「Quadruple Axel 2021 シーズンクライマックス」(5)

「Quadruple Axel 2021 シーズンクライマックス」(5)

まだまだ「Quadruple」のレビューは続きます。今日はジェフですが、「Number」と「ジュエルズ」で彼のインタは読めるので、「これ以上、新しいネタって出てくる?」と心配だったんですが、先行組の両誌をはるかに上回る質・量を誇っていて、素晴らしかったです。クワドラプルのための独占インタのようで、だからこれだけの内容に仕上がったんだなと思います。ゆづファンのみならず、ジェフのファンも必読ですね。

今回もピンポイントで、「私の知らなかった情報」のみピックアップします。

――動画をやりとりしながら振り付けたとのことですが、実際に苦労されたことは?

・・・大変だったのは、振り付けの最中に、こちらのアイスリンクがどんどん閉鎖されてしまったことです。使っていたリンクが閉鎖になって別のリンクを見つけたら、そこも数日後には閉まってしまうという状況でした。その後、2ヶ月間のロックダウンになり、すべてのアリーナが閉鎖されてしまったため、そのあとは、ユヅが送ってくれたビデオを見て、「ジャンプの向きを変えてみようか」といった意見を交換し合う段階に入った、という流れです。でも、このようなやり方が今後も続くことは、できれば想像したくないですね(苦笑)。

このインタは今年の1月21日に行われたとありますが、「トロントはロックダウン中で、食料品の買い出しや医療目的での外出はできるが、それ以外はステイホーム推奨」とのこと。フィギュアスケートに限らず、「アスリートで練習を許されているのは東京五輪と北京五輪を見据えたアスリートたちで、数としては少数」のようです。クリケットで活動しているのは「12~13人程度」で、ジェフがクリケットに行くのも「週の6~7時間程度」という状況。

日本からすると、カナダやアメリカなどの北米のスケートリンクの多さは羨ましい限りですが、現在カナダにおいてはそもそも練習できる人がトップアスリートに制限されている、というのはビックリです。日本のような「お願いベース」のユルユルのコロナ対策が「成立」しているというのは、世界的に見てもごくごく少数というのがよく分かります。

羽生さんの全日本での会見や今回のインタを読んでいると、「シェイとはかなり振付を共同で作りこめたけど・・・」という心中が窺えるのですが、シェイってたしかアメリカに住んでいるはずで、トロントとは状況は違うかもしれませんね。

――音楽とぴったり合った動きという点では、トリプルアクセルに入る前後のパートなどで、音と動きが見事に一体になっていました。

あのような“キメ”のある曲を選びたかった、という狙いはありました。以前、彼がショーでロックナンバーを滑っているのを見たのですが、そのパフォーマンスを見たときに、彼が観客を巻き込んで盛り上げる姿に圧倒されました。たしかU2の『Vertigo』だったと思います。・・・今回の曲の「ジャーン」という音ハメの部分は、かなりインパクトのあるコード(和音)が使われているので、それぞれのコードに合わせて決めポーズを入れて、プログラムのハイライトシーンになるようにしました。

「Vertigo」の話は初出だと思います。伊藤さんのインタでは、衣装は「ハロアイ」の方向性で進めていったとありますが、振付には「Vertigo」が影響を与えているというのは興味深い。

――彼と一緒に取り組むことで、振付師としてレベルアップしていくということも?

それは間違いありません。・・・ユヅの場合、スケーターとしてのレベルが私よりも上なので、私のスキル以上のことができてしまうんです。・・・彼と出会ったことで、振り付けに対する取り組み方がまったく変わりました。自分が「できる」ことを振り付けるのではなく、自分が「見たい」と思う振り付けをしよう、と。そんなことができてしまうスケーターと出会えたのは、人生に一度あるかないかの幸運だったと感じています。こうして彼が私を成長させてくれたことを、私が別のスケーターに応用することで、そのスケーターの成長にもつながっていくのです。ユヅとの出会いが、地平線を広げてくれました。

これは、伊藤さんがおっしゃっていた「こんなものも似合いそう、こういうものも着てもらいたい、というアイデアがあふれてきてしまう」という発言に通じるものを感じますよね。アーティスト魂に火をつけてくれるのが羽生結弦なのだ、と。

これまでの、ジェフやシェイや、あるいは先輩スケーターたちが「ユヅのここが凄い!」と絶賛する発言は数多く目にしてきましたけど、「自分自身を駆り立ててくれる」と羽生さんに近しい関係者がはっきりコメントしているのは、あまり見た記憶がありません。今回のインタは、どれもスペシャルな内容に仕上がっていると感じます。

――貴重なお話をありがとうございました。最後に、羽生選手へのエールの言葉をお願いします。

ユヅ、この1年で、君が成し遂げたことを、非常に誇りに感じています。この厳しい状況のなかで、集中やモチベーションを絶やさずに挑み続けてきたことを。けれど、君はどんなときでもひとりじゃない。リンクに上がるときはひとりでも、君のスケーティングの一部であるファンの方々、振付師やコーチ、我々みんなのスピリッツは、いつも寄り添っているからね。そしてもうすぐ、またみんなで会えるから。

彼らしい温かい言葉で嬉しくなります。ブライアンとジスランはストックホルムで羽生さんと合流できるのでしょうか?おそらく、日本からは全日本でサポートしてくれたお二人が帯同すると予想しますが、現地で「チーム羽生」のリユニオンが見られることを願っています。

では、また明日!

Jun

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