藤井王座、本日対局!(王座戦第二局)

藤井王座、本日対局!(王座戦第二局)

ABEMA将棋チャンネルでの放送は「こちら」。両者の対戦成績は、藤井聡太王座から見て「16勝7敗2千日手」です。

第一局は藤井王座が先勝。これは非常に興味深い将棋でした。その将棋は、振り駒で先手が永瀬拓矢九段となり、棋界随一と言われる勉強家の永瀬さんのことなので、「事前にAIで徹底的に深堀りした角換わり腰掛け銀の最新研究をぶつけるだろう」と思っていると、藤井さんは「△3三金型早繰り銀」というややマイナーな戦法で応じ、永瀬さんの猛勉強の成果を対局開始数分で「外す」形になりました。実際、永瀬さんに形勢が傾くことはほとんどなく、藤井さんの快勝となりました。

「△3三金型早繰り銀」は後手番が目指す作戦で、藤井さんが八冠から七冠に後退した今年春の叡王戦五番勝負で伊藤匠さん相手に投入したんですが、その将棋は藤井さんが負けています。つまり、「自分が負けた将棋に改善点を加えて、9月の王座戦まで温存していた」ということなんですね。これまでの藤井さんは、基本的には相手の作戦を受けて立つというスタンスだったんですが、ここに来て「棋風改造」を目指しているのは、将棋ファンとしては嬉しい変化です。

さて、第二局は藤井さんの先手番。前述の「角換わり腰掛け銀」は藤井さんのドル箱戦法なので、彼もそれを目指すというのが自然な考え方ではあります。ただ、永瀬さんも当然対策を準備しているはずで、いくら藤井さんと言えどもその対策の「罠」に飛び込んでいいのか?という見方もあります。でも、藤井さんが前局で「角換わり腰掛け銀」を受けなかったということは、この戦型が「先手有利」と見ているのかもしれない・・・。まずは、「角換わり腰掛け銀」になるかどうか、あるいはどちらかがそれを避けようとするのかが、序盤のポイントだろうと予想しておきます。

ところで、数百万円するマシンでAIを駆使した事前研究によって、プロ将棋の流行戦型の一丁目一番地となったのが「角換わり腰掛け銀」でした。それはもう、藤井聡太さんの八冠制覇の原動力になったからにほかなりません。でも、同じマシンを買って、同じような事前研究をやっても、結局藤井さんとの「才能の差」「年齢の差」を埋めることができない。そこで、「角換わり腰掛け銀を避ける」動きも出てきています。その「避けるトレンド」に、藤井さん自身も参入しつつあるというのが面白い所です。

王座戦は1日制のタイトル戦ですが、夕食休憩もあり、夜8時~9時あたりまで対局が行われます。お時間のある方はぜひアベマの方をチラっとご覧いただければと思います。

では、また明日!

Jun


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