USクラシック海外選手ウォッチ(ナム・ヴィンス・ウンス・ガビー)

USクラシック海外選手ウォッチ(ナム・ヴィンス・ウンス・ガビー)

海外ウォッチ企画最終回はUSクラシックです。リザルトは「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。

ナム君のSP。シナトラのような「古き良きアメリカ」は、彼の明るいキャラに合っていますね。身体が大きくなってしまって、動きにぎこちなさを感じる部分もありますが、そこは滑り込みでしっくり来ることでしょう。

3Aはキレイでしたが、4Sと3Lz-3Tは着氷で乱れました。SPは2クワドじゃないんですね。じっくり少しずつ・・・ということでしょうか。

最後の3Loがシングルに抜けて、すぐにフィニッシュなんですが、ナム君があまりにガックリしすぎていて笑っちゃいました。ラ・ラ・ランドって、女子のスケーターが多用しているイメージですが、これはこれで、ナム君と違和感はないですね。

クワドと3Aはまずまず跳べていると思うのですが、それ以外のジャンプで抜けがあるのはもったいない。スピンもちょっと元気が無いですね。カナダの男子はこれから彼が背負わなきゃいけないわけですから、GPシリーズまでに調子を上げていってもらいたいです。

ヴィンセント君。SPは、ローリー・ニコル振付の、Museのエクソジェネシス交響曲。これは、シェイ振付のワグナーのフリーが神プロで、私も代々木で生で見て震えるほどの感動を覚えたのでした。それと比べてしまうと・・・ショートでこの曲を使うのはもったいないなぁと。

マシューのヴォーカルの入るパートをどこで使うのかと思って演技を見ていたら、ジャンプを全部跳んでからでしたね。ヴィンスはジャンプの人だし、でもこの曲はヴォーカルが主役だしと、今回のようにジャンプが不出来だと、曲しか印象に残らないという事態に・・・。背中の故障がまだ完治していないということなので、まだ彼は若いし、無理はしないでほしいですね。

フリーの振付はジェフ。前半部分で、昨シーズンのボーヤンのSPの「グリーン・デスティニー」の楽曲を使用していますね。すると、後半では、三味線の音色が聞こえてきました。NHKのドキュメンタリーなどで音楽を担当している、作曲家・吉田潔さんの楽曲とのこと。最後のスピンで三三七拍子ですから、ずいぶんベタだなぁ・・・と苦笑。

たぶん日本人のスケーターだったら、この終わり方ってベタすぎて受け入れられないと思うんです。でも、ヴィンセント君自身はアメリカ生まれですし、ご両親は中国系ですから、抵抗感は無いんだと想像します。

本調子の彼から考えると、痛々しいぐらいにコンディションが悪そうです。順位どうこう以前に、よく頑張って出場したなと思います。

イム・ウンスのSP。キスクラに同席していましたが、今季からラファのチームに移籍しました。つまり、本田真凜ちゃんと同時期に加入したことになります。8月のアジアンオープンの映像でも感じたことですが、ジャンプがキレイになりました。具体的には、以前は踏切時に「猫背っぽく」上半身をかがめていたのが、それがほぼ無くなっています。

ジェフ振付のこのプログラムも落ち着いた曲調でいいですね。フリップでジャンプが乱れた以外はノーミスで、やはりジャンプがとても上手い選手です。

フリーの最後は、空気の薄さもあってか、疲れましたね。鈴木明子さん振付の「シカゴ」。表現はちょっと悪いですが、「男に媚びるような女性」を表現した振付が、SPとまったく対照的です。ただ、昨年までの彼女のプロって、ショートもフリーも両方こんな感じのコテコテ系で、端正なビジュアルも相俟って、「韓流アイドル的だなぁ・・・」という印象はあったんですよね。

しかし、アメリカに渡ったことで、ジェフの落ち着いたプロに取り組んで、良い意味でワールド・スタンダードのスケーターになりつつあるんだなと感じます。

ただ、注文をつけるとすると、ステップやスケーティング時の動きのバリエーションが足りなくて、つなぎの部分がやや単調な気がします。ジャンプも上手いし、スピンのポジションもキレイなんですが、エレメンツを淡々と決めていく印象があるので、より上下動を伴うような、意外性のある動きが欲しいですね。

デールマンのSP。「あれ?またこれやるの?」という、まさかの「ハバネラ」3シーズン目。ザギちゃんがフリーでカルメンをやりますけど、もう完全にこの人の曲という印象が、私の中で定着していますね。

スコアは63.28と一見物足りなく見えますが、3Lzがダブルに抜けて0点になっているので、ここが入っているとSPは70点超えで宮原さんを抑えていたと思います。コンディションが整った時に、一発入れば、間違いなく強い選手ですね。

いやぁ、SPとは別人というぐらい、フリーではジャンプで精彩を欠いてしまいました。軸が傾いているものもあれば、着氷で滑っていたり、転倒・パンクもあり、あらゆる「ミスのパターン」が出てしまった感があります。でも、この会場ですから、空気の薄さも影響しているのかもしれません。

この大会は、記録的には全体的に低調でしたが、有力選手のプログラムをチェックできただけでも、個人的には満足でした。さあ、ネペラ杯はすでに開幕していて、いよいよオータムですね。楽しみに待ちましょう!

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. ととちゃん より:

    ヴィンスは、本当に調子が悪いですね。フリーの前半は好きな曲ですし、マーシャルアーツをテーマにしている印象なので、もう少しスピード感が欲しいな、と思いました。

    ただ、ナムくんもヴィンスも初戦ですからまだまだこれからですよね。ヴィンスは、ネイサンが出ないために、出場を望まれていたのかも知れませんね。

    オータムの公開練習動画を見て、もう、羽生選手で頭がいっぱいです。練習でさえ場を制していて、期待感しかありません。
    でも、前コメで junさんが仰ったように、点数や順位より、プログラムを楽しんでくれたら充分です。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      ヴィンスもナムも、北米が誇る若手ホープですが、それぞれ理由は多少違いますがシニアで苦労していますね。身体とメンタルとが両方高いレベルでコンディションが揃わないと、実力を出し切るのが大変なスポーツなんだなと、改めて感じます。

      いよいよSPですね。起きていられる自信はありませんが、そんなことよりも、よい演技をしてくれることを期待しています。