音楽雑談(カバー曲について色々)

音楽雑談(カバー曲について色々)

FaOIのAツアーで、田中刑事君と西川貴教さんとのコラボでTM NETWORKの「Beyond The Time」をやっていましたよね。あの曲は、劇場版ガンダム作品の主題歌として有名ですが、私にとっては、TMの『CAROL』というアルバムに収録されていたことが、意義深いんです。というのも、私が「自分のCD」として初めて親に買ってもらったのがこの『CAROL』で、小5とか小6とかだったと思います。

この作品は、「Beyond The Time」以外にも、「Come On Everybody」「Seven Days War」「Just One Victory」「Still Love Her」などヒットシングルを多数収録しながら、曲の寄せ集め感がまったくなく、トータルコンセプト作品として成立しているのが、信じられません。令和のいま改めて聴いてみても奇跡的な完成度だと思います。私にとっての「初めてのCD」があの作品で本当に誇らしいですよ。

オリジナルの「Beyond The Time」をそれこそガキの頃から死ぬほど聴き込んだ私の感覚だと、西川さんの歌唱はすごく力強くて、しかもオリジナルよりテンポが若干速く、「なるほど・・・こういう感じに仕上がるのか!」と興味深かったです。ただ・・・、オリジナルの宇都宮隆さんのあの独特の湿っぽい歌唱と、ややもするとライブでの危なっかしい音程が色気として変換されることもあって、別物とまでは言わないですけど、オリジナルを支持する声もきっとあるんだろうなと思います。

そして、J-POPだろうがヘヴィメタルだろうが、「カバーはオリジナルに敵わない!」という意見が必ず出てきます。じゃあ、カバーは意味ないのか?というと全くそんなことは無くて、私の場合、「カバーを聴いたからこそ、オリジナルの偉大さが分かった!」というケースがあって、それが何を隠そう、Black SabbathとQueenなんですよ。

例えば、Biohazardというバンドがカバーした「After Forever」。私は、原曲をまったく知らない状態でカバーの方を先に聴きまして、このカバーが収録されている作品は1994年発売なので、イケイケな感じのヴォーカルが時代を感じさせます。引っかかる感じのギターがかっこよくて、へぇ、いい曲だな?と思って、オリジナルもチェックしました。オリジナルは1971年発表なので、いまから53年も前の曲です。

で、オリジナルを聴くと、歌はあのオジー・オズボーンですから印象は異なりますけど、楽曲自体はこのカバーはかなりオリジナルに忠実ということが分かり、ビックリしました。そうなると、トニー・アイオミのギターの才能って凄いし、ギーザ―・バトラーのベースの音がデカくて、オリジナルの方がサウンド自体はぜんぜんヘヴィだわ!と、その後、彼らの作品の沼にハマっていくわけです。

Queenの「One Vision」はライブがあまりに有名なので、オリジナルの方を先に知っていて、その後、私の大好きなDream TheaterのJames LaBrieのカバーを聴いた流れになります。私自身は、「Dream Theaterと出会ってなければ、いまの自分は無い!」ってぐらい彼らのことが大好きだし、音域の広さやテクニック的な部分はジェイムズの方が洗練されているんだと思います。

ただ、これはどうジェイムズを贔屓目に見ても、オリジナルのフレディの方が圧勝です。これは認めないわけにはいかない。時代を超えて世界中で愛されるヴォーカリストの歌唱は、唯一無二の宝物なんだなと改めて痛感します。

最後はオマケです。Metallicaの「Damage, Inc」は彼らの全盛期の名曲ですが、これを、Dream Theaterのギター・ベース・ドラムの3人に、Napalm Deathのバーニーが参加してカバーしたもの。カバーというか、飛び入りライブですね。

オリジナルは速くて激しいスラッシュメタルですが、それをDream Theaterが完璧にカバーして、ヴォーカル部分をバーニーが台無しにする(笑)というもの。熱心なMetallicaファンは激怒するんでしょうけど、これはこれで一発企画としては面白いです。

この種の色物系のカバーというのはたまに出てくることがあって、それこそ、Betraying The Martyrsの「Let It Go」なんて酷いもんです。一時期、松たか子さんのバージョンがあれこれ言われたことがありましたが、世界にはもっとひでぇのがあるんだぞ!文句言うんじゃない!と思うわけです。ちなみに、このデスメタルバージョンのカバー、最初の1分我慢して聴いてみてください。「レリゴー、レリゴぉぉ!」のサビの部分は、楽器陣がクリーンボイスでコーラスしていて、すご~く爽やかです。てか、デス声担当のヴォーカル氏が足を引っ張っとるだけやんけ!って話なんですよ。

というわけで、世界のいろんな仕事を見渡した上で、西川さんの歌う「Beyond The Time」を考えると、オリジナルを大切にしつつ、彼の個性も出ていて、プロの仕事だなぁと感心した次第です。

では、また明日!

Jun


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