「フィギュアスケートLife Vol.24」(1)

「フィギュアスケートLife Vol.24」(1)

2021年5月31日発売。定価「2,145円」。予告通り、阿部奈々美先生のインタから、いくつかピックアップしてご紹介します。

インタの内容としては、「国別での『花は咲く』の印象」「『花は咲く』の振付の制作過程」「羽生さんの成長」と、この3つが中心になっています。前の2つについては、もしご興味があれば、書店でチェックしてみてください。3点目だけご紹介したいと思います。

・・・小さい頃からとにかく精一杯その音をとらえ、身体で表現しようとすることには、すごく長けていたと思います。滑り自体とっても上手な子でしたし、男の子にはなかなかいない腕の動きの美しさや、フリーレッグもきれいに動かすことができる子でした。あと新しくチャレンジするジャンルの曲でも「無理」とは言わず、積極的にやろうとする意欲がありましたね。

特にここ何年かは『本当にすごいなあ』と感じるようになりました。今は男女ともに4回転ジャンプを跳ぶ選手が増えて一気に技術が上がりましたが、その中で音楽の細かい部分のとらえ方が『やっぱりこの人は違うな』と思います。彼は自分が感じた音を体現することに長けています。

・・・例えば演技中に転倒してしまうと、次のスピンに入る音が少しずれてしまう場合があります。そうすると彼の場合は自然と腕の動かし方を変えて、その場面の音楽を表現していました。そういった身体の中から演奏して表現する部分が、さらに成長したと思いますね。

「音楽を身体で表現することに長けている」というお話は、都築先生も以前コメントされていた記憶があります。今回、「おっ!」と思ったのは、「新しくチャレンジするジャンルの曲に対する積極性」という部分ですね。奈々美先生が振付したプロは、たしかに競技プロはクラシック系が多いんですけど、EXには海外のロック(「Vertigo」「Somebody to Love」など)も意欲的に採用していました。

ジェフも「Quadruple」のインタで、LMEYを選ぶにあたって、羽生さんのVertigoの影響を語っていますが、奈々美先生に「鍛えられた」ことが、確実に羽生さんの財産になっていますね。トロント移籍後はロック系を競技プロに選んで、ソチはパリ散で勝ったようなものですから。

演技(国別の「花は咲く」)直後は時間がなくて、本人に「よかったよ」としか伝えられませんでしたが、フィギュアスケートってスポーツであるけれども、すごく芸術性の高い競技でもあります。あの時の彼の演技は、競技を超えた表現だったと思うので、そういう自分が持っている「感情を滑りに込める」という部分をこれからの若い子たちに伝えていってほしいと思います。

技術面で学べる教材などはたくさんありますが、表現するということは本人の中から出てくるもので、感情の解釈を教えるのは難しい。本人が「僕はこんな風にやっているから、君もこういう風にやってみたら?」とアドバイスすることが、若い選手たちに一番響くと思うんです。本当に憧れている人から言われる一言って大きくて、たぶん言われた子は一生忘れない。

あれだけの演技ができる人だから、いつかそういう伝える側になって、目をキラキラさせている若い子たちに何かを伝えていってくれたら、すごくいいことなのではないかと思います。もし本人に伝えられるとしたら、そういうことを伝えたいですね。

この発言は、奈々美先生が、指導者として日々悩んでいらっしゃることが浮き彫りになっているような気がしてなりません。もちろん、あくまでも私の印象です。フィギュアスケーターの道を志す日本の若い子は女子が大半で、当然ながら無双状態のロシアの選手を、憧れの目で見ているはずなんです。そうなると、「ジャンプを跳べてナンボ」ということになる。現場では、表現の大切さがなかなか伝わらないのかもしれません。それこそ、羽生さんのようなレジェンドが語ってくれなければ・・・。

しかし、「ジャンプ偏重」とはいっても、肝心のジャンプの判定がアレですからね・・・。この問題を考え出すと暗い気持ちになりますが、頑張っている子たちは応援したいと思っています。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. Sennin より:

    Lifeは売り切れたのか?書店では置かれてなくてTLでも流れて来ないので奈々美先生のコメントは印象深いものはなかったのかな?と思ってました。奈々美先生は結弦くんの事を彼と言ってるんですね?なんかよそよそしい気分がします。田中総司先生はゆづると言ってるのにね?
    奈々美先生の仰る通りですよね?細かい音の捉え方などは普通じゃないですもんね?
    ただ、表現の部分は後輩に教えるのは難しいと思います、理屈じゃなくてその子のセンスと感性が大きく作用するものですから。SOIで幕に引く時に最後まで腕をリンクの方に残してとアドバイスしてましたがみんな綺麗にやってましたよね?こういうことは教えられるでしょうけどやはり本人次第ではないでしょうか?
    ところで、私偶然今日結弦くんの世界ジュニアの試合がYouTubeのオススメできまして全部観ました。残ってるんですね?結弦くんが1番歳下みたいでしたが見事優勝して奈々美先生と抱き合ってるのが懐かしかったです。改めてみるとあのフリーは曲自体難しいのによく滑り込んだなあと思いました。結弦くんだからできたんだな〜と、杉田先生が全体に流れがあるとベタ褒めでしてこの頃からトータルパッケージの演技をしていたことにびっくりした私でした。

    • Jun より:

      Senninさま

      SOIでの「腕はそのまま」というアドバイスは、私も印象に残っています。さすがだな・・・と思いました。

      世界ジュニアの演技は、あまりはっきりとした記憶が無いので、ぜひチェックします。ありがとうございます。

      それにしても、棋聖戦のアベマの中継の気合いの入り方が凄くないですか?(笑)ホテル三日月に、プロ棋士を何人送りこんでいるのか!と。プレミアム会員で良かった!と、将棋ファンがみんな喜んでますね。

      藤井棋聖がこのまま勝つと思いますが、棋聖戦だけでなく王位戦もこのテンションの放送だとしたら、6月・7月のタイトル戦は毎週お祭りですよ。