ファイナル(ゆづEX)感想

ファイナル(ゆづEX)感想

お写真はスポーツ報知の「矢口亨」カメラマンのツイから。今大会のベストショットだそうです。スワンの映像は、YouTubeでは全滅状態なので、「ニコ動」の方をどうぞ。

「そっか、イタリアだし、スワンか・・・」と、軽い気持ちで動画を見たら、すごい内容じゃないですか!

ビールマンも入っているし、Otonal仕様のツイズルサンドの3Aも組み込んでいて、まさに19-20バージョンの新スワンという感じでした。現地のお客さんもよく分かっていて、この2つの技に大歓声を上げていました。

おなじく報知の「高木恵」記者が、フリー後の一夜明け会見を文字起こし(12)してくださっています。

Otonalにいまの構成がハマらない部分は、羽生さん本人も苦労しているようです。そして、「ジャンプ大会だったら、フィギュアスケートじゃなくてもできる」という理想と、「つなぎやスケートや表現を頑張ってもたいして点にならない」という現実との葛藤について、コメントしていますね。

ただ、いまいち今大会のジャッジを見て信用できないのが、羽生さんが「現実路線の省エネプログラム」で5クワドと3Aを安全確実に降りたとしても、ちゃんと評価してくれるの?という所はあるんですよ。

ここで昭和ネタの無駄話をさせてください。かつて「ものまね王座決定戦」という番組があって、10人の審査員が10点ずつ持って採点するテレビ番組がありました。当時「ものまね四天王」と呼ばれていた、コロッケ、栗田貫一、ビジーフォー、清水アキラはつねに高得点をもらっていて、たいして物まね自体は原曲と似ていないハズレネタの時でも、

10点、10点、10点・・・・・10点、合計100点!

という場面もあって、「審査員は演者を見てノリで10点押してるだろ!」と。ただし、一部個性的な審査員はいて、保沢紀さん(フジテレビ衣装部)は「誰が出ても毎回10点」で、淡谷のり子先生は「私は下品なのは大嫌いなのよ!」と清水さんには7点とか8点をつけていた記憶があります。ISUのジャッジにもそんなノリでGOEとPCSをつけてるのがけっこういると思うんですよね。そう考えると、怒りも収まってきました(笑)。

そこで、なんでこの話をしたかというと、「羽生結弦には羽生結弦のスケートを貫いてほしい!」ということなんです。で、今回の「ヤリ過ぎ」採点を受けて、日本国内のメディアの論調も、そこまでネイサンage報道という感じではない印象です。

武史さんや明子さんも「そこまで差はない」「羽生選手には爆発力がある」とフォローしていました。少なくとも、「羽生も、ネイサンを学習して、ジャンプを確実に決めればいいんだよ!」というコメントを、私は見たことも聞いたこともありません。世界中のスケートファンが「羽生結弦のスケート」を待ち望んでいるんです。

ネイサンはネイサンで衣装含めてアレでいいんですよ。羽生さんとハッキリとキャラもスケートも違っていてむしろいいじゃないですか。

全日本は無理せずに4クワドで行ってください。そして、ワールドに向けて5クワドでのトレーニングを積めばいいと思います。

では、また明日!

Jun


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コメント

  1. みつばち より:

    こんにちは 更新ありがとうございます

    さきほどまでBSでEX総集編見ておりました。

    Jun様が「羽生さんがネイサンのようなスケートに「モデルチェンジ」をしても、いまのジャッジだと正当に評価するはずがないので、だったら、自分のスケートを貫いてほしいと思っています。」
    と、前カテで述べられた通りです。

    まったく真逆の演技の質ですね。羽生さんとネイサン君は。
    ネイサン君は、迷いが吹っ切れて、抒情?詩心?そんなもん、俺はぶっ飛びネイサンだぜ!とバックフリップで表明したような気がします。

    変に抒情的になったら気味悪いかもしれません。あれが彼のスタイル。
    そしてそれに高得点が付く。

    今回は羽生さんは流れが悪かった、ヒヤリとするジャンプもあって普通の選手なら転倒していたのでは。
    しかし個人的には40点も差がつくとは思えないんですよ・・・せいぜい20点ぐらいにしか。
    ネイサンのキレのよい演技とジャンプにもあれ、これ回転不足?と鈍い私にも目視できるとこありましたし。

    羽生さんのスワンすごくよかったです。ビールマンもいれてきたということは体調はよいのですね。安心しました。

    日本のテレビはペア競技を放送してくれないので順位はよくわからないのですが、ロシア、アメリカのペア競技はすごい。これでカナダが加わると、団体戦での金メダルがこの三国で回り持ち状態になるのはわかる気がします。

    • Jun より:

      みつばちさま

      今回の採点に怒っている人たちは、まだISUやジャッジに密かに期待しているんだと思うんですよ。

      私はまったく信用していないし期待もしていないので、だったら、羽生さんは好きにやった方がいいんです。すでに五輪も連覇して、ワールドもファイナルも勝っている。記録だって、あんなイイカゲンな付け方をしているのだから、陸上の短距離でいう追い風参考記録のようなものです。羽生さんは、向かい風の中で100Mを走って9.80だったが、ネイサンは背後から大型送風機で風を送ってもらっての9.60みたいなものでしょう。

      自分のスケートを貫く。それを磨いてノーミスする。会場のファン、テレビの前のファン、世界中のファンが拍手を送りますよ。

  2. 名無しの猫 より:

    Junさんの記事で少し元気になりました。
    グルグル考えてちょっと弱っていたのです。
    ありがとうございます。

    今日は通信の発売日なので買ってきました。
    スケーターズは表紙は良いのだけれど、中身をパラっと見て、私の買うかどうかの
    センサーが今正常に働かないので(笑)今日のところは安心安定の通信だけにしておき
    ました。

    • Jun より:

      名無しの猫さま

      考えてはいけません。少なくとも私は考えることをやめました。全日本までに体調を整えておきましょう。

      通信のレビューはこの後、アップします。

      フィギュアスケーターズもすでに購入しているので、明日レビューしようと思っています。

  3. Fakefur より:

    現地応援組です。
    フィギュアスケートの美しさ、醍醐味を余すところなく伝えてくれた渾身のスワンでした。昔、この欄で、負けた試合のガーラの素晴らしさを語った方がいましたが、私の中ではナンバーワンになりました。今でも目の裏に羽と氷片が舞う情景が浮かんできます。

    満場一致のスタオベでした。羽生さんの後、4組の金メダリストが滑りましたが、スワンに完全に魂を抜かれて、拍手はあっても、スタオベは起きません。日本の試合ではすべての選手に平等に拍手喝采を送るそうですが、芸に目の肥えた欧州の観客は正直です。残酷なほどに。

    私の席はキスクラ・ショートの2階席で、個人手配の欧州人とアジア人が混在する比較的安めのシルバー席(それでもオールで5万円以上)で、リンクは見づらいが、キスクラというだけで選びましたが、なんとキスクラはジャッジサイドのロング(10万以上もするVIP)席からしか見えない仕様になっていて、私の席からはキスクラ背景ボードの裏面しか見えない。ISUと伊スケ連は金儲け主義かよ!と殺意を覚えるわけですが、それでも、高い席からどんどん売れていく。見たい理由は一つです。

    朝7時から男子公式練習を見るためだけに、真っ暗な中、霜が張った極寒のリンク回りを500メートル以上、人が並ぶのです。日本人だけではなく、中国人も、欧州人もです。
    理由はたった一つです。
    観客の反応が全てなことをISUはわかっているはずです。

    • Jun より:

      Fakefurさま

      現地での貴重なレポートをありがとうございます!

      日本の場合、アイスショーも試合も、みなさん苦労して取ったチケットでの現地観戦のはずなので、「すべて見て、全員応援しよう」というマインドになるんだと思います。「残さず食べよう」的な感じですね。

      ただ、テレビの瞬間視聴率はシビアで、羽生さんを見てそれでチャンネル変えた人けっこういたようですね。羽生理恵夫人のツイを見ていたら、羽生先生は「羽生さんだけ見よ・・・」とその時だけテレビの前に着席したとか(笑)。まぁ、それが普通です。

      私も、全日本はSPだけですが男子を見るチャンスに恵まれたので、現地の状況をいろいろと観察してみようと思っています。

  4. はなちゃん より:

    はじめまして、Junさん。
    平昌五輪以後、羽生選手の異次元の演技の理由を知りたくて、いろいろさまよい、Junさんのブログにたどり着きました。
    羽生選手にだけ、暴力的なまでに理不尽な採点に、ずっと憤りを感じていましたが、Junさんの冷静かつ楽観的な分析に、慰められ、励まされ、気持ちを立て直すことが出来ています。
    Junさんが、毎日ブログを更新して下さってることに、本当に感謝しております。

    • Jun より:

      はなちゃん さま

      はじめまして。コメントありがとうございます!

      おそらく、フィギュアスケートのプロトコルを読み、テクニカルやジャッジを個人レベルで監視するという行為は、フィギュアスケートの歴史においてもゆづファンが最初じゃないかと思っています。そもそも、「チーム・ブライアン」という本がまさにそこにメスを入れた革命的な指導書でしたし、羽生さんもそれこそ「0.1点」単位にまで拘って努力してきました。

      当然、ISUからすると、ジャッジやルールにアレコレ言う連中というのは目障りな存在なんですよね。だから、「引退勧告」のような嫌がらせを羽生さんに対してするわけですが、本人は「もっと練習したい!」ですから、我々が心を折れてはいけません。

      「羽生さん、もっとやれ!自分のスケートを貫け!」と応援するのみですね。

  5. マリィ より:

    こんにちは
    人間が採点するから仕方ない部分もありますがやるせないですね。
    確かに思っていたより悪い記事は見ない気がしました。
    この状態が続くのなら4Aを跳んだら本当に引退するのではないのでしょうか?
    あのスロー再生も追いつかないような4Aを毎回安定して入れられる時が来るものだろうか?
    その前に身体がパンクしないかな?
    このままネイサンに有利なジャッジシステムが続くんでしょうか?
    いえ、ネイサンという人が悪いと叩いてるわけではありません。
    ネイサンはネイサンの個性で進めばいいと私も思います。

    • Jun より:

      マリィさま

      おそらく羽生さんは、4Aを一発降りるだけじゃなくて、「4Aを成功して、さらにノーミスの演技をして、勝つ!」という所をゴールに設定しているように思います。

      ソースは忘れましたが、フリーではなく、ショートの方に4Aを入れるんじゃないか?という話をどこかで目にしました。

      「4A 4S/4T-3T」という構成か、あるいは4Sの所を4Lzにするかもしれませんね。ただし、Otonalに関して言うと、コンボの方が心配なので、そこをまずは全日本で修正できているか、楽しみにしています。

  6. ととちゃん より:

    そう、「羽生結弦」のスケートこそが、人々が見たいものだと思います。
    そして、確かにネイサンはネイサン路線でいいのです。ただ、それに見合ったジャッジさえされていれば。

    イタリア現地の記事を目にしました。ネイサンの演技内容が点数に見合ったものか、疑問が呈されていますね。息を整える場が幾つかあるプログラムと、びっしり詰まった羽生選手のプログラム…しかし後者に点数は出ない、そこに世界中から疑問が上がっている、と。

    こういった内容の記事は、まあ、ただ事実を述べているだけなんですが、日本では絶対にお目にかからないことに、既に慣れてしまった自分がいますが。

    パトリックが、自分が引退してずっと後に、
    あれこそがフィギュアだったんだと皆気づくだろうと言ってましたが、今は、羽生選手のスケートこそがフィギュアだと、もうみんな知っている。出来れば現役中にそれを正当にジャッジして欲しいです。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      日本のマスメディアの物足りない所は、「忖度はしても主観は出さない」という所なんですよね。「SEIMEIよりもOriginの方が良いプログラムだ!」とか、あるいは逆に「SEIMEIには及ばない!」とか、どんどん言えばいいと思うんですよ。もちろん、それなりの根拠を示した上で、です。

      正直言うと、今シーズン両プロ持ち越しというのは、個人的にややガッカリした部分もあったんです。ですが、今思うと、今シーズンの仕上がりの速さは「両プロ持ち越し」の恩恵を間違いなく受けていると思いますね。

      一方、毎シーズン、SPもフリーも新プロのネイサン。それが何より「省エネプロ」であることを如実に示しているんじゃないでしょうか。