タリントロフィー(女子SP)感想

タリントロフィー(女子SP)感想

リザルトは「こちら」で。引き続きタリントロフィーの振り返りで、今日は女子です。

サハノヴィッチ。70.33で1位。ロシアの18歳の選手。wikiに経歴がまとまっていますが、13-14シーズン、14-15シーズンで、JGPファイナルと世界ジュニアで銀メダル。メドと同世代で、13-14シーズンのオフからエテリ組に在籍して、将来を嘱望される選手でした。その後、プルさんの「エンジェルズ・オブ・プルシェンコ」を経て、現在はサンクトペテルブルグのチームに在籍しています。

さすがにロシア女子でトップ争いをしていた選手だけあって、基礎技術の高さに感心します。ジャンプには高さもあり、スピンもキレイ。まだまだ全然やれるでしょ?と思います。こんな素晴らしい彼女が一時期引退を考えていたところ、プルさんに引き止められたという話は比較的よく知られていますが、プルさんのアカデミーを移籍した後も、コンディションは良さそうです。

来季は強力なジュニア勢が上がってくるとはいえ、70.33というスコアは彼女のパーソナルベストですし、このクオリティのスケートを維持できれば、ロシア代表としてGPシリーズにアサインされると思います。所作に大人っぽい柔らさかもあって、見ていて安心感のある演技です。

ティン・クイ。67.56の2位。アメリカの16歳のジュニア選手。今季JGPシリーズには2戦登場して、オーストリア大会で5位、チェコ大会で7位の成績。チェコ大会のSPでは70.20のハイスコアをマークしましたが、フリーでミスが出てしまったのはもったいなかったです。

ISUのバイオでは156cmとありますが、手脚が細くて、長いですね。おなじアジア系の女子選手でも、日本ではこういうスタイルの選手はなかなか出てきません。しかし、3Fで転倒があっても67点台ということは、ノーミスだったらサハノヴィッチの上に来ていたことになりますか。ジャンプは高さがあって、スピンのポジションも美しい。いまのアメリカのシニア女子はテネルが孤軍奮闘状態なので、彼女ならば、来季シニアに上がってすぐに戦えると思います。

アメリカでは、もう少し下の世代でアリサ・リュウというアジア系で3Aを跳ぶ13歳の選手がいますが、その前にこのティン・クイ選手がブレークしそうです。

グバノワ。60.29の4位。ロシアの16歳のジュニア選手。彼女は2シーズン前にJGPシリーズで活躍しています。「FigureSkatingRussia Wiki」によれば、JGPチェコ大会で紀平さんを破って優勝。JGPドイツ大会も優勝してファイナルへ。マルセイユのファイナルでは、ザギトワに次いで準優勝(3位坂本さん、4位紀平さん)。昨シーズンはJGPシリーズは1戦のみの出場に留まり、今季は怪我によりアサインされていた第2戦を欠場しました。キスクラに座っているのはブヤノワコーチ。ソツコワやダニエリャンを指導しています。

デイブ・ブルーベックの「テイク・ファイブ」なんて、メドちゃんじゃないですけど、まさに北米テイストの選曲ですね。3Lzのセカンドトウがシングルになって、セカンドジャンプが無効に。ずいぶんルッツの助走を長く取るなぁ!と不思議に思って見ていたら、ミスが出てしまいました。

なぜ転倒したティン・クイより7点も低いのだろ?と思ってプロトコルを見てみると、PCSはともに30点台なので、やはりコンボでミスが出るとゴッソリ失点するということですね。

ステップの振付(ジャッジ席の真ん前の辺り)は、音楽に合わせて両手でドラムを叩くイメージなんでしょうが、音楽がなければ「やけくそになって床やテーブルを殴りつけているようにしか見えない」ので、もう少し研究して、ハッキリとした動きにしてもらいたかったです。斬新で面白い試みではあるんですけどね。

パネンコワ。55.83の6位。15歳のロシアのシニア1年目の選手。昨シーズン、エテリ組のジュニアの刺客として、JGPシリーズで活躍。名古屋のファイナルでは5位でした。特に、タケノコ(両手タノ)の使い手としては、すでにシニア選手も含めて世界屈指の名手で、オフにエテリ組を離れてからの動向が気になっていました。今季シニアに昇格して、GPに2戦アサインされましたが、スケカナ(9位)、フィンランド大会(6位)と苦戦しています。

冒頭の3Lz-3Tは、まさに彼女のキレとスピードのあるタケノコジャンプが炸裂して素晴らしい出だし。しかし、3Fでは派手に転倒していて、右の胸か肩の辺りを強打しているように見えました。大丈夫だったでしょうか?転倒したフリップがDGになっていて、ほとんどスコアが入っていません。PCSも思ったよりもらえていないので、ジュニア時代の実績を勘案してもらえないのは厳しい。頑張ってもらいたい選手です。

カレン・チェン。52.93の9位。今季初めて彼女の演技を見ます。今季アサインされていたGPシリーズを2戦ともに欠場。シーズン全休かと思っていたんですが、復帰してくれました。

足の怪我がまだ完治していないということで、彼女の実力からするとジャンプは「抑え気味」という感じで、無理をしていないように見えます。17年の代々木の国別で彼女を現地で見た時は、小さくて華奢な身体なんですが、存在感を全身から発していて、すごくオーラのある選手という印象でした。まだ19歳で、つまりテネルよりも年下なんですよね。まだまだ彼女には頑張ってもらわないといけません。

この後のフリーは棄権。それでいいと思います。USナショナルに出るのかどうかは不明ですが、早く元気になってもらいたいですね。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. ととちゃん より:

    サハノヴィッチ選手、綺麗なスケートですね。18才ということですが、大人びて見えます。移籍などで経験値も増し、精神面で成熟しているのでしょうね。

    今日の動画ではティン・クイ選手に注目しました。どうしても、羽生選手のプログラムを思い出してしまいますが、手足の長さと、それに振り回されず美しく表現しているところに惹かれました。最後、本当に勿体なかったですね。今後が楽しみです。

    一方、 グバノワやパネンコワはもっと伸びてくると思っていました。コーチ変更組は我慢の時期ですね。

    ところで、田舎はまだ、memorialは置いておらず、通信のみゲット出来ました。私は、ロシアはこれだけでも満足です。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      女子はわりとレベルの高い試合になっていて、嬉しい驚きでした。

      サハノヴィッチのスケートは、ちょっと一昔まえの感じがする反面、ティン・クイやパネンコワはつなぎなどを見ていても、最新のプログラムという印象です。パネンコワは身体が重たそうなのが残念でしたが、ティン・クイは転倒こそありましたが、状態は良さそうです。USナショナルでは200点超えもありそうです。

      この試合に日本選手も出たら面白いと思うのですが、全日本前ということで、なかなかこんな遠い国まで遠征はできないのかもしれません。

  2. マリィ より:

    こんばんは
    ロシアは選手層が厚いから代表選は相変わらず大変そうですね。
    ティン クイ確かに背が高くみえますね。
    身体も大きく演じてる感じですね。
    スタイルは違いますが、紀平さんも以外と低くてびっくりしました。
    ちなみにタケノコはパネンコワよりティン クイのタケノコのほうが綺麗に見えます。
    私の好みですかね。

    遅ればせながら昨日はおめでとうございます!
    レポ楽しみにしています。

    memorial今日届きました。
    確かに羽生くんは半分で構成が昔のスケート誌みたいだなって思いました。
    ほとんどロステレの出場者ですけど、それが好まれるか嫌がられるかは売り上げに反映されるでしょうね。
    junさんもmemorialはあまりオススメではありませんでしたね。

    • Jun より:

      マリィさま

      スタイルの良さって、実は身長以上に目立ちますよね。おっしゃるように、紀平さんは、手脚が長いので、そんなに小柄には見えません。でも、このティン・クイの細さは、ちょっと日本人では見かけないタイプなので、やはり遺伝的なものや食事を含めた生活環境等の影響はあるのかもしれません。

      実は、Memorialはまだ入手できておりません。すでに通信の中身は確認していますので、今日・明日中にはMemorialの方も実物を見られたらなと思っています。