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渡辺名人は、やはり藤井竜王の得意戦法の角換わりを拒否して、「雁木(がんぎ)」系の戦型に誘導しました。ここ最近、プロ棋士が角換わり(特に角換わり腰掛け銀)を指す場合、AIを使って前もって研究を深く掘って掘って掘りまくり、AIの推奨手順をどれだけ正確に記憶できるかが、「事前準備の大半を占めている」と言っても過言ではありません。
もちろん、AIの推奨手順のままで詰みまで進むことはありえませんが、とはいえ「ある程度の想定局面」までは覚えている通りに指せば良いので、持ち時間の短縮に繋がります。ただ、名人としては、20歳の天才相手に「記憶力勝負」は分が悪いと見て、変化球的に指されることが多い「雁木」系の戦型を選びました。
この雁木という戦型は、羽生善治九段や、広瀬章人八段も「対藤井戦」で用いた戦型で、それこそ渡辺名人も藤井戦で選んだことがあります。この戦型も藤井竜王は強くて、羽生さんも広瀬さんも渡辺さんもみんな負けてますが、「記憶力勝負に持ち込まれるよりはマシ」という判断だったんだろうと思われます。
実際、すでにお互いにとって「未知の将棋」になっており、慎重に時間を使いながら指しているという印象です。形勢としてはまったくの互角。長考派の藤井竜王も1時間差なら互角の範囲内という所でしょうか。
いつもこのお二人の将棋は、終盤の入口あたりまではほぼ互角なんですが、終盤でいっきに藤井竜王が抜けだして勝ち切るという展開が多いです。渡辺名人の頑張り次第ですね。
お料理・おやつは、静岡の名産品が使われていて、どれも食べてみたいものばかり。藤井竜王のかき揚げはちょっと小さいかな?・・・と観光客目線では言いたくなりますが、対局者視点なら、眠くならずにちょうど良いのかもしれません。
では、また明日!
Jun