リザルトは「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。すでに最終順位は確定していますが、女子はハイレベルな戦いだったのでしっかり振り返っておきましょう。
韓国のイム・ウンス。フリーは126.53で、総合196.31で6位。実は、土曜日は帰宅途中の電車内で、ちょうどウンスからライストで見ていました。ジャンプはSP同様にそつなく決めていって、減点も3SのURとルッツコンボのエラーぐらいですが、ちょっとスケーティングのスピードが足りないかな・・・と。採点中の映像で三原さんとの接触のシーンが流れていて、その影響はやっぱりあったのかもしれません。彼女にとっては不運でした。まだ15歳で将来のある選手ですし、すでにジャンプの質は高いので、今後スピンやステップが強化されるとさらにレベルアップすると思います。
紀平さん。フリーは154.72で、総合224.31で優勝。3Aが2本入った時点で、これはすごいスコアが出るぞ!と、電車内で一人興奮していました。昨シーズンまでの彼女は、3Aを決めても、その後で必ずミスが出ていたんですけど、完璧にクリーンな演技を披露しました。
世間では、3Aだけを取り上げて「ザギトワに勝てるかも?」という議論をしがちですが、いやいや、3Aだけでは、PCSの差が大きくてなかなか厳しいはずです。ところが紀平さんは、3A以外のジャンプも、ルッツ・フリップはエラーやアテンションが付くことなく完璧に踏み切れるし、回転不足も少ない選手。それでいて、スピンやステップもレベル4を揃えられるのですから、スケーターとしては(本人はそう思っていないはずですが)すでに完成されていると言いたくなります。
第6戦のフランス大会を展望しましょうか。まず、今回のNHK杯に匹敵する演技をできたとして、完全アウェイのフランスでどのようなスコアが出るのか。そして、メドちゃん、テネル、三原さん、コンスタンチノワというメンバーが出場しますが、この選手たち相手に圧勝するようなことになると、いよいよファイナルでザギちゃんとの一騎打ちですね。・・・とまあ、ついついこういうデカい話をしたくなりますが、私はまず、ケガだけは気をつけて!と言いたいです。彼女のチームはそこが気がかりです。日本の宝を壊すようなことだけはしないでもらいたいです。
三原さん。フリーは133.82で、総合204.20で4位。本来ならば表彰台に乗れるスコアですが、この大会はレベルが高すぎました。このフリーも冒頭の3Lz-3TのセカンドでURがつきました。彼女はもともと無駄な力のかからない、よい意味での「省エネジャンプ」を次々と決めていく選手。フランス大会までにこの課題の修正は容易だと思います。
SP・フリーともにデイヴィッドのプログラムが本当にハマっていて、「リベルタンゴ」に苦戦していた昨シーズンの姿が遠い昔の出来事のようです。喉がカラカラに渇いた時に飲むミネラルウォーターのような、彼女の透明感のあるキャラクターに合った、違和感や異質感のない、純度の高いナチュラルな演技です。彼女は、彼女のやるべき仕事を完璧にこなしていけばよいと思っています。この演技をどの大会でも継続していくことで、PCSも上がっていくことでしょう。彼女には彼女の良さがあるので焦る必要はありません。中野先生もそう励ましているんじゃないかな?と想像しています。
リーザ。フリーは142.85で、総合219.02で3位。ファイナル進出決定です。冒頭の3Aこそ着氷で乱れてオーバーターン気味でしたが、それ以外のジャンプはパーフェクト。キスクラで、リーザもミーシンも納得の表情をしていましたが、このパフォーマンスは見事としか言いようがないです。
たしかに、紀平さんや宮原さんと比べると、つなぎは薄いしスピードも足りないですが、PCSの追い風が無くとも、ジャンプのクオリティだけでここまでのスコアが出せるんです。しかも、不調だった時期を乗り越えた21歳の選手がそんなハイレベルなパフォーマンスを披露できている。ある意味で、紀平さんとはまた違った意味で世界に衝撃を与えていると思いますね。TwitterのTLで見かけましたけど、ファイナル進出者を、ザギ、メド、宮原、坂本、紀平、そして自身を挙げていました。この他にもポイント的には、山下さん、三原さん、テネル、サモドゥロワ、コンスタンチノワにもチャンスはあると思います。
宮原さん。フリーは143.39で、総合219.47で2位。もちろん彼女もファイナル進出決定です。回転不足が2つに、アテンションが2つついて、紀平さんの逆転を許しました。帰宅後に地上波の映像でも確認しましたけど、むしろ冒頭の3Sが低いかな?と思っていたら、こちらにURは無く、他のジャンプで刺さっていました。いやぁ・・・分かりませんね。それぐらいギリギリのところを攻めているんだと思います。
宮原さんの演技自体は素晴らしかったです。ちなみに、スケアメのフリーはフリップのアテンションのみで145.85でしたが、PCSはミスのあった今大会の方が1.04高いです。まぁ、このフリーは紀平さんの日でした。宮原さんは、ジャンプの問題に地道に取り組んでいくことで、まだまだスコアの伸び代はあると思います。
須崎・木原組。フリーは93.76で、総合143.89の8位。フィンランド大会では総合145.65でしたから、ちょっとミスが目立ちました。ペアの日本代表として孤軍奮闘状態ですから、よくやってくれています。特に木原君は満身創痍の身体で戦っていて、昨シーズンのアイスダンスのクリスがかぶって見えます。
明日は男子フリーとアイスダンスの小松原・コレト組を振り返る予定です。
では、また明日!
Jun
コメント
女子FSは最高でしたね!
りかちゃんは成長期がこれからなので長い目で見守りたいです。かおちゃんくらい高さのあるジャンプを跳んでたら心配なさそうだけど微妙なとこじゃないですか。メンタルも強い方じゃないので真凜ちゃんと同じ失敗はしてほしくないです。
ザギーのPCSは高いですが同じように紀平さんもノーミスを繰り返せば自然と上がっていきますよね。ザギーよりスケーティング綺麗だし音感あるしプログラムも良いですから(笑)後はどれだけ安定して3Aを降りられるか。そう簡単なことじゃないですね…。
三原さんは所作がもう少し改善されたら一気にPCS上がりそうな気がするんですけどね。あんな美しいスケーティングを評価しないなんてジャッジの目は節穴かって。持病が悪化すると練習できなくなるのが辛いとこです。みどりさんも言ってたけど違う大会なら台上りしてたのにな。
リーザは21歳にして回転不足なしで3Aを綺麗に跳ぶだけでホントすごいです。繋ぎは薄くても彼女のジャンプは高いGOEを得るだけの説得力がありますよね。向上心のあるスケーターなのでステップやスピンを更に磨いていってほしいです。
さっとんのUR判定は私もそっちか!と思いました(笑)かなりギリギリのとこではありましたね。スケアメよりもジャンプが不安定でした。今大会はそっち取るのにこれ取らないのってのがかなり多かった気がします。昌磨の4Fと4Sとか。あれ取られてたらちょっと違ってたかもしれないと思うとテクニカルは罪だよなあと思いましたね。
ロステレは羽生さん降臨なので楽しみです♪
kanonさま
たしかに、濱田組の先輩スケーターを見ていると、ジャンプが年々低くなっているのは気になっていました。例えば、宮原さん、白岩さん、真凜ちゃんは、みんなジャンプが低くて、回転不足に悩まされていましたね。もしかして、紀平さんも・・・と心配になりますよね。
真凜ちゃんはラファのチームに移籍し、宮原さんと白岩さんは、紀平さんも一緒に、ジスランの特別指導を受けている。濱田先生もジャンプに関しては完全に割り切って、外部の専門家の力を借りるという方針になったようです。これが実を結ぶといいですね。
三原さんは、今回の回転不足と、スピンの若干のミスを修正して、フランス大会でノーミス演技をしたときに、どのような評価を受けるのか。昨シーズンまでは、PCSで言えば、日本のシニアの中では、宮原さんや樋口さんよりも低い評価でした。これで坂本さんや紀平さんよりも低くなってしまうのは、あまりに悲しすぎます。本人はきっと、次戦が正念場と位置づけているはずで、彼女の力ならば210点を超えられると私は信じているので、踏ん張ってもらいたいですよ。
最後まで目が離せない女子フリーでした!
舞依ちゃん、良かったのに!junさんが仰るように、一服の清涼水のような演技でした。
フランスではメドベと紀平さんと一緒なんですね。彼女は彼女の演技を貫いて欲しいです。
トゥクタミシェワの復活は素直に嬉しいですね。貫禄があるけれど、まだ21歳なんですよね。メドベと3つ違い。ロシア女子のいい指標になるのではないでしょうか。
知子ちゃん、少し緊張して見えました。でも相変わらず綺麗な演技。ジャンプの課題にまた正面から取り組んで、GPFでは克服して見せてくれると思っています。
最後に紀平さんは掛け値なしに素晴らしかったです。junさんの予言通りだったなと思い返しました。ロシアではコストルナヤが頑張ったようですし、やはり慧眼ですね。
フランスでも、伸び伸び滑って欲しいものです。
ととちゃん さま
知子ちゃんは、演技自体はずば抜けて素晴らしかったですけど、彼女の場合、ジャンプは「ギリギリの所」を攻めているので、メンタルであれフィジカルであれ、微妙な変化によって回転不足やエッジの問題が発生してしまうのかもしれません。
ただ、彼女のジャンプの改善を「ジャッジが本当に認識しているのか」については、ファイナルでのスコアを見てみないと分からない部分があります。リーザと違って、今季のメドやザギは「危ないジャンプ」が散見されるので、彼女たちのジャンプと、知子ちゃんのジャンプをどう線引するのか・・・。
やはり、ファイナルですよ。デカい試合で強豪が揃った所でどう評価されるのか、今から楽しみです。
こんにちは
マスコミの真央超え羽生超えには辟易しますが、紀平さんには振り回されずマイペースに頑張ってほしいと思います。
SPやインタの目を見て意志の強さを感じます。
4回転を練習する事は良い事ですね。
羽生くんが以前ルッツ(ルッツだったかな?)を練習する事でサルコーが安定して来たって言ってましたよね。
ひとつ上の難しいジャンプを挑戦するとサルコーが安定するって解釈したんですが。
体操をやってたって所がネイサンを思い出したんですが、違う所はジャンプのランディングがネイサンより綺麗って思います。
欠点のない羽生くんのように総合力のある選手に成長しそうで期待大ですね。
あとはメンタル勝負かな?
衣装も妖精みたいで素敵でした!
三原さんも素敵だけど、紀平さんのSPの衣装が1番好きかも。
三原さんの演技junさんの意見に同意です。
やっぱり爽やかでかわいいプログラムが似合います。
宮原さん安定の演技に見えてもやっぱり回転不足取られちゃうんですね。
残念ですね。
跳躍の高さは生まれ持った才能なんですね。
努力の人なのに気の毒です。
正直、スケーターとしてはあまり好みじゃありませんが努力する姿は応援したくなります。
マリィさま
紀平さんは、4回転も相当練習していて、今日のワイドショーでは4Sの話ばかりでしたが、「ファンブック」では4Tの方が「よくなってきた」と発言していました。
紀平さんのフリーの単発の3AにはGOE+3.09がついて、11.09点稼いでいます。3A-3Tの方は+2.63で合計14.83点。ちなみに、トゥルソワのJGPリトアニア大会の4T-3Tには+2.44がついて16.14点を稼いでいますが、4Lzは回転不足(8.02)、4Tは転倒しています(4.75)。紀平さんが2つのジャンプで25.92点、トゥルソワが3つのジャンプで28.91点を獲得していることになります。
来季直接対決があるので、いま机上で計算してもあまり意味はないですが、少なくともトゥルソワはクワドを2本クリーンに成功させないと、紀平さんに3Aを2本降りられると、けっこう厳しい戦いになりそうです。楽しみですね。
個人的に、羽生君が4Aを試合で降りるのと、紀平さんが4Sないし4Tを降りるのとでは、時期的にはけっこういい勝負なのかな?と勝手に想像しています。
NHK杯フリーの視聴率が出ましたね。
女子フリー(夕方)14.2%
男子フリー(ゴールデン)10.6%
NHKが宇野選手のミニ番組で番宣しているのも見かけましたが、
それは別にいいんですが、NHKは何かを間違えたような気がします。
名無しの猫さま
速報をありがとうございました!
NHKは、平昌五輪直前のあのひどいNHKスペシャルでゆづファンから顰蹙を買いましたが、仙台パレードの生中継で株を上げ、しかし、NHK杯ではまた判断を誤り・・・と、まぁ、巨大な組織なので一枚岩ではないはずですが、そろそろ学習してもいい時期ですよね。
女子の試合レベルが高くて興奮しました。いいものをみせていただいたなあと思います。紀平さんついにやりました!3A成功はあんまり見たことないので心配してたのと、3A3Tの3Tの軸が曲がりお手てくるりん着氷になって回転不足が心配でしたがそれもクリアーされてよかったです。紀平さんは昨年あたりから急に体のバランスがよくなって小さいけどスタイルもいいですよね?私は、ジャンプならリーザ推しですけど紀平さんのスピンが好きなんですよねえ〜。どうも濱田組はブリアンにジャンプ指導受けてるようですが、いいことですね。紀平さんは前から結弦君の3Aを映像でみてイメージなど勉強してるといってましたけどフオームがうりふたつに見えます。体幹トレーニングのことだと思いますが、筋トレしてる、体脂肪6%だといってましたのであーオソロシヤー。リーザも知子ちゃんも良かったなあ。知子ちゃんが紀平さんにおめでとうと言える、本当は凄く悔しいと思うけど
あれをみてたらゆづ、ハビのワールドの二人の関係を思い出しました。そう言えば神戸の二人もでしたね!ロシアのどこぞのチームと違って温かい。コーチの導きの違いを感じました。
三人素晴らしかったんですけど、私
舞依ちゃんの演技が好きなんです。こんな女の子って今時いない、もう原石ですね透明感半端ないです。舞依ちゃんのスケートみてると私まで幸せになってしまいます。どうも風邪だか熱だかで4日間練習出来なかったようですが、よく頑張りました。
今日のワイドショーは紀平祭りでしたよ。リーザの3Aを流して比較です。ひるおびでしたけど、リーザのジャンプみて「凄い!」と逆に司会が感動してたのが笑えましたけど。稔さんがコメンテーターでしたけどやっぱり一寸物足りない。マスコミは紀平さんがザキトワを抜いてチャンピオンの構想ですよ。いやいやそんな甘くないし
女子の3A維持するの厳しいし紀平さん追いかけ回されて練習どころではなくなるのでは?結弦君の二の舞にならないことを祈ります。
senninさま
3A-3Tのセカンドは危なかったですが、あれがセーフだったのはラッキーでした。
ただ、我々ゆづファンは目撃していますけど、紀平さんといえば、FaOIのジャンプ合戦でゆづ軍曹から「跳べよ!」と鍛えられていましたよね。それでいて、FSTVでは、ジスランがヘルシンキ・ホプレガの映像をタブレットで見せながら指導していましたが、もはや3Aに関しては、「ゆづの弟子」と言ってもいいのでは?という気がしています。その辺りを、テレビの人間は「大人の事情でスルー」しているので、情けない限りです。
ザギ祭りも分かるんですが、私の想像ですけど、紀平さん的には、昨シーズンのJGPファイナルや、あるいはジュニアワールドで悔しい思いをしているので、それこそトゥルソワ・コストルナヤ・シェルバコワが来季上がってきても「ボコボコにしてやる」と燃えているはず・・・。いや、そうじゃなきゃ北京五輪の金メダルは無理でしょう。体脂肪率6%の件や体重計持ち歩きの件も含めて、フィギュアスケートに人生を捧げている彼女ですから、マスコミがどう騒ごうが、私はあまり心配していませんよ。