音楽雑談(Dream Theater)

音楽雑談(Dream Theater)

メタルジョギング・チャレンジは163日目。DREAM THEATERの『Images & Words』(1992年7月)です。私の音楽観を一変させた作品です。本作を初めて聴いたのは、発売から数年後で、私が高校2年の時だったと思います。本作と出会っていなければ、私の人生は間違いなく今とは違った方向に進んでいたでしょうね。それぐらい、音楽鑑賞に対する「基準」を作ってくれたし、あらゆる価値観を覆してくれたし、このバンドの存在なくして、いまの人生は考えられません。「無人島に1枚」とか「棺桶に1枚」と問われたら、即答で本作を選びます。

そもそも、ヘヴィメタル・ハードロックを本格的に聴き始めたのは高校1年の終わりぐらいで、その頃から「BURRN!」という雑誌を買いながら、いわゆる「名盤」と呼ばれるものを少しずつ聴き始めていました。その中でも、「このバンドは凄い!」という筆頭格に挙げられていたのが、Dream Theaterでした、曰く、メンバー5人全員の演奏技術が驚異的に高い。曰く、ヘヴィメタルにプログレッシブ・ロックを融合させた。曰く、ヴォーカリストのハイトーンが凄い。そして、なんかバンド名も凄い(笑)。まぁ、正直、これだけの情報では何がどう凄いのか分からないので、本作を入手した所、ぶったまげたわけです。

まず、ヴォーカルのジェイムズ・ラブリエの歌がめちゃくちゃ上手い。単に高音を張り上げるだけで薄っぺらいのではなく、若干ハスキーながらも、低音・中音に厚みがあって、余裕がある。いわゆる「メタル仕様」な特殊な発声をしなくても、ナチュラルに歌が上手いんですよね。このバンドの1作目は別の人がヴォーカルを担当していて、1枚のみで脱退。本作は2枚目のアルバムなんですが、ほぼ無名の存在の彼をオーディションで発掘して、彼を起用したわけですけど、よくぞこんな凄い人を見つけたもんだと、いまでもビックリします。

それでいて、演奏陣も凄い。ギター・ベース・ドラムの三人がバークリー音楽院出身で、あの大学はジャズの名手を多く輩出していますが、この3人の緻密な作曲術と演奏技術から、そのような素養も感じさせます。バカテクな3人と良い対比になっているのが、キーボードのケヴィン・ムーアで、彼はその次の作品で脱退するんですが、「技術に偏らない叙情的なフレーズ」で存在感を見せています。後任の人の方が技術的には上なんですけど、ケヴィン時代を懐かしむ人も多いです。

さて、本作をどう楽しむか。バンド公式「YouTube」の方でアルバム丸ごと聴けるので、頭から聴いてほしいですが、バラードの「Another Day」「Surrounded」「Wait For Sleep」でジェイムズの歌唱力を確認してもらった所で、長尺の3曲目「Take The Time」を聴いてもらうといいかなと。「Take The Time」の中盤のインストバトルの部分は明らかに異質で、「人間業じゃない」と世界を驚かせました。

ただ、私も十代の頃から数百回単位で聴いている作品なので、いま聴くと、その「若々しさ」に気恥ずかしさのようなものを感じるのも事実です。本作を例えて言うなら、羽生結弦さんの「ロミジュリ」(特にニース)のようなもので、これをきっかけに世界中で多くの熱狂的なファンを生み出し、バンドもそこから作品を重ねる毎に少しずつ成長し、ファンも耳が肥えていったわけです。

実際、本作から7年後の99年に発表した『Metlopolis Part 2: Scenes From A Memory』は、それこそ「SEIMEI」級の完成度で、私も発売日に入手して、泣きながら聴いてましたから。やってくれた!ついにやってくれた!と感激しましたね。

むしろ、十代の頃にいまいちピンと来なかった5曲目の「Metropolis Part 1」が、40過ぎた今聴いてみると、メロディがそこまでクサすぎず、曲展開から演奏面まであらゆる部分で隙が無くて、この曲が一番凄いんだなーと感じましたね。

天才集団の名を欲しいままにした彼らも、さすがにここ最近のアルバムは、「アルバム全10曲のうち、まぁまぁな曲は3曲ぐらい?」という感じで、傑作連発というわけにはいきません。ジェイムズも90年代のような声は出ませんが、演奏陣はテクニックをしっかり維持していて、音楽活動を続けているということが素晴らしいです。

趣味の押し付けはよくないですが、せっかくウチのブログを読んでくださっているのなら、Dream Theaterの名前だけでも知っていただけると嬉しいです。

では、また明日!

Jun


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