何の前触れもなく突然公開された「インタ」ですが、非常に興味深い内容でした。
まず、「紀平さんに北京五輪を比較的早期に断念させた背景」を語ってくれていますが、ブライアンとトレーシーが穏やかに紀平さんを諭したであろう様子が目に浮かぶような内容です。
そして、「女子のシニア昇格の最低年齢引き上げ(15歳→17歳)に賛成」という発言には、やっぱりなぁ・・・とニヤリとさせられました。
「私はその変化は100%サポートします。難しいジャンプをやってきた女子に対して、ネガティブなことを言うつもりはありません。でも過去数年の女子競技は、誰がもっともうまくゲームに勝つかという闘いでした。どこにどのようなジャンプを入れて、ポイントを稼いで、4回転をやって。その一方で、美を表現するという女子のフィギュアスケートの本質が失われていった部分もあったと思う」
高難度ジャンプを跳んできた選手たちに配慮しつつも、清々しいぐらい明確に意見を表明しています。これとともに、「次々と入れ替わるティーネイジャーのチャンピオンたちを、一般社会はどのくらいフォローしているのか疑問」というコメントにも、なるほどと唸らされます。
ロシア(というかエテリ)は選手の「使い捨て」という点では一番極端ですが、近年の日本も、スポーツ指導に限らず、一般社会の労働環境においても、弱い立場の個人に散々無理をさせておきながら、何か問題が発生したら「辞めたければご自由に。自己責任ですから」という悪しき思想が蔓延してますからね。
そして、羽生さんについて。
「SPのサルコウの不運な失敗がなければ、ユヅはフリーでももっと力を出せたと思う。全日本選手権で見せたような演技をしていたなら、全く違った結果になっていたはずです。彼が結果にとても失望していたのは知っています」
「どのみち毎年この時期は、ユヅはアイスショーに集中しているので連絡が途切れるのは普通のことです。今後どうするのか、彼が決断するのを今は待っている状態です」
羽生さんのFaOI用のプログラム作りもかなりの所まで進んでいることでしょう。FaOIの後半戦になるとブライアン&デイヴィッドが来日することもありますが、コロナ禍において、アメリカとは違って、カナダは出入国をかなり厳しくしている印象があったので、今年は無理かもしれませんね。
メタルジョギング・チャレンジは55日目。ANGELの『Angel』(1975年10月)です。まったく知らないバンドで、やっぱりという感じで、Amazon MusicにもYouTube Musicにもカタログに無し。そもそも、バンド名が「ANGEL」に、アルバム名が「Angel」って、国内外のあらゆるアーティスト・作品がヒットするので、検索がしづらいんですよね(笑)。というわけで、YouTubeにアップされていたものを視聴しました。
まず1曲目の「Tower」の手数の多いドラムにガツンとやられます。そして哀愁漂うギターが空気を一変させて、これはもの凄い名盤なんじゃないか?昨日のQUEENよりイイんじゃないの?という期待感が高まります。ヴォーカルの線が細く良い意味で特徴の無い所も併せて、ジャンルとしてはプログレッシブロックに近いかなと。
他にも、4曲目の「Broken Dreams」ではBlack Sabbathのようなヘヴィリフに、ヴォーカルもオジー・オズボーン的歌唱で面白い。そして、6曲目の「Sunday Morning」は、どこか宇宙的な雰囲気を漂わせるキーボードが、プログレ魂ここにあり!という感じ。
個々のメンバーの技術と才能は確かなんですが、いかんせん、どの曲もビシっと決まらないんですよ。何というか、「このキレのある醤油味のスープに、分厚いチャーシューも美味いのに、どうしてこの細麺をこんなにユルユルに茹でるの?」というもどかしさというか、適切なアドバイスをできる関係者がいなかったのかな・・・と色々と残念です。そこがメジャーになりきれずに、メタルの歴史にひっそりと埋もれてしまった要因かもしれません。もったいない!
では、また明日!
Jun