ABEMA将棋チャンネルでの放送は「こちら」。両者の対戦成績は、藤井聡太棋王から見て「6勝1敗」です。
挑戦者の増田康宏八段は東京都昭島市出身の27歳。2014年10月に16歳でプロ入り。「東の天才」として将来を嘱望された逸材です。藤井さんが14歳でプロ入りしたのはその2年後の2016年10月で、奨励会の修行時代から「東の増田」「西の藤井」という感じで比較されることも多かった二人です。しかし、今回の棋王戦が増田さんにとってタイトル初挑戦ですから、「思っていたより時間がかかったなぁ・・・」というのが率直に感じる所です。
増田さんと、昨年秋に竜王戦に挑戦した佐々木勇気八段は「共通点」があると個人的には思っていて、ともに16歳でプロ入りした「天才」と騒がれながらも、タイトル挑戦までは時間がかかりました。そもそもプロ棋士になるような子どもは全国各地で「神童」と騒がれて将棋の道を志すわけですけど、いくら「早熟の天才」の二人であっても、才能だけではタイトルには届かないということなんでしょうね。藤井さんの場合、「天賦の才能+質・量ともに高い研究+ストイックな生活」の三拍子揃っているわけですが、特に3つ目の要因が軽視できないのでは?と感じます。
でも、私は増田さんが大好きなんですよ。歯に衣着せぬ発言(「矢倉は終わった」「詰将棋は意味ないです」)や、師匠の森下卓九段の熱血指導に対する「どこか冷めたスタンス」等、お行儀の良いプロ棋士たちの中で、増田さんは独自の存在感を発しています。森下先生って、自分の弟子でもない藤井さんに「高校なんて辞めなさい」と公言していたようなアツい方で、「こりゃ、自分の弟子相手なら日々どんな言葉をかけていたのか?」と恐ろしくなります。
さて、棋王戦と言うと、北陸や北関東での対局が恒例となっているんですが、今年は第一局が高知で行われます。高知で将棋のタイトル戦が開催されるのは21年ぶりとのこと。たしかに、タイトル戦の四国開催自体も、近年では香川と徳島の二県しか思い当りません。そりゃ、久々なわけです。
ちなみに、私の弟がついこの間、高知まで旅行してきた話によると、東京→徳島は夜行バスで行ったものの、徳島→高知の鉄道での移動で本数が少なくて大変だったとのこと。帰りはさすがに高知から飛行機だったようですが。
しかし、藤井さんも多忙です。1日に高知入りして、2日に対局。3日に瀬戸に帰るとして、5・6日に立川(王将戦)ですから、4日には東京に入ってないといけない。くれぐれも体調を崩されないことを祈っています。そうそう、6日の大盤解説会、私の同行者も「キャンセル分の繰り上げ当選」となり、2人で行けることになりました。私もしっかり健康管理に気をつけて、万全の体調で臨みたいと思います。
では、また明日!
Jun