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ネイサン。102.71で首位。ジャンプの際の身体はまずまず浮いていて、調子は悪くなさそうです。4LzのSO以外の、加点のついた3Aや4T-3Tも相変わらず着氷姿勢は汚いですが、そういう部分を矯正しなくてもスコアは出るから問題なし、という判断なのでしょう。全体的に動きに余裕の無さが見られるので、もう少し滑り込む必要がありそうです。
アリエフ。96.57で2位。この選手のクワドや3Aって、ヴィンスに似ている所があって、回転がギリギリなんですよね。今回は認定されたからスコアは出ましたが、テクニカルのさじ加減ではどうなるかな?という危うさがあります。まぁ、4Lzを、高さと幅が十分で、踏切・回転ともに疑いなくクリーンなレベルで決められるのは、羽生、ボーヤン、コリヤダの3人と思っているので、彼の場合、これが限界値なのは仕方のない所です。
キーガン。96.34の3位。小柄な選手ですが、ジャンプが決まると、本当に大きいんですよね。見ていて、スカっと爽快感のあるスケートをしてくれます。今回は、4T-3Tのファーストが特に素晴らしかった。クワド1本で96点というのは本当に高い評価です。アメリカ開催ですが、会場のお客さんも彼の事情をよく知っているのでしょう。スタオベが鳴り止まなかったですね。感動的なシーンでした。
ジェイソン。83.45の4位。彼の体さばきというか、身のこなしは惚れ惚れしますね。アメリカ男子シングルの第一人者はネイサンですけど、悪いけど、ジェイソンとネイサンとでは、スケートのクオリティが「大人と子ども」ぐらい違うんですよ。でも、この競技はジャンプが決まらないとスコアが出ない・・・。冒頭の3Fは流れがまったく切れない完璧なジャンプでしたが、なぜアクセルが抜けるのか・・・。逆に、アクセルがスコア無しでも、合計83点でPCSが44点台というのは、彼だから出るわけなんですけどね。大好きなスケーターなだけに、本当に残念です。
ジュンファン。78.98の7位。4Sのパンクは残念でしたが、3Lz-3Loと3Aはしっかり降りました。しかし、これ、78点の演技ではないですよ!曲に負けておらず、単にリズムに動きが合っているというのではなく、クールでおとなしいジュンファンが「ドヤっ!」っていう感情を炸裂させているような、これは彼の代表作になるようなポテンシャルを感じます。この時点でこれだけフィットしているのだから、あとはサルコウだけですね。ぜひ飛躍のシーズンにしてもらいたいです。
友野君。75.01の8位。ジャンプ自体は高さもあって、着氷は決まらなかったですが、身体は動けているなぁという印象です。CSをチェックしていないので、今季の新SPは初めて見たんですけど、「単調な曲調に前衛的な振付」という、かなり難しいハードルを課せられているんじゃないかと。ただでさえ、SPをクワド2本にして難易度の高い構成なのに、このプログラムで大丈夫?とちょっと心配。友野君にとって、チャレンジの年ですね。
ボーヤン。74.56の9位。彼はスロースターターなので、この時期にこのスコアという点については、あまり心配していません。ルッツとアクセルでミスがありましたが、4T-3Tは「さすがボーヤン!」という爽快感のあるジャンプ。もっとショボい4T-3TにGOEを大盤振る舞いする近年の風潮にはウンザリですが、「いいものはいい!」という視点は大切にしたいですね。ヴォーカル曲をそのまま一曲通して演じるのって、彼にしては珍しい気がします。
島田君。72.12の11位。まずは、シニアGPデビュー、おめでとうございます!ランビさんも嬉しそうにしていましたね。昨シーズンのプロは、同じ衣装をランビさんが着て「そのまま滑っていてもおかしくない!」なんて感じたのですが、このショートは、「ランビさんがFaOIでこの曲を滑っていてもおかしくない!」という印象に変わりました。それだけ、島田君のスケートが、よりシニア仕様に成長したのだなと感じます。
そして、こういう伸びやかな男性ヴォーカルの曲でさえ、エテリ組ならサムソノフのような子どもに平気で滑らせるんですけど、島田君のような手脚の長いスケーターが全身を大きく使って、ランビさんから所作を学んだ上で滑れば、まったく違和感なく安心して見られます。「曲の合う・合わない」というのは、こういうのを言うんですよね。抜けた4Tを修正できれば、ガツンとよいスコアがもらえても不思議じゃない。期待感のあるプログラムだと思います。
久々に男子をたくさんレビューした気がしますが、それでも、「俺の好きなスケーターは、羽生さんとジェイソンだなぁ・・・」と改めて実感したのでした。ジェイソン、フリーはもう少し頑張っておくれ!
では、また明日!
Jun
コメント
junさんの記事を読んで、ネイサン→ジェイソンの順に演技を見ると、スケーティングの差が際立ちますね。
ネイサンのSP…、うーんと思いました。初戦だからかも知れませんが、上半身ひとつ取っても、腕の動きがバラバラで、伸ばしたいのか納めたいのか分からず中途半端な印象でした。ジャンプも決まりませんでしたね。まあ、まだこれからでしょう。
ジェイソンの動きは、見ていて惚れ惚れしますね。3Aが抜けたこと、忘れてしまいました。思うに、こういうスケーティングをする人がクリケットにいるのは、羽生選手に非常にいい影響があるのではないでしょうか。彼のことですから、ハビからサルコウを学んだように、ジェイソンからも吸収しているような気がします。
フリーの結果も知りましたが、友野くん、CSより随分良くなっているようですね。SPは面白い動きが随所に見られ、楽しめましたが、クワド一本でまとめても良かったのかも、と思いました。
ととちゃん さま
おっしゃる通り。一つひとつの動きに意図が無いというか、その腕で何を表現したいのか分からないんですよね。特に何も言われないから直さないんだと思います。
ジェイソンは、よく羽生さんのジャンプに刺激を受けていると言ってくれますが、あの研究熱心な羽生さんのこと、ジェイソンのスケーティングから確実に影響を受けているでしょうね。この試合の主要選手を見ても、一人だけまったくスケートの質が違うし、そう考えると、彼のクリケット加入は、どちらかというとトレーシーが熱心だったというのも、今となってはなるほどなぁ・・・と納得しています。
今日の記事全部同意で特に言うこともないくらいです(笑)。
ジェイソンは交通事故の影響でスピンさえ出来なかったのがよくここまで回復して練習が出来たことに安堵しています。
友野くんのプログラム下手すると曲が変化なくてという心配もありますがよく曲を捉えていますね。感心します。
飽きません、努力が伺えますがジャンプは練習動画ではバッチリなんですけどね。
ネイサンは、Junさんが仰るようにジャンプ決まってなんぼですからランディングが前からつまりぎみでけどオーケーなんでしょう。ただ昨年辺りと比べるとジャンプの前後になんか入れてないですかね?進化は感じます。ここ数年音楽に助けられている感じで一緒にのってキャーキャーいうのにはいい選手ではないかと、生をみるとジャンプはいつ跳んだ?と記憶にないです。リズムに合わせてこじんまりしたジャンプをバンバン飛んでいるからだろうと自分で分析してるんですが…。私は結弦くんのようにダイナミックなジャンプに興奮します。遠くからでもわかりますからね、だから瞼に焼き付いて忘れません。とはいっても音を纏うというよりもリズムにのってバンバン滑っていくという勢いがお好きな人も多そうです。
私はスケートアメリカよりもこの週末は全日本ノービスの試合があったので追ってました。ハイドロの西野くん2位、24時間TVで共演した本田くんも2位、国別の旗持ちしてた畑崎さんが高得点で1位を獲得しました。これからが楽しみな選手ばかりです。
senninさま
意見が合って良かったです!
ジェイソンを見ていて、フィギュアスケートの何を「美しい」と思えるか、再確認できました。マスコミや御用ライターの推しよりも、やっぱり自分の感覚に正直になることが大事ですよね。
ジャンプで言えば、我々の基準は羽生さんですが、たとえミスがあったとしてもやっぱりボーヤンはいいなぁと感じました。
ノービスの情報は、私もTwitterで目にしてますけど、ゆづファンを公言する畑崎さんはいつも気になっていますよ。彼女にはスケールの大きな選手になってもらいたいですね。