音楽雑談(Frost*)

音楽雑談(Frost*)

ジムで走りながら聴く音楽は、ジョギングと同様に「トレーニング」の一環なので、趣味・マイブームとして現在進行形で聴きまくることはまれなんです。

そんな中、厳密に言うと2024年発売作品なんですが、「2025年はこれがNo.1でいいのでは?」という勢いで聴きまくっているのが、イギリスのFrost*の『Life In The Wires』です。ジャンルとしては「プログレッシヴ・ロック(プログレ)」で、プログレと言えば、1970年代から活躍したPink Floyd、King Crimson、Yes、ELP、Genesisあたりが「レジェンド」とされていて、「曲が長い」「2枚組アルバムを出している」「アルバム一枚の中に一貫したコンセプトがある」「キーボードが重要」「ヴォーカルが無個性」等々、この辺りが一般的なイメージかなと思います。

今回ご紹介するFrost*も上記5点をすべて満たすわけですが、このバンドの良い所はレジェンドたちの名盤や、レジェンドたちのフォロワーと違って、「令和仕様の音圧」で攻めてくる所なんですね。つまり、「ほどよくうるせー音楽」なのに「美しいメロディ・意外性のある曲展開を盛り込んでくる」という難易度の高いハードルをクリアしているのです。

本作はCDでは2枚組で昨年10月18日に発売。私の場合、サブスク(YouTube Music Premium)なので2枚組という概念は無いのですが、トータルで85分もあります。ちなみに彼らのオフィシャルYouTubeチャンネルで本作を全編視聴可能です。

まず何が良いかって、1曲目の「Skywaving」の美しくも不穏なメロディで、初代女神転生(FC版・1987年発売)のアンフィニ宮殿のBGMがパッと頭に浮かびましたね。Frost*のメンバーは全員私よりも年上ですけど、このゲームのことは知らないはずで、まぁ、偶然でしょう。

続く2曲目の「Life in the Wires, Pt. 1」はこのバンドならではの開放感というか爽快感というか、良質なメロディに分厚いコーラスワーク、それでいてソフトすぎずに十分にロックであると。「お!これいいじゃん!」と感じる部分があれば、まず本作の他の曲からも裏切られることはありません。

個人的な推しは4曲目の「The Solid State Orchestra」で、コーラスもそうだし、キーボードが奏でるメロディラインといい、切なさ・物悲しさを凝縮したような一曲。ついつい何度もリピってしまうんです。作詞・作曲ともにJem Godfreyとなっていて、このバンドはギターのJohnがリードヴォーカルの曲もあるんですけど、本作はJem主導で制作されて結果的に大正解の傑作。このおっさん、マジすごいわ!と。

アルバムのクライマックスを飾るのは「Life in the Wires, Pt. 2」なんですが、15分もある長尺曲。ゲームミュージック的な構成力が美しく、本作の山あり谷ありコースを伴走した人への「ご褒美」となる渾身の一曲。

85分ずっと聴くのはもちろん大変ですけど、単に長いだけじゃなく、どの一曲を取り出しても、「ハッ!」とさせるメロディがある。才能とセンスと閃きをとことんまで音として表現した素晴らしい作品なので、ぜひ興味を持たれた方はチェックしてみてください。

では、また明日!

Jun


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