが、いまの彼女のコンディションを勘案して、「この跳び方がベスト!」というブライアンの判断なんだと思います。それでも、エテリ組時代には跳ばなかった3S-3Loをきっちり成功させて、ジャンプのミスらしいミスは最後の単発の2Aのみに留めたのは立派です。

そして、表現面では、この日一番のクオリティの高さだったと個人的には思います。リンクインした瞬間から場の空気を支配できるオーラ。そして、スケーティングはよく伸びるし、上半身のさばき方も洗練されている。彼女一人だけが大人のスケートを披露していました。正直いって、坂本さんや紀平さんは、まだこのレベルの表現には及ばないと思いますね。

坂本さん(31:43~)。もしミスが出るとしたら、後半かなと思っていたんですが、冒頭の3F-3Tからして、フェンスにギリギリで危ない感じはしていました。そして、やはり後半の3F-2T予定の所で、フリップが単発のシングルにパンク。ラストの3Loのセカンドに2Tをつけてリカバリーしましたが、「うわ、やっちゃったかぁ・・・」とテレビの前で声が出ちゃいました。ちなみに、四大陸のフリーは一つ前の3連コンボでミスが出たので違う箇所ではあるんですが、やはり今回も後半が鬼門でした。

まぁ、過ぎてしまったものはしょうがないので、おそらく紀平さんとともに選出されるであろう国別でノーミスを2本揃えて、笑顔でシーズンを締めくくってもらいたい。そもそも、ほんの1年前、彼女がザギ・メドとここまで勝負できる選手に成長するなんて、誰も想像していませんでした。彼女は才能と努力で世界の頂点との距離を縮めてきたのです。昨季・今季と本当によく頑張ってくれたと思います。

ザギちゃん(40:08~)。フリーは155.42の1位。合計237.50で優勝。後半の3Lz-3Loのセカンドは着氷が流れているのに、GOE+1.01は(ネイサンのSPの4Lz並に)ありえねーと思いましたし、最後はヨレっていましたが、根性で滑りきりましたね。

彼女は1年前のミラノワールドで悔しい思いをしましたから、このタイトルを獲ったことは大きいと思います。2シーズンにまたがりますが、五輪、ファイナル、ワールド、そして欧州選手権とタイトルは全て獲ったわけで、名スケーターの仲間入りですね。おいしいものを食べて、沖縄観光も満喫してもらえたらと思います。

ツルシンちゃん(48:22~)。フリーは148.80の4位。合計224.76の2位。やっぱり、彼女、来たでしょ?四大陸、ユニバと彼女の好調ぶりはよく分かっていたので、海外勢の中でワールドでの活躍が「いちばん計算できる」のは彼女だと思っていました。

4Sについては、フジの煽りVの中で、彼女が公式練習で4Sを着氷している映像を目にして、「これ、成功するぞ!」と思ったら、やっぱりやってくれましたよ。ある意味で、坂本さんの躍進以上に、彼女の覚醒は世界が予測していなかった「大サプライズ」だったかもしれないですね。3連コンボのミスはありましたが、SPも含めて、銀メダルに相応しい素晴らしいパフォーマンスだったと思います。

スケート板の紀平スレを見ていると、今季SPの「月の光」で「最初にいきなり3Aはキツくないか?」という話題になっていて、すると、「カンフーピアノってスピンから始まるプロだったよね?」と指摘している書き込みがありました。改めて一昨年の全日本の映像をチェックしてみると、スパっと決まってます。私はショートサイドの上の方で見ていましたが、「そうだった、そうだった・・・」と記憶が蘇りましたね。

さて、この記事を書いているのは土曜日のお昼なので、男子の結果がどうなるかは分かりません。しかし、男子の最終順位関係なく、国別の日本代表(シングル)が、羽生・宇野・紀平・坂本となったら、福岡は盛り上がりそうですね。

ワールドはフジのコンテンツなので、いちおう録画しているテレ朝の各番組はダンマリって感じなんですが、ワールドが終わった途端に、国別!国別!と大プロモーションを展開するんじゃないかと。水面下でテレ朝もスケ連に「この四人で頼むぞ!」と圧力をかけているはずだし、羽生君も「テレ朝さんの希望なら・・・」と断れないんじゃないかな?と想像します。足首の状態次第ですけどね。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. マリィ より:

    こんにちは
    昨日はお疲れのところにたくさんのレポありがとうございました。
    今日は昨日の興奮覚めらやないところですが、それは明日まで私も待ちます。
    ツルシン、junさんの予告通りでしたね。
    4回転時代になると細くて軽くて跳躍力のありかつ表現力のある、勿論技術もある人が上にあがりやすいでしょうか?
    勿論ジャンプだけじゃなくトータルバランスが大切ですが。
    表彰台オールロシア勢というのもあたっちゃいましたね。
    ザキトワ近くですごいジュニアを見て相当努力したんでしょうね。
    メドべ、今回の気迫は鬼気迫る迫力で思わずかっこいい!とつぶやいちゃいました。
    紀平さんは来期にもう目を向けていますが、坂本さんコーチに3A跳ぶように迫られて無言でしたが、そういうはっぱをかけられたほうが伸びる人なんでしょうか?
    日本勢は国別で良い演技で締め括ってほしいですね。

    • Jun より:

      マリィさま

      ツルシンちゃんの活躍はある意味で予想通りだったんですが、メドちゃんのここ一番での集中力も凄かったですね。そして、やはりクリケットの「試合巧者ぶり」というかピーキング術にも感心させられました。もちろん、エテリのチームも素晴らしい。

      一方で、日本女子は3人ともに怪我なくここまで来ていたのに、この大事な大一番で結果を出せなかった。まだまだ日本の指導環境は、関大や神戸でさえ、チームというより濱田コーチと中野コーチ個人の指導力に頼っている部分があるので、そこが限界なのかなという気はします。

      坂本さんは3A跳べるんですかね?私は正直懐疑的です。それこそ紀平さんは中学に上がる前からチャレンジしてきて、ジュニア時代もフリーでは試合に組み込んできて、ようやくこの確率まで来ているのに、いまから実戦投入レベルまで持っていけるものでしょうか?気持ちはわからなくはないですが、紀平さんと、そして来季上がってくるロシア勢に煽られすぎに思えて仕方ないです。

  2. みつばち より:

    更新ありがとうございます

    22日はリズムダンスと女子フリー見てきました。
    ダンスの選手は上位グループしか知らなかったんですが、最終的に12位になったスペインのサラ・ウルタド&キリル・ハリャヴィン組のサラさんはバルセロナGRFの司会をした人ですね。
    17位になったリトアニアのアリソン・リード&サウリウス・アングルレヴィチウス組のアリソンさんはリード姉弟の妹さん。お姉さんにそっくり。
    やはりパパダキス&シゼロン組が群を抜いてました。

    女子フリーはもう、なんていうか。
    ロシア女子二人強し。スピードといい迫力といい、オリンピックメダルは伊達じゃないんですね。勝とうという気力がすべてでした。

    日本女子三人もよかったんですけど、小さいミスがちょこちょこあって、上位グループは小さなミスが命とりなんですねえ。

    ツルシンちゃんは女子初の四回転、とんだとき「おおっ」とどよめき、拍手。
    なにか新しい境地にいったような感じで、すごかったです。

    • Jun より:

      みつばちさま

      日本の女子は、このさいたまでメダルに届かなかったのは痛かったですね。来年のワールドは「修羅の国・カナダ」での開催。ロシアの3人娘が昇格して、もしケイトリンも復帰したら、そもそも日本選手は最終グループに残れるのか?という話になるかと。来季は厳しい戦いになりますね。

      さらに、紀平さんより年下の世代がいまいち育っていない。荒木さんや川畑さんという魅力的なスケーターはいますが、世界でトップ争いできるには、コンディションもメンタルもまだまだでしょう。その下だと、吉田さんは怪我がちですし、紗来ちゃん?・・・北京五輪終わってるじゃん!と。男子は有望な選手がいるだけに、女子が心配です。