Minto Summer Skateのレビューをもう一回やります。今日はクリケット組のお二人を。
まずは西山真瑚君のSPの方を。ジャンプはシングルに抜けていたので、スコアが入らないのはしょうがないとして、初めて彼の演技を見たんですが、身体つきはゴツいのに、所作が滑らかで、「へぇ?こういうスケートをするんだ!」とビックリでした。スピンはすべてレベル4を取れていて、一見すると地味な所をクリケットはしっかり鍛えているのだなと。こういう男子選手は日本にはいないので頑張ってもらいたいです。
フリーの曲の方が彼には合っている印象です。スケールが大きくて、「溜めるなぁ・・・」と感じさせる動き。ただ、要所要所で俊敏性が欲しい部分もあって、メリハリというか切り替えができると、個性的なスケーターになるポテンシャルを秘めていると思います。
しかし、ジャンプがもったいない・・・。冒頭の3F+3Tはキレイだったので、できると思うんだけどなぁ。でも、もしこの動きをしながらジャンプをビシバシ降りていたら、JGPで表彰台に乗れる実力者になるはず。ブライアン&ブリアン、ちょっと頼みますよ!
上に貼った写真は昨年9月のLife(Vol.11)なんですが、コンラッド君は今季からクリケットに加入しました。ちなみに、この大会にはジュニアで出場して、1位ゴゴレフ君、2位コンラッド君という結果になっています。
SPの動画が見つからないのでフリーのみを。ロミジュリですけど、まぁ、やっぱりジャンプを降りると点が入りますよね。私の個人的な好みで言えば、ジャンプ以外の部分なら、西山君の方がいいんじゃない?と思うんですが、やっぱりジャンプを跳んでナンボなのがいまのフィギュアスケートです。
身長は181cmということで、フェンスギリギリの所でジャンプを降りているシーンもありました。ジャンプでもスケートでも、身体をコントロールするのが大変そうです。
そうそう、以前レビューした「クワドラプル(2018)」から西山君のインタをご紹介しましたが、せっかくなので再掲しようと思います。
――今季(17-18)からカナダのクリケットクラブに拠点を移されたそうですね。
「はい、今年(17年)の1月から行っています。向こうでは知り合いの方のお宅にホームステイさせてもらっています。英語は練習では困らないようにはなってきました」
――行こうと思った理由は?
「一番大きいキッカケは、羽生結弦選手やハビエル・フェルナンデス選手みたいに上手になりたいと思ったことです。あとは、向こうの練習の仕方やスタイルを学びたいと思って。ちょうど今年から高校生なので、そういう環境でできる学校に移って、本格的に向こうで練習できるようにしました」
――羽生選手と一緒に練習することもあるんですか?
「はい。同じセッションの時間に練習させていただいています。フェルナンデス選手や韓国の(チャ・)ジュンファン君たちと一緒に練習させていただいているので、すごく刺激になっています」
――羽生選手からアドバイスされたりすることも?
「試合前の気持ちのコントロールの仕方とか、いろいろアドバイスをもらっています」
――心に残っていることは?
「いっぱい良いことを言ってもらっているので、ひとつに絞れないんですけど……でも、『スケーティングが上手』っていつも褒めてくださるので、それはすごく嬉しいです。ただ、『ジャンプがね……』って(苦笑)。そこが僕の課題なので(苦笑)。『ちょっとこうしたらいいんじゃない?』とか、ジャンプのアドバイスももらったりするのですごくありがたいです」
――スケーティングも、より一層美しく、力強くなりましたね。
「自分ではわからないですけど(笑)、毎日、トレーシー(・ウィルソン)先生のストローキングのレッスンもあるので、気がつかないうちに上手になっているのかなと思います」
このインタの内容は忘れていたんですが、上の映像を見てから、本書を開いてみたら、やっぱりなぁ・・・(笑)と。スケートもいいけど、スピンもいいです。まだ16歳ですし、男子はそんなに焦る必要はないですから、じっくりジュニアで鍛えて、ジャンプをモノにしてもらいたい。応援していますよ!
では、また明日!
Jun