JGPオーストリア(男子SP)感想

JGPオーストリア(男子SP)感想

木曜深夜、高志郎君の演技はLIVEで見られたものの、その後ライストが完全に固まってしまって、視聴を断念してそのまま眠りにつきました。朝、目が覚めると、私が熟睡している間にトロントメディアデーが開催されていたというニュースを知り、ビックリでしたね。私の予想より4~5日早かったです

おそらく、メディアデー関連はこの数日中にしっかりとした取材レポがネットに上がると思うので、いったん寝かせておいて、現在開催中のJGPオーストリア大会のレビューに集中するとします。リザルト関係は「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。今日は男子SPの上位3人です。

高志郎君は、結論から言うと、素晴らしい演技でした。テッドさんも、”Wow! I love the intensity of this young man’s skating.”と、開口一番から賞賛の声。“intensity”とは、「激しさ」とか「強度」という意味ですが、サッカーで相手チームのボールホルダーをガツガツ削りにいくプレーを、「インテンシティ溢れるプレー」などとよく言います。ハリルさんが日本代表監督の頃に流行語になっていた「デュエル」というのも、似た意味です。

高志郎君のスケートに話を戻すと、SPはランビ先生振付で、ベンジャミン・クレメンティンが歌う「アディオス」という曲。ベンジャミンといえば、ネイサンが「ネメシス」をSPに採用(シェイ振付)したことで、みなさんご記憶だと思います。

ヴォーカル自体は相変わらずあの暑苦しくうるさい感じですが、さすがFaOIで振付師としての才能も見せつけていたランビさん作だけに、つなぎは濃いし、振付も面白いですよね。ワインレッドの衣装もかっこいいし、コンセプト全体がジュニアのレベルを超えているクールさだと思います。

ジャンプは、3Lz+3Tのセカンドの着氷がやや危なかったですが、回転は大丈夫でしたし、ミスらしいものは3Fのアテンションのみに留めました。3Aも良かったです。フィニッシュの決めポーズと、キスクラでのガッツポーズも含めて、自信に溢れ、精神面でもタフさが出てきたよなぁ・・・と感じます。やはり、日本での合宿の受け答えが演技にそのまま表れていますよ。フリーもぜひ頑張って、台乗り目指してもらいたいです。

2位のプルキネン。昨年の名古屋のファイナルで2位に入った実力者です。彼のスケートはよく覚えていて、去年やたら流行っていたColdplayの「Fix You」を実にうまく演じていました。

いまのアメリカの若手って、ネイサンとかヴィンセントとか、4回転をドンパチ跳びまくる芸風のスケーターが目立つ中、プルキネン君は、上半身の柔らかい所作とどこか怪しい「気」を発するような演技で、個性をギラリと光らせています。昨年見た時は、良くも悪くも「ナヨってる」感はあったんですけど、少し身体が大きくなったのか、このSPの序盤では力強さも感じました。

冒頭の3Lz+3Tで転倒はあったけど、ジャンプ自体の高さはあるし、着氷姿勢もキレイ。スピンもステップもしっかりレベルを取れているし、「この強豪に、わずか1.37点差の位置につけている高志郎君って、実はすごくね?」と感じます。後述する、1位のコンラッド君からもそれほど離されていないので、メダルの色がどうなるかは、完全にフリー勝負になりますね。

SP1位はコンラッド君。今季からクリケットに加入した選手です。青シャツが左側だけズボンから飛び出とるで!と注意したくなるような、不思議な衣装です。彼のような超絶イケメンじゃなきゃ、なかなか着こなせないデザインですね(汗)。

以前レビューした「ミント・サマースケート」ではコンディションはまだまだという感じでしたが、この試合は元気いっぱいで、スケートもよく伸びるし、手足の長い彼がこれだけ全身を使って大きく動くと、迫力ありますね。パワーを持て余している感じが、昨シーズンのクラスノジョンを想起しますが、高いPCSももらっているし、これでいいんだと思います。

ただ、フリーはジャンプの本数が増えますし、身体をコントロールしきれるかどうかはチェックポイントだと思います。その点では高志郎君も不安ではありますね。安定感ではプルキネンが一枚上という感じですか。・・・まぁ、やってみなきゃわからないですね。楽しみです。

いま、ペアをチラっとライストで見ていますが、今日はストレスなく見られているので、ぜひこのまま安定したストリーミングで、女子SPもお願いしますよ!

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. みつばち より:

    更新ありがとうございます。

    高志郎君りりしくなって将来が楽しみですね。ランビ先生は日本人をよく理解してるし、なによりも無理して高難度に挑ませない、じっくり育てる方針なのがラトデニ君を見てるとわかります。
    高志郎君を迎える竹内洋輔さんもうれしそう。羽生さんが2012年の世界選手権で3位になったとき思い出しました。

    • Jun より:

      みつばちさま

      すでにフリーもチェックされていると思いますが、演技の力強さもそうですが、あの合宿での受け答えを思えば「必然」なんですけど、表情が別人ですよね。しかも、感情表現が豊かになって、演技後やキスクラでのガッツポーズもそうですけど、闘志も表に出すようになった。個人的に、フィギュアスケーターにとって、これは必要な要素だと思っていました。

      表彰式でプルキネンとフレンドリーに話していた様子も含めて、さすがランビ先生&デニスとスイスで共同生活しているだけあって、言葉が大丈夫ってだけでなく、もはや完全に国際人という装いです。あの感じだと、羽生君より英語は上手いかもしれません。

      今季はクワドはいらないと思います。ランビさんは、デニスをそうやって育ててきて、着実に彼も力をつけていますしね。プログラムや衣装のセンスの良さも含めて、今後の彼の活躍を想像するだけでワクワクします。

      毎週試合がありますから、今回はきっと小林部長はお休みで、竹内さんが付き添いなのでしょう。これだけの活躍をしてくれたんだから、ホクホク顔なのもわかります。

  2. ととちゃん より:

    昨日からニジンスキーが頭の中で鳴り響き、
    今ようやく、他の曲を受け入れられるように
    なりました(笑)。

    高志郎くん、本当に成長しましたね。高い身長、長い手足を持て余すことなく、魅せていて、心身共に着実に伸びている印象を受けました。フリーの結果も知り、さもありなんと
    思っています。

    この結果を受けて、新たに試合をもらえるんでしょうか?大いに期待します。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      私も地上波捕獲作業で、トロントの状況はある程度把握しています。・・・ですが、JGPは試合が進行中なので、ブロガーとしてはそちらを優先したいと思っています。

      とはいえ、このオーストリア大会は見どころたっぷりで、特に高志郎君の活躍には目を見張ります。単に順位が良かったというだけでなく、彼の振る舞いであったり、プログラムも、衣装もなにもかもがかっこいい!唯一の不満は、ランビさんが同行していないことぐらいですが、まぁ、多忙な先生ですから、そんなわがままを言ってはいけないですよね。

      出場枠については、残りは(たぶん)6戦目と7戦目の1枠ずつしか空いてないと思います。高志郎君は当然どちらかをもらえると思いますが、問題は残り1枠ですね。佐藤駿君か壷井達也君、どちらかが出場できないかもしれません。

  3. みつばち より:

    何度もすいません
    ハニューピー申し込みたいのですが、いま鯖落ちしてます・・・・

  4. Jun より:

    みつばちさま

    ファブリーズの限定品販売(初回)のとき、ロハコのサイトに障害が発生していましたが、2度目はすんなりだったことを思い出しました。羽生君関係は、どこも必ず運営責任者の予想の斜め上をいく「アクセス」があるんでしょうね。

    申し込み手続きを無事に完了されたことをお祈りしております。