リザルトは「こちら」。大会が始まる前から、個人的にはこの種目での日本女子のメダルはかなり厳しいと思っていました。しかし、ワリエワのドーピング問題が浮上して、同じチームのシェルバコワやトゥルソワも怪しいんじゃないの?という噂も持ち上がったりして、日本女子の演技にも注目が集まっているようです。
ドーピングの件は、最終判断まではまだ相当時間がかかるはずなので、ロシア側の判断としては「とりあえず出れるなら出ておいて、もらえるもんはもらっとけ」ということなのでしょう。出場の判断について、ワリエワ本人もエテリコーチも上に従っているだけ、という感じはします。両人ともに明確なコメントを発していないし、SP後の会見も欠席していますからね。
ところで、「五輪で、日本人のメダルが関係したドーピング」と言えば、やはりハンマー投げの室伏広治さんが思い浮かびます。いろいろ検索してみると、銀メダルが金メダルに変わったのは、2004年のアテネ五輪でした。「当時の記事」も残っています。同年8月22日に決勝と表彰式が行われたものの、1位のポーランドのアヌシュ選手が再検査を拒否したため、同月29日に同選手のメダル剥奪と、室伏選手の繰り上げ金メダルが発表されています。そもそも、この「再検査」というのは、金メダルを剥奪されたアヌシュ選手と同じチームでトレーニングをしていた円盤投げの選手が尿検体の提出を拒否したことから、アヌシュ選手にも要請されたのでした。上記の記事の中で、室伏さんの当時の会見の様子が詳しく記述されているので、ご紹介します。
室伏選手は会見で、メダルの裏に刻印された古代ギリシャの詩人ピンダロスの詩の訳を自筆し、記者に配った。「真実の母オリンピアよ あなたの子供達が競技で勝利を勝ちえた時 永遠の栄誉(黄金)をあたえよ それを証明できるのは真実の母オリンピア」。
「メダルの色はいろいろあるが、大事なのはそこに向かって努力すること。自分も金メダルを望んでいたが、それより重要なものはたくさんある。『真実』という言葉が印象に残ったので、みなさんにも見てもらいたかった。(この詩で)スポーツを別の角度から見ることができると思う」。
決勝でアヌシュ選手に敗れた際も、満足げな様子で胸を張った室伏選手。悲しい勝利の会見だった。
ちなみに、この話には「続き」があって、繰り上げで銀メダルを獲得した選手も8年後にこのメダルを剥奪されています。だから、今回のロシアにおける問題も全容解明までは相当な時間がかかるような気がします。
さて、女子SPの放送は、河辺さんの第1グループと、後半の2つのグループのみ視聴しました。河辺さんは、6連を見た限りでは調子が悪そうでしたが、3AはURと転倒ということで、けっこう惜しかった印象です。フリーに残れましたので、しっかり頑張ってもらいたいです。
樋口さんの3Aはほぼ完璧に近いと思いましたので、刺されることなく、加点+1.71の評価は良かったと思います。コンビネーションジャンプのセカンドの「グリ降り」は、ずっと彼女につきまとっている問題で、ある程度本人も覚悟していたミスだったのではないかと。この感じなら、フリーの3Aも決めてくれると思いますが、それ以外のミスをどれだけ防げるかが重要ですね。
坂本さんは、本来の力をしっかり出してくれた印象です。特別良い演技とも思わなかったので、トゥルソワ(74.60)よりちょい上の76点前後を予想していたところ、高く評価されました。北米のOBOGが彼女を絶賛しているのは、対ロシア感情込みのような気もしますけど、坂本さんはそーいうものは一切気にせずに、フリーもいつも通り伸び伸びとやってもらいたいです。
ドーピングとかロシアという点を脇に置いて、一番印象的だったのは、シェルバコワだったかなと思います。ジャンプを危なげなく決めつつ、せわしない動きで中断されるような所も少なく見えたのは、シャープに身体が動けているのではないかと。
まぁ、坂本さんか樋口さん、どちらかにメダルを獲ってほしい気持ちはありますが、後でケチのつくような不可解なage/sageだけは勘弁してもらいたいです。すべての選手が命がけでこの試合のために頑張ってきたので、フェアに採点してくださいね。頼みますよ。
では、また明日!
Jun