JGPスロバキア(女子SP)感想

JGPスロバキア(女子SP)感想

すでに結果は出ていますが、女子SPのレビューを。リザルト関係は「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。

女子SPは夜11時45分からだったので、スタートからはまったく見れなかったんですが、偶然夜中に目が覚めた時、ちょうど日本の二人を見ることができました。

まずは横井さん。ちょっと硬かったかな、というのが正直な所。ジャンプは高さ・幅ともにあって、力強く質も高いのですが、着氷で乱れました。DOIで完璧だった3FはSO。2AはGOE+4もつく素晴らしい出来。しかし、コンビネーションジャンプでの減点が痛かった・・・。ルッツがダブルに、セカンドの3TもURがついていました。スピンでレベルがしっかり取れているのに、もったいなかったですね。

しかし、経験豊富な彼女のことなので、落ち着いてフリーに挑めば、順位はドンと上がると思います。ここで落ち込む必要はまったくないですね。

そして川畑さん。画像でお隣に座るのは、都築章一郎先生の娘さんで、アイスダンスで全日本選手権3連覇も果たした、都築奈加子コーチ。ちなみに、奈加子コーチは、現役時代、あの宮本賢二さんともカップルを組んでいました。

ISUの公式の映像なのに冒頭部分が切れていて残念ですが、いやぁ、期待以上の動きで、やはり川畑さんは逸材だと思いました。3Lz+3Tでは、ルッツは高さもあって素晴らしかったのに、セカンドトウが残念でした。DG判定はちょっと厳しいかな?とは思います。スピンはめちゃくちゃキレイですよね。ポジション、回転速度ともに、日本のシニアのトップ勢と遜色ないレベルです。さすが、都築先生に鍛えられているだけあるなと。こういう凄いスピンを見ると、須本君も横浜に出稽古に行ってきたら?とちょっと厳しいことも言いたくなります(汗)。

そして、やはり上半身の所作がいい。肘から下、指先にかけての柔らかなで美しい動きに目を奪われます。2Aは着氷後のスケーティングへの移行もスムーズ。3Fはアテンションがつきましたが、ジャンプ自体の質は高い。ふと思ったのは、「しなやかな動きができてジャンプも高いという、この2つを兼ね備えた選手って、日本のシニアで誰がいるの?」と。真凜ちゃんも知子ちゃんも、ジャンプは低いですし、ジャンプのうまい坂本さんは、こういう動きができない。強いて挙げれば紀平梨花ちゃんだけど、ジャンプの高さには不安があると思っています。

見ているだけのスケオタの立場では、「もう十分に良いものを見せてもらった!」と満足なんですが、まだフリーもあるので、表彰台目指して頑張ってほしい。台乗りできれば、2戦目のアサインももらえるはず。去年の荒木さんのように、ここで踏ん張ることができれば、グッと伸びるチャンスだと思います。

トゥルソワのSPのベストスコアが「73.25」なんで、この「73.18」は決して高くないですよ。てか、ルール変更でSPでは最後のジャンプしか1.1倍にならなくなったので、もし旧ルールだったら(そもそもシェルバコワは、後半固め打ちで練習していたでしょうし)、トゥルソワのスコアを軽く超えていたことになります。

「ロシアテストスケート」でのシェルバコワのSPをレビューした際に、「この子がクワドを跳んだら、どう考えてもトゥルソワより高得点が出そうな気がする」と私は書いたんですが、がぜん、新ルールでトゥルソワにどういうスコアが出るのか興味深いですね。

ジャンプもスピンも質が高いのは分かっていたことですが、その超高難度の技の数々を、柔らかな笑みを浮かべてこなしていくところに、同じチームで育った先輩たちを凌駕する恐ろしさを感じますね。

ただ、よくよく考えれば、怪我さえなければ、昨シーズンのJGPに彼女は間違いなく出場していて、当時から前評判もトゥルソワより高かったぐらいですから、やっぱり凄いな・・・というのが正直な所。もうこうなったら、フリーでクワドを決めて、ガツンと220点を超えてもらいましょう。

さて、24時間テレビの「タイムテーブル」を見ると、羽生君の企画は「25日(土)20:40ごろ」とありますね。明日の記事はなんとか間に合いそうです。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. sennin より:

    シェルバコワちゃん文句のつけようがないですね。振付け師がおなじなので寂しいイメージの音楽は変わりませんが曲もよく捉えていてジャンプだけでなく総合的に素晴しいと思いました。

    川畑さんは、昨年の全日本でスケートも所作も綺麗でスタイルもよくてジャンプが巧いなあと感じた選手でした。それに加えてN高って何?と興味を持ちました。スケートに専念したくて通信を選んだとどこかで知りましたが…。本当に最初のジャンプ厳しいですね。
    都築先生も高齢で帯同は誰かと思っていたら奈加子先生でしたか?現役時代は知りませんが三浦かお君のコーチですよね。フリーはどんな演技を見せてくれるのか楽しみです。

  2. Jun より:

    senninさま

    ロシアテストスケートの映像でも感じたことですが、シェルバコワは、メドちゃんに似た感じの表現で、しかもジャンプの技術はエテリ組の先輩含めて最高レベルの持ち主と、凄すぎて言葉も無いですね。

    14歳のスケーターに対して、あまりに過酷な内容のスケートを求めているように思えるわけですが、以前ブログの中でも指摘した通り、エテリコーチという人は、教え子たちには2022年のことなど一切考えさせずに、目の前の試合に全力投球させる指導方針なのでしょう。

    メドちゃんの例を挙げるまでもなく、オリンピック本番の時点で強い選手が偉い。実績とか、何年指導したとか、いっさい関係ない。教え子の誰が金メダルを獲っても、自分の名声が高まるわけで、ものすごい割り切り方というか、ドライだなと。これぞ、まさに現代の「修羅の国」ですよ。

    ただ、日本の場合、あまりに過保護に特定の選手を育てる(というより甘やかす)ケースもあるわけで、結局は、何が正解なのかは分かりませんね。

  3. ととちゃん より:

    ゆは菜ちゃん、ちょっと重いかなと思いました。和愛ちゃんは、仰る通りとても良かったですね。なぜ記憶から消えていたのか、不思議です。これから注目していきたいです。

    シェルバコワの完成度は素晴らしいですね。
    ただ、どうしても細さに目がいってしまいます。個人的には女子フィギュアには、女性的
    な柔らかな線が欲しいので…。

    いよいよ今夜、最新の白鳥を見られると思うと楽しみです!夜中に録画視聴の予定ですが
    待ちきれません。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      シェルバコワは、心配になるぐらい細いですよね。単にジャンプの才能があるだけでなく、さらにあれぐらいストイックな体型を維持しないと、あれだけのパフォーマンスを披露できない、というのがロシアの女子シングルの現状なんだと思います。

      その点、川畑さんは(もちろん彼女も節制しているのでしょうが)見ていて安心感のあるスタイルです。今後も、とにかく健康第一で、スケートに磨きをかけていってもらいたいですね。

      もちろん、どちらが良い悪いと言うつもりはありません。そもそも環境が違うし、二人に限らず、スケートに対して目指すものは多様でよいと思います。

      ところで、「ロシア潰し」のジャンプ後半固め打ちに対する「ルール変更」も、大方の予想通り、まったくの不発に終わりましたね。これからロシア女子は、強い選手がまだまだ出てくるので、ファイナル進出者の6人全員がロシアになる可能性濃厚です。ファイナル進出者数を国別で制限を加えるんじゃないか?とネットでは言われてますね。