いやぁ、やってくれました。しかも、棋聖戦のベトナム対局（6月5日）の前に叡王防衛＆名人奪取を達成しました。以前からもそうですが、藤井竜王のここぞという一局をモノにする集中力と勝負強さに感服します。
本局に関しては、ほぼ互角の形勢で2日目に入ったものの、個人的には、2日目午前中に竜王が指した58手目の△4七銀が印象的でした。AI推奨の最善手ではなく勝負手気味の一手で、これが「空振る」ことになると、一気に渡辺名人有利になるような危険な手でした。
ただ、そこから名人に大差をつけられることなく、持ち時間も離されることなく、ヒタヒタと「並走」しながら、結果的に名人のミスを誘っての勝利でした。多少不利な将棋でもピタっと並走するスタイルが、ここ最近の藤井竜王の特徴で、例えて言うなら、粘りを信条とするマラソンランナーのような、老獪な戦いもできる棋士に成長しました。派手にドンパチやって圧勝するだけの棋士ではありませんね。
さて、残るタイトルは、永瀬拓矢さんの持つ「王座」のみなんですが、まだトーナメントも途中ですし、本人はまったく意識していませんね。まずは、佐々木大地七段の挑戦を受ける「棋聖」と「王位」の防衛戦が待っています。引き続き、応援したいと思います。
ちなみに、竜王と名人を同時に保有すると、「藤井聡太竜王・名人」というのが正式な呼び方になります。もちろん、「藤井聡太七冠」という呼び方もあるんですが、ウチのブログでは「竜王・名人」で行こうかなと考えています。
では、また明日！
Jun
