「NHK 羽生結弦 10年間の軌跡」(2)

「NHK 羽生結弦 10年間の軌跡」(2)

さて、NHK杯特集レビューの後半戦です。再放送のスケジュールも発表されていますので、「こちら」で。

(1)2015年・長野開催

マガジンの山口真一さんの『奇跡なんて、起きない。』はこの大会から本格的に始まります(第2章)。皆さまも、ちょうどこのN杯の映像をご覧になったので、ぜひ本の方もチェックしてみてください。

さて、この長野N杯は、スケカナでの敗戦後、「血の滲むような練習」を経て、構成を上げて臨んだ大会でした。すでに足の状態はよくなかったはずですが、いきなりノーミスを2本揃えて、「322.40」という驚異的なスコアを叩き出します。

ただ、いまの羽生さんのクオリティから考えると、バラ1の4Sは身体がそんなに浮いてなくて軸も傾いて危ないジャンプに見えます。しかし、SEIMEIでそこを修正してきたのは凄いなと。次戦のバルセロナのGPFでの「330.43」が凄すぎるので、ややこの大会のスコアは印象が薄いですが、でもね、「322.40」が地元採点のアゲアゲスコアではないことを、ファイナルのスコアが裏付けたともいえます。そもそも、羽生さんが日本開催の大会で恩恵を受けたことなんて一度もないんですけどね!

(2)2016年・札幌開催

プリンスの権利上の問題で、YouTubeでのレックレ映像は全滅状態なので、レックレってなかなか何度も見れてないんですよね。それでも、見るとすればマルセイユファイナルの映像なので、N杯のレックレはなかなか新鮮な感じがします。

4Loはホプレガの方がキレイで、しかも、この試合のホプレガは、後半の4S-3Tで転倒した後、「ただでは終わらない」粘りの滑りを披露。この頃から、難しいリカバリーを本番でやり遂げるようになったように思います。頭の中にPCが内蔵されているんじゃないか・・・と圧巻です。

(3)2019年・札幌開催

この19年の真駒内N杯の前に、17年大阪の4Lzの怪我の映像を入れてきましたね・・・。まぁ、あの中国杯の写真をわざわざ使うのだから覚悟はしていましたが、本当に不愉快なので、もういいでしょ・・・と。

それはともかく、スケカナがほぼパーフェクトな演技だったので、あれと比べると残念な部分もありますが、フリー後のインタの中で「緊張した」と語っていたので、彼ほど経験豊富な選手であっても、日本開催の試合は独特のものがあるんですね。

やっぱり、Otonalもいいですよね。動きにまったく無駄がなく、力みもなく、でも情感たっぷりに、音楽を身にまといながら、ジャンプを決めていく。ツイズルサンドの3Aもやっぱりいい!Originのリカバリーも、3年前のホプレガをさらに凌駕した鬼っぷりで、間違いなくスケートが進化していると感じます。

そういえば、スワンと春よ来いが入らなかったのは残念ですが、番組自体が最後あっさりスパっと終わってしまったので、尺がギリギリでしたか。2010年や2012年の頃の映像をしっかり入れてくれたので、それ以上を求めるのは贅沢というものでしょう。番組全体としてはほぼ満足な内容です。

では、また明日!

Jun


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コメント

  1. ととちゃん より:

    レックレを久々に見れて、満足でした。この年、完璧なSPは結局見られませんでしたが、私はN杯の演技も好きです。紫に変えて、本当に新鮮でした。

    最後は 2019年のあのOriginで終わる訳ですが、どう見てもあんな点数をつけられる演技ではなかった、と改めて思いました。クワドがひとつ抜けただけで、しかもリカバリーしてますから。マッシさんが批判するGPFの点数も、この流れがあったからだと思うとやり切れない思いがします。
    仰る通り、何の優遇もないなか、羽生選手が言うところの「何も裏技を使わず」試合に臨んできた道のりだったな、と。だからこそ応援したくなるんですけど。
    私も怪我の場面は目を逸らしましたが、それ以外はとても良かったと思いました。
    振り返り、ありがとうございました。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      採点競技の悲しい所ですよね。OtonalもOriginも素晴らしい内容にも関わらず、よくもまあ、あのようなケチをつけられるな・・・と。いまのISUジャッジはこの競技を毀損しているとしか言いようが無いですよ。

      ただ、羽生さんのスケートの価値は、私たちファンが決めればいい。あんな連中知らんわ!と、変わらず応援していきたいと思います。