JGPラトビア(女子SP)感想

JGPラトビア(女子SP)感想

リザルトは「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。ライブで見ていたので、注目選手を順番に。

韓国のイ・ヘイン。66.93で3位。ここまでの3試合の韓国女子の躍進を見るに、キム・ヨナに憧れてスケートを始めた世代が一気に成長してきたんだなと感じます。そして、このイ・ヘイン選手は、細身で長身で、ジャンプの跳び方からスピンまで、イム・ウンスちゃんによく似ています。でも、日本で浅田真央ちゃんに憧れてスケートを始めた子たちが真央ちゃんのようにはなれないように、韓国の育成現場で、ヨナのようなパワーとスピードを兼ね備えた選手を「量産」するわけにはいかないのでしょうね。クオリティは高いんだけど、色々と考えさせられますよ。

松生さん。66.41で4位。SPはカラーパープル。衣装の雰囲気から、同門の山下さんを彷彿とさせる、まさに樋口先生のお弟子さんだなぁ・・・と。ただ、見かけだけの話じゃなくて、スケートも高水準。3つのジャンプを決めて、スピンもすべてレベル4を揃えて、素晴らしかったです。さすが、邦和杯で180点を出して優勝しただけあって、その好調を維持していますね。フリーが楽しみです!

ウサチョワ。69.04で首位。エテリ組の13歳で、今シーズンJGPデビュー。衣装は、メドちゃんのお下がりなんじゃないか?と疑いたくなるほどですが、スケートも「またこれか・・・」という内容。音を消して見ても、同じチームの選手のプロとの違いが分かるかどうか。

ザギちゃんの「なんちゃってイナバウアー]も含めて、なんだか、「これがいちばんスコアを取りやすいプログラム。これをノーミスできるように練習しなさい」とポンと渡されて、チーム内のジュニア以下の子たちは、みんなコレを日頃から滑っているんじゃないか?そう考えると、トゥルソワのジュニア時代に「この子はジャンプだけ!」とか「衣装ひどい!」なんて文句を言ってた頃が懐かしいですよ。あれはあれで十分に彼女の個性を生かしていたと思うのです。せっかくノーミスして良いスコアが出たので、フリーはもう少し変わったプロであることを期待します。

住吉さん。56.74で8位。SPは、The Rose。バージョンは違いますが、ポゴリラヤのFaOIでのプロでこの曲を覚えている方もいると思います。外見もこの1年で大人っぽくなって、よく似合っていますね。スケートも伸びるし、2Aを降りた後の次の動作も速く、さすがに上手だなぁ!と期待していると、フリップコンボの転倒で、コンボ抜け・・・。これは痛い!3Loは決めて、ミスはこの転倒のみに留めましたが、もったいなかったですね。でも、さすがのクオリティの高さを見せてくれたので、ここは開き直って、フリーでガツンとぶちかますのみですね。頑張ってください。

フロミフ。68.93で2位。ノーミスの演技で、同じくノーミスだったフランス大会の67.72よりもトータルでは伸ばしていますが、今回のPCSが29.57で、前回が29.50と、アップ幅は渋め。ちなみに、今回初戦のウサチョワのPCSには、30.21が出ています。

このPCSの差は何でしょうね。彼女のジャンプ、特に3Lz-3Tのファーストは軸が傾いて危なそうなんですが、セカンドトウが高さと回転の速さもあって、しっかり決めきるんですよね。そういう「危うさ」が反映されている?どうでしょうか。スケートも伸びるし、柔軟性もあって、個人的にはウサチョワよりいい選手だと思うんですけどね。

さて、日にちをまたいで男子SPが始まりますが、明日はそちらのレビューを予定しています。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. sennin より:

    女子の記事をスピードであげて下さり大変ではなかったでしょうか?私は数名ライストや動画で観たんですが、うーん心が萎えていました。でも、Junさんの記事を読んで同じだアと感じて元気になれました。
    先ずは、松生さんですが良かったですね!あの衣装まさか山下さんが蝶々夫人で着ていたものではないですよね?似ているように感じました。
    りをんちゃん素敵になったなあ〜ワクワク(笑)ジャンプコンボ失敗で点数勿体無かったけどPCSは貰えてますね、フリーに期待。
    今季の韓国ジュニア毎週強い、油断できませんねえ。しかも海外ではなく韓国のコーチですからね。これからどうなることやら
    とまあ色々と楽しみな選手が出てきていいのですけど、トップのウサチョワ?もう名前覚えられない…。何が違うの?たまたまロシアのノービスの試合なのか?タイムラインで流れてきてそっちも観たせいもあって、また毎週エテリチームの選手の演技を観ているので、全員同じに見えております。衣装も振り付けもです。なんちゃってイナバウワー、あ慌ただしい脚上げなどなどどれをみても変わらないですよ。PCSが高いのは例のごとくジャンプのあと片脚で繋げてますからね。でも個性がなさすぎでこんなこと言ってはいけないですが点数取るだけのプログラムで流石に飽きるというか?ツマラナイというか?工場で生産ですか?っていうイメージです。幸いフロミフは違っていてチームは同じだけどこの子の良さが見られてホットしました。
    クリケのクラコフ(ポーランド)6位の選手ですが、ブライアン帯同ですね。ウイルソンの振り付けなのかな?こちらを観て「このプログラムこそがフィギュアスケート」と気持ちよく観させて頂きました。
    三浦くん公開練習で4T綺麗に跳んでました。(現地さんのツイ)でも流石にライストは無理だな。

    • Jun より:

      senninさま

      ブライアンがわざわざラトビアまで帯同しているのは、ジョセフ君だけでなく、ポーランドの女子選手も出場していたからですね。まったくのノーマークだったので、フリーはチェックしたいと思います。

      三浦君は、SPもジャンプ自体はキレていて、大いに才能を感じさせてくれました。フリーではぜひその才能をいかんなく発揮していただきたいですね。

  2. Fakefur より:

    早速のレビューありがとうございます。

    ウサチョワは全く同感でした。音楽を消したら、いつものエテリ。
    ウサチョワのFが、フロミフのLzが、フルブレ=プレロテなのも、いつものエテリ。
    フロミフのLzのエッジはイン、良くても!に見えましたが、お咎めなしですね。

    松行さん、初めて拝見しましたが、基礎が素晴らしい選手ですね。Lzが紀平さんの形に似ていますね。
    住吉さんは、氷上の方が大人っぽく見えますね。マチュアで美しいプログラムでしたので、転倒が勿体ない。FSは実力を発揮してほしいです。

    今回のヘインも、初戦のウィーもそうなんですが、韓国選手はクリーンに滑るし、一つ一つのエレメントも丁寧、長身で膝下が長くてスタイルは文句なし、所作もまあまあ綺麗なのに、全体的にモッサリ見えるのは何故だろうと思っていまして、Junさんのレビューで、スピードとパワーがないので納得しました。一本調子で躍動感がないんですね。

    最近、過去のジャンプ映像をよく見ているんですが、キムヨナは、顔芸とか身体が硬いとか色々言われてましたけど、Lzは文句なしに正しい。スピードと確実性を併せ持った稀有な選手だったんだなと思いました。

    • Jun より:

      Fakefurさま

      フロミフは、ジャンプを降りた後のフリーレッグがスッと上がってキレイですよ。手脚の長い選手がこういう動きをできると見栄えが良くなります。

      「なぜ、ウサチョワよりもスコアが低いの?」と不思議なんですが、それを言ったら、ジュニアデビューシーズンのトゥルソワにコストルナヤはまったく勝てなくて、2シーズン目のファイナルでようやく1勝して、PCSも上回るようになりました。フロミフも、いずれその所作に見合った評価を得られるといいなと思っています。

      日本選手は、先週の河辺さん&田中さんは「足の状態は大丈夫?」という感じだったんですけど、今週の松生さん&住吉さんの動き自体はいいので、フリーに期待です。

      ヨナといえば、海外では川畑さんをヨナと比較するようなコメントを見たことがあります。川畑さんの方がしなやかな動きに長けていると思いますが、彼女はジャンプの安定感がねぇ・・・。なかなかうまく行かないものです。