メタル以外で最近よく聴いているのが、イギリスの2人組バンドのRoyal Bloodです。どういう編成で2人かと言うと、1本目のライブ映像からも明らかなんですが、ベース兼ボーカルの人と、キャップにタンクトップのドラム担当の2人のみなんです。私も最初、フロントの人はギターを持っていると勘違いしていたので、いやぁ、これで曲が書けてライブもできるんですね・・・。
で、1本目の動画の「Figure It Out」はガレージロックというかストーナーロックというか、低音を歪ませてシンプルに押しまくる音楽性で、この曲が収録されている彼らのデビュー作の『Royal Blood』(2014年)もそういう作風です。カッコイイんだけど、そこまで目新しさもなく、あるっちゃある音楽なんですね。
彼らはその後、『How Did We Get So Dark?』(2017年)、『TYPHOONS』(2021年)、『BACK TO THE WATER BELOW』(2023年)と計4枚出しているんですが、音楽性をかなり大胆に変化させています。ベースとドラムの2人編成のままで、こんなに音楽性を変えたくなるものなの?と、大いに驚かされました。
個人的に聴く頻度が高いのは3rdの『TYPHOONS』で、2曲目の「Oblivion」は女性コーラスを後ろに従えてやたらポップなんですが、でもビシっとサウンドには芯が通っていて、カッコいい!続く3曲目の「Typhoons」なんて完全にダンスロックですが、これもアリっちゃアリか?という感じで、だんだんクセになってくるんですね。
ただ、この3rdアルバムを聴くだけではこのバンドの面白さを理解しきれなくて、1枚目から順番に聴いていくことで、その音楽性の進化・変化を味わいながら、「なるほど・・・そうきたわけね!」とその意味を感じる楽しさがあります。でもきっと、デビューからの熱心なファンの中には、「こんなのRoyal Bloodじゃない!」と許容できない人もいたはずです。
彼らのデビュー作は2014年ですから、羽生さんで言えば「パリの散歩道」でソチ五輪を勝った年ですよ。彼もそこからいろんなジャンルにチャレンジしてきました。特にプロに転向後は、「阿修羅ちゃん」から「三毒様」から「Megalovania」もあれば、「破滅への使者」から「Danny Boy」へと貪欲に表現の幅を拡げている。「こんなのスケートじゃない!」という拒否反応はあって当然だし、でも、「進化・変化の意味」というものをファンが考える機会を与えてくれるのは、羽生さんもますますアーティスト然としてきたのだなぁ・・・としみじみ感じますね。
では、また明日!
Jun