このシリーズもついに3冊目まで来ました。「メタルの古典100枚」「メタルの基本100枚」の計200枚をクリアして、本日から「21世紀のメタル100枚」に突入します。ちなみにこのシリーズは、「現代のメタル100枚」が最新刊としてこの後に控えています。
もし私がこのまま挫折することなく走り続けられれば、計400枚を年内で聴き終える計算になりますが、まぁ、常識的に考えて、来年1月中に完了できれば・・・と考えております。
メタルジョギング・チャレンジは201日目。SLIPKNOTの『IOWA』(2001年8月)です。本作はバンドの2枚目のアルバム。21世紀のメタルの「幕開け」を飾るに相応しい名盤ですね。
185日目にレビューした「デビュー作」も素晴らしい作品でしたが、まぁ、「9人組の覆面集団」という目新しさと当時トレンドだったラップメタルの追い風があった面も事実でした。ですが、本作は2作目にしてサウンドが過激な方向に完全に振り切っているというか、攻めてるなぁ・・・と発売日に聴いてとにかくビックリしたのも良い思い出です。
1曲目のインスト「(515)」の後、2曲目の「People=Shit」、3曲目の「Disasterpiece」がもう最高です。特にこの2曲では、「ブラストビート」というデスメタルやブラックメタルで多用されるドラムテクニックが盛り込まれているんですが、分かりやすく暴れられる曲なのにこういうアングラな技を盛り込んでもダサく聴こえないのが素晴らしい。2009年のライブ映像では、ジョーイのドラムがキレキレで、この頃がバンドのピークだった気がします。
「People=Shit(人間はクソ)」というのは彼らのデビュー以来のメッセージそのもので、「こんなどうしようもない世界、どいつもこいつもクソ!」と、彼らは「人間の怒り」という感情を代弁してくれてたんですよね。しこたま酒を飲んで大音量でこのアルバムを聴いてストレスを発散するってのは、当時学生だった私も含めて、世界中に山ほどいたと思います。
昨今、巷に溢れる「怒り」なんてしょーもないものばかりじゃないですか?本作は、そーいうちっぽけなものをすべてぶっとばしてくれる表現だなと改めて思います。しかし、本作の出来が素晴らしすぎて、当のこのバンドが本作を超えられない。なかなか難しいものですね・・・。
では、また明日!
Jun