ファイナル(男子Sr.ショート)感想

ファイナル(男子Sr.ショート)感想

リザルトは「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。最後に、シニア男子シングルです。いつものように滑走順での振り返りです。

キーガン。79.56の6位。羽生君の怪我による代打出場。よく出てくれました。冒頭の4T-3Tは、むしろこらえ気味のセカンドの方が危ないかな?という風に見えるわけですが、クワドの方に回転不足。やはりこのファイナルはきっちり取るようになっています。3Aはお手つき&UR。彼が順位を上げてくるパターンというのは、ショートをノーミスで折り返して、フリーで何とかしのぐという展開なんですけど、ショートで伸びないと、なかなか厳しい戦いになります。

それにしても、どう見ても機能性に乏しそうな、フォーマルに限りなく近い衣装を彼は好み、曲調もコミカル風味でどこかオールドスタイルなもので統一感がある。この方向性を彼以上に上手く演じる人はしばらく出てこないような気がします。まさに「鰻屋の鰻」という感じの独自のスケートなので、まだまだ頑張ってほしい選手です。

ジュンファン。89.07の4位。この4Sが回転不足なんですから、激辛ですよね。いま見ても、どうしてこのジャンプが足りないのかまったく理解できません。肉眼じゃ分からない際どいレベルなので、着氷時の足の角度から判断しているのでしょうが、そりゃ、キーガンは取られるわけです。

3Lz-3Loは余裕がありました。これでURだったら、例えば、ザギちゃんのセカンドループは全部アウトにしなきゃいけなくなります。3Aはきっちり決めて、スピン・ステップはすべてレベル4。4SのURがありながら、89点台で踏みとどまれたのは、総合力がついた証ですね。なんだか、180cmになったという情報を目にしましたが、ジャンプは安定しているし、逞しく力強くなった印象です。頼もしい後輩ですね。

ミハル。89.21の3位。いま日本でクイーンが流行していますが、Who Wants to Live Foreverは、「カインド・オブ・マジック」というアルバムの収録曲なので、例えば、ボヘミアン・ラプソディあたりと比べると、バンドのかなり後期の曲なんです。

私自身、若い頃はあまりクイーンは詳しくなかったんですが、かつてドリーム・シアターのJames LaBrieが、(おなじ「カインド・オブ・マジック」の)One Visionをカバーしていて、当時、原曲と比較してみると、あのジェイムズのヴォーカルが「普通に巧い程度」に感じるぐらい、フレディの声質って個性と癖があるんだなぁと再認識しました。アルバムにはけっこう当たり外れがありますが、バンドの功績は認めないわけにはいかないです。

フィギュアスケートに話を戻すと、冒頭の4S-2Tのサルコウがめちゃくちゃ高い。さすがにこれにはURはつかないわけですか・・・。その後の2つのジャンプもきっちり降りて、パーフェクトな演技でした。

今季のミハルに対して、「なんでそんなに活躍してるんだ?」と記者から質問が飛んで、おまえら俺のスケートをちゃんと見てきてないやろ、いつもと一緒だバカヤロー!という気持ちで、実際の口調はマイルドに返答したとか何とか・・・。たしかに、Pさんやハビがいた頃と比べるとトップのレベルが落ちているので「繰り上げ気味」な所はありますが、一つひとつのエレメンツをきっちりこなす彼の演技が、新ルールによって高い評価を得るに至った、という部分はあると思います。

ネイサン。92.99の1位。昨シーズンそんなにジャンプに加点がついていなかった印象なんですが(たとえば、昨シーズンのフリーの3Aには、五輪で+1.00、ワールドで+1.14)、冒頭の3Aに+2.63というのは、どういうことなんでしょうか。助走たっぷりで、特別難しい入りをしているように見えないんですけどね・・・。4Fの+3.77も、昨シーズンと比べて盛りすぎですね。「ジャンプを見ないで、人で出来栄え点を選んでるだろ?」と言わざるをえません。

まぁでも、天下のアイビーリーグに通ってるんだから、毎週千ページ単位の課題図書を読まされているはずで、よくフィギュアスケートをやれてるよ!と思います。普通なら、勉強のストレスでドカ食いしても責められない環境ですから、本当に授業にも出ているとしたら超人ですね。

そんな中、今季フリーは比較的好調なので、ショートでノーミスしたら余裕で逃げ切れるだろうと予想していたので、試合としては面白くなりました。

ヴォロノフ。82.96の5位。昨シーズンはまさに「魂のスケート」でスケオタを沸かせた彼ですが、今年2月に現役続行を表明して、しっかりシーズンを戦って、ファイナルに残るんですから、大したものです。

冒頭の4Tは抜群の高さでしたが、着氷だけが残念でした。その後のジャンプは、3A含めてきっちり降りて、さすが経験豊富なベテランの調整力です。このファイナルの順位自体は残念でしたけど、この後のロシアナショナルからワールドまで、まだまだやってくれそうな期待感があります。ぜひ、さいたまで彼の雄姿を見たいですね!

宇野選手。91.67の2位。今季フリーが安定しているネイサンの上に行くには、ショートをノーミスに近い演技で首位で折り返すのが絶対条件だったんですが、ピリっとしなかったですね。4回転のコンビネーションジャンプにトリプルをつけられない。4回転自体もトウループしかまともに降りられない。これでは厳しいです。大会期間中にいろいろ発言していたようですが、こうも覇気の無い演技が続くと、彼のスケートに対するモチベーションが心配になってきます。

全日本まで一週間を切りましたが、いまの彼が「羽生のいない全日本だから優勝して当たり前」というプレッシャーに勝てるのかどうか・・・。大ちゃんの方ががぜん注目度は高いですし、万が一不覚を取るようなことになれば、「祭り」状態になること必至でしょう。

そもそも会場の雰囲気はどーなるんでしょうね。しょーまファンと大ちゃんファンの仁義なき戦いは、他人事だからこそ、密かに期待している自分がいます(汗)。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. Fakefur より:

    ネイサン。何のでしょう。このワチャゴナ感。
    ひとつのポジションが終わる前に次の動きに入っているのがジュニアっぽいというか。今期はジャンプもコレオもスピンも全体に雑。羽生もハビもいないし、4回転降りときゃ、勝てるでしょみたいな。これでジャンプが美しければ文句言いませんが、助走長いし、寸詰まってるし。JUNさんご指摘のとおり、4Fも3AもGOEインフレです。大会毎の絶対評価なんでしょうか。

    トータルパッケジャーのコリアダ氏はGPS絶不調、ボーヤンも足首の怪我以来ジャンプ不発、(もう昌磨氏は省略 笑)とあって、この内容で楽々GPF優勝できてしまうところに、今のトップ層の薄さを感じます。ネーサン自身も全く満足していないと思いますが。GPF連覇、世界王者なんですよね。

    • Jun より:

      Fakefurさま

      ネイサンのショートは、昨シーズンに続いてシェイの振付で、選曲と振付は興味深いんですが、上半身が窮屈そうな衣装と、オリエンタルでダンサブルな曲調とミスマッチですし、もうちょっと何とかならなかったのかな・・・と。ただ、フリーはさらに印象の薄いプロなので、フリーに比べたらショートはまだマシなんですけども。

      シニアの男子は小粒な選手ばかりなので、いまのネイサンでもトップを張れるわけですが、若手の奮起を期待したいです。

      • Fakefur より:

        部族風ダンスはもはやシェイ=リンのシグニチャーになりつつありますが・・・
        前にJunさんも書かれていた通り、あの単調なリズムを圧と熱で滑りこなす新葉ちゃんの凄さを見直しました。

        いつでも安全安心のキーガン印。
        人を幸せにするスケートには間違いないので、息長く頑張ってほしいです。

        • Jun より:

          Fakefurさま

          おっしゃる通りです。「この曲ダメだろ!」と思っていた、今季のショートを新葉ちゃんはモノにしていましたからね。あの単調なリズムが彼女の演技で、私の中でだんだん癖になってましたから。

          そういえば、新葉ちゃんがロステレを欠場した後、続報が届いていません。全日本欠場のニュースは発表されていないはずですから出場なんでしょうが、大丈夫かな・・・。無理して出る必要はないと思いますが、心配です。

  2. ととちゃん より:

    ジュンファンの4S、速報値ではプラスのGOEついていたのに…と、私も不思議でした。でも、あとは良かったですし、試合毎に良くなっている印象ですね。

    ネイサンは学業との両立は素直に凄いと思いますが、だからと言ってあの3AにあのGOEは解せませんよね。助走の長さを考えたらジュンファンと同じぐらいでいいと思います。

    宇野選手のSPは、FSよりましだと思っていたのですが、改めて見ると やっぱりずっと片手を前に出し続けてつまらないですね。ジャンプ状態も段々悪化しているようで、junさんが仰るように、全日本、どうなるんだろう?と思います。動画がすぐ消されるのは予測出来るので、録画は仕方ないですね。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      このファイナルは、回転不足を厳しめに取っているようでいて、一部の選手に対するGOEやPCSは大盤振る舞い気味だったり、まだまだルールの運用の部分で課題を残す大会でした。

      五輪の翌シーズンで過渡期にあるのは分かるんですが、シニアは、女子に比べると男子は低調な試合が多い印象でした。もし羽生君が引退していたら、シニア男子に限ってはまったく見ていなかった恐れがあります。

      全日本は、友野君を筆頭に、さらに若い世代がどれだけ貪欲にガツガツとしたパフォーマンスを見せてくれるかに注目ですね。採点がグレーになる可能性は高いですが、ぜひ皆の記憶に残るような演技を見せてほしいです。