リザルトは「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。すでに大会は終了していますが、雑談にお付き合いください。
佐藤君。フリーは117.80、総合得点185.18で10位。冒頭の4Tはパーフェクトすぎて、鳥肌立っちゃいました(GOE+2.85)。3A-2Aも凄い!この2つのジャンプだけを見たら、GPシリーズは2戦アサインされなきゃいけない選手です。・・・ですが、続く3Lz-2Tは流れはありましたが、エラー判定(2本目の単発のルッツもエラーですが、こちらは映像から完全にインで踏み切っているのが分かります)。フライングキャメルがスコア無し。シットスピンもレベル2で、あの「フィガロスピン」で会場を沸かせたパフォーマンスはどうしたのさ?と、ちょっと残念です。
ただ、演技後、本人も悔しさと疲労感で首をかしげていましたし、全日本までにきっちり合わせてほしいです。スピードは出ていたし、コンディション自体は良さそうに見えました。
山本君。フリーは138.42、総合得点213.40で6位。うーん、冒頭の3Aのパンクは何が原因だったんでしょうね・・・。2本目の出来が良かっただけにもったいなかったです。
勇壮な曲調に乗せて、とくに上半身が、ビシッ!ビシッ!とメリハリのついた動きになっており、見ていて気持ちいいですね。スケーティングも滑らかでよく伸びています。出血のアクシデントこそありましたが、減点といえば、冒頭の3Aの抜けと3Lzのエラーのみですから、「完璧な演技まであともう少し!」という所まで来ていると思います。
彼の長期のリハビリを知っているファンは、SP・フリーともにこの現構成に不満を言う人は誰一人としていないはずですから、より完成度を高めて、全日本で元気な姿を見せてほしいです。焦る必要はまったくなし。このフリーを見ていても、ジャンプの高さ・幅、ランディングの美しさも含めて、彼のジャンプの才能が溢れ出ていますから、クワドは来季からで十分に間に合うと思います。
宇野選手。フリーは183.96、総合得点276.43で1位。視聴率的には爆死モノだったそうですが、フィギュアスケート業界の抱える「どす黒い闇」を周知できたという意味で、ゴールデンで生放送だったことは、本当に良かったと思っています。
少し前の話をしますが、日本開催で、宇野選手に露骨な「忖度採点」を与えて優勝させた国際大会といえば、2017年の冬季アジア大会(札幌)で、ボーヤンの優勝をかすめとった件が真っ先に思い出されます(2月22~26日に開催)。当時、橋本会長もご満悦でしたが、まだ「忖度」という言葉が無かった時代ですね。試合としては今大会よりもはるかにハイレベルで、1位~4位が、宇野、ボーヤン、ハンヤン、無良という順位でスコアもかなり競っていました。
詳しいスコアや構成は「こちら」をどうぞ。ボーヤンがSPを0.43点差でリードしていた後の、フリーの演技です。もし、これがこの週末のNHK杯で起こっていたら、大炎上モノでしたね。当時、中国のファンはかなり激怒していましたが、日本のライト層まではさほど知れ渡っていなかったと記憶しています。この試合にはもちろんゆづは出ていませんが、ゆづファン的には、この試合から「ちょっとおかしいぞ?」という疑問を共有するように至ったと思います。
ボーヤンの素晴らしいクワドを見た後(「4回転ジャンプってこういうものを言うんでしょ!」と今さら痛感)、せっかくなので、宇野選手のピアソラを見てみたら、「わりと繋ぎ(らしいものが)あるじゃん!」とビックリ。これは事実として知っておいたほういいですね。だから、いかに「月光」が中身ゼロのスカスカプロなのかよく分かります。ジャンプの質は今も昔も悪いので、それはともかくとしても、この時に出来ていたことが、いま明らかに出来なくなっていますよ。劣化しているから「プロモーションで攻勢をかけて良く見せる」というのは、サッカー日本代表なんかでも、よくある話です。
ヴォロノフ。フリーは162.91、総合得点254.28で2位。こんなダーティな採点がまかり通る試合に来てもらって申し訳ない気持ちですが、でも彼が、現地会場のお客さんのために、全身全霊で最後まで演じきってくれたことに、感謝の言葉以外、見つかりませんね。
3連コンボの部分を含めて、多少乱れた部分はありましたが、大ベテランの魂のこもった演技は、世界中のスケオタにインパクトを残したと思います。若い子がブイブイ言わせているロシアですが、年齢は10個も離れていますけど、女子のリーザ、そして男子のヴォロさんを見ると、あの国のフィギュアスケートの幅広さというか、歴史の深さを感じます。素晴らしかったです。
アイスダンスの小松原・コレト組。RD(リズムダンス)は59.40、FDは94.87、総合得点154.27で8位。どうしてもこの話から始めてしまいますが、カップルを解消したクリスからも、かなちゃんからも続報が無いので、この二人に頑張ってもらうしかないですよね。
まず、RDですが、USクラシックの53.42から上げてきました。8月のアジアンオープンでの61.28には及びませんが、NHK杯に向けて良い準備が出来たんだと思います。冒頭のシークエンシャルツイズルも距離感がグッと縮まった印象です。途中で美里さんがバランスを崩した所(2:10辺り)がもったいなかったですね。
FDは、アジアンオープンの93.47を超える94.87で、PBを更新。途中(2:44辺り)、ティムのチャップリンのようなコミカルな動きが面白いですが、その辺りから、拍手が最後まで凄かったですね。どうもこのFDはティムのキャラが立っているというか、リフトの安心感も印象的でした。
ちなみに、キスクラでティムの右に座っている女性が、マリー・フランス・デュブレイユコーチで(ジュエルズVol.05にインタが掲載されています)、パパシゼのコーチでもあります。というか、デュブレイユのカナダのチームは、男子シングルで言うと、クリケットとラファのチームを合わせたような選手層を誇っていて、テサモエも指導を受けていました。今季からこの世界最強チームで二人も頑張っています。
日本のアイスダンスは、前述のようにクリスとかなちゃんからその後の情報が無く、さらに、若手の深瀬・立野組のカップル解消(立野君は故障により競技引退)と、暗いニュースが続いていて、この二人が、期待を一身に背負う存在になりました。
スケ連は北京五輪に向けて、ティムの日本国籍取得の準備をちゃんとやってくれるんでしょうね?かつての「高橋・トランペア」の時のような、ヘタ打たないでくださいよ!というわけで、小松原・コレト組は、NHK杯からロステレ杯へと、GPシリーズは連戦です。応援しましょうね!
では、また明日!
Jun
コメント
更新ありがとうございます。
「フィギュアスケートTV」で東日本ジュニア大会の特集をやっていて、アイスダンスのペアがたくさんいるのを番組解説者も「いいですね」と言ってました。
練習場所や組む相手の事情も変化していくと思いますが、ぜひ続けてほしいです。
それにしてもNHK杯の視聴率は正直です。これは「スケオタの数字」じゃなくてジャンプの種類もよく知らないし、とくに知りたいとも思ってない一般人の数字ですよね。
タイムラインにマライア・ベルさんのインスタが流れてきて、日本の空港のテレビで見たんでしょう、紀平さんの特集で、ジャンプの種類と難度、GOEについての解説があるのをみて驚いた彼女。
「GOEの付き方をテレビで一般の人に説明するのは日本だけだわ」
みつばちさま
FSTVでは、スーさんが「カップル競技の男子選手のお子さんをもつ親御さん」に苦言を呈していましたね。そんなことあるの?と思って見ていましたが、あれは「取材」に基づいた見解なのでしょう。
そういえば、「ポスト羽生結弦」不在がどーたらかーたらという、ゴミみたいな記事がヤフーで配信されてけっこうコメントがついていましたが、紀平梨花ちゃんの「紀」の字も無くて、タイミング的に最悪でしたね。捏造sage記事に比べたら遥かにマシですから、ゆづファ的には気分は悪くないですけど、もう少し勉強してねと言いたいですね。
アジア大会との比較は興味深かったです。ボーヤンと宇野選手の演技を比較して、改めて湧き上がる不信感!宇野選手のTESカウンターの数字がキスクラで大幅に上がった宇野マジック!ボーヤンの演技後、解説は彼が金メダリストと確信してましたよね。点数が出たときの叫び声は皆の声を代表していたと思います。
それでも、この頃の方が繋ぎと呼べるものは存在していましたね。聞くところによると、自分のEXプロが何を表現しているのか分からないと答えたようで、そもそも曲を解釈しようとする意志もないのではと思います。
両足滑走し、イーグルで休み、ジャンプを跳べば終わり、で良いのでしょう。本当につまらないですね。
最後に草太くんの演技で口直し出来ました。
仰る通り、メリハリのついた動きでスケーティングも滑らか、スッキリしました。全日本ではジャンプも決められますように。
ととちゃん さま
正直言うと、いまのボーヤンもあそこまで質の高いクワドを跳べていないので、だからこそ完全にアウトな「黒歴史」と言ってもいいでしょう。あれはボーヤンが勝ってなきゃおかしい試合でした。
そういえば、日曜のNHKの放送での、伊藤みどりさんとのやり取りは面白かったですね。正直、彼女は解説者としては微妙ですが、忖度という言葉とは無縁のキャラで、しかもレジェンドの中のレジェンドですから、見ていて痛快でした。すっかり芸能人気分の佳菜ちゃんとは、フィギュアスケートに対する眼差しがまるで違います。おそらく、満知子先生もあーいう感じのお人柄だと思うので、そんなに宇野選手とは深く関わってこなかったような気がします。
つまり、宇野選手の「監督責任」は樋口コーチにあるんだなと。一方、真瑚ちゃんはそんなに樋口コーチとベタベタした所を見たことがないので、「Life」のインタでの理知的な発言も併せて考えれば、「そりゃ、そうだろうな・・・」と納得感があります。
アジア大会、あぁありましたね
ボーヤンが僕にもミスがあったと言ってて、なんていい子なんだろうって思いました。
育ちがいいのかな?
宇野君は自分の滑りに疑問を持って無いように見えます
そりゃいい点出れば直さなくてもいいですからね
かえって本人にとっていい事なのか疑問です。
シニアに上がる前じゃないと直せ無いでしょうね
ダンスは録画して見ましたが、ペアは見逃してしまったので、残念です
やはり日本のダンスはまだまだ遠い感じがして、カナクリが解散してしまったのが寂しいですね
色々あったNHK杯でした
おのさま
まぁ、内容ショボくても周囲が甘やかして自画自賛のアスリートって残念ながらいて、ヤフーニュースにもなっていますが、亀田の三男が「井上と対戦したい」と発言していて、いやいや、100回やっても1000回やっても勝てないだろってぐらい実力差があるのに、よく言うわと。
本人がデカい口たたくのはまだ良いとして、フィギュアスケート業界には忖度発言を強いられている専門家「しかいない」のは困ったものです。例えば、日本国内でコーチ業をやっている人が、「宇野や高橋なんて、羽生と比べるような選手じゃないでしょ?」と発言しようものなら、弟子の採点で嫌がらせされるのは火を見るより明らかなので、超閉鎖的なマイナースポーツの宿命ですね。
ボーヤンサゲのアジア大会は、BSでの放送でしたよね、確か。
この試合が地上波で放送されてたら、今回のNHK杯どころではない騒ぎになってたでしょうね。
ボーヤンとNHK杯といえば、2015NHK杯。
この時、ボーヤンのSPが素晴らしくて、高得点がでました。羽生選手がニヤッと笑って、そしてあの世界最高得点。
もしもこの時、羽生選手を勝たすために、ボーヤンに不当な採点をしていたら、試合が興ざめだったと思います。
正々堂々と試合して、だからこそ、羽生選手の記録が輝いているんです。
余談ですが、今回のNHK杯の男子のジャッジは、ヤマダトミコ氏。
この人、2013NHK杯でもジャッジに入っています。
あのスケオタ内で物議をかもした2013NHK杯SPです。
http://www.isuresults.com/results/gpjpn2013/index.htm
SPの9番ジャッジです。
PCS
高橋45.14(ヤマダ48.25)
ハビ40.92(ヤマダ38.75)
織田40.50(ヤマダ38.5)
同じ日本人なのに、明らかに高橋さんに高く、そして織田くんに低くつけています。
このヤマダ氏、2016NHK杯もジャッジに入っていましたけど、その時は目立っていません。
まだネイサンがブレイク前です。このあとのGPFでネイサンは表彰台。で、全米で4回転を跳びまくって話題になりました。
『必要とあらば忖度する』ことを疑われるようなジャッジは、全日本には入ってほしくないけど、忖度ジャッジが多いんでしょうね・・・やれやれです。
まりさま
私もNHK杯のレビューで指摘しましたが、すっかりトミコは腐敗ジャッジの筆頭として周知されましたね。
2013年時のルールでは、プロトコル上ではジャッジの匿名性が担保されていて、(in random orderとあるので)J9が右端のスコアの採点者とは限りません。ただ私も可能性は高いと思います。
すみません。間違ったことを。
すっかり失念していました。
過去のNHK杯はどうだったんだろうと気になってみてみて、なんだこれは!となったんですけど、匿名でしたね。すみません。
ロステレの東ジャッジのこととかあるから、またかよっ!てなってしまいました。
教えていただいてありがとうございました。
まりさま
いやいや、間違いではないと思いますよ。
逆に考えると、「匿名」というのをいいことに、やりたい放題やれたのかもしれません。もし、今日もこのルールだったら、あのNHK杯のPCSにも9.75や10点を献上していたんじゃないでしょうか。