スケ連強化部・五島千寿さんのお話(フィギュアスケートLife Vol.16)

スケ連強化部・五島千寿さんのお話(フィギュアスケートLife Vol.16)

クリケットクラブの西山真瑚君がアイスダンスのカップルを結成したというニュース(パートナーは吉田唄菜選手)が、昨年末に伝えられました。シングル競技を継続しながらアイスダンスの競技会にも出場するようです。

で、購入からずいぶんと時間の経った「Life Vol.16」をパラパラめくっていて、「アイスダンスへの転向」という部分で内容的にかぶると思ったのが、五島千寿さん(日本スケート連盟強化部員)のインタビューでした。こちらをご紹介したいと思います。

アイスダンス経験者(96年全日本ジュニア優勝、世界ジュニア、ジュニアグランプリにも出場)の五島さんですが、「日本スケート連盟強化部アイスダンスワーキング・グループのリーダー」としての活動を見ていきます。

今、日本で試合に出るようなアイスダンスカップルは、ノービスが7組、ジュニアが2組。シニアが3組です。それ以外にも、パートナーはいないけどコーチと組んで練習したりしている子もたくさんいますね。圧倒的に女子選手が多いので、男の先生が足りない状況。なので、女性のコーチでも男性パートもできたりするんですよ。シングルから転向して短期間であれだけの選手になった村元哉中選手を見て、怪我やジャンプで苦しんでいるけれど、アイスダンスをやってみたい、という選手がかなり増えました。そうした人たちのために、年2回、トライアウトの機会を設けています。

でも、たとえば、村元選手の時も「自分は女子で選択肢が少ないからこの人と組む、というのではなくて、どういう選手になりたいかを自分で考えて自分で決断すべきだよ」ということを話しました。「パートナーを組む時に強制はしないから、自分で運命を決めなさい」って。


・・・組んだとしても、環境を変えて、学校も変えて、友達も離れ離れになって、プライベートの時間も失って……というケースを実体験含め、たくさん見てきたので、アイスダンスカップルの数を増やしたい、というつもりではやっていないです。ただ、この子とこの子とならやっていけるんじゃないかと、提案するだけ。「ちょっと練習してみたら、国際大会に出られるよ」というようなことも絶対に言わない。まず、ありのままの現状を、いいことも悪いことも話したうえで、やるなら本当に一生懸命にやりなさい、こちらも全力で応援するよ、と。ただ、相手のご両親に失礼だから、中途半端にやるのだけはやめてねって。相手あってこその競技だからこそ、そこはシングルと違いますね。

「フィギュアスケートLife Vol.16」120頁

こんなにカップルが少ないとは知りませんでした。しかも、女子選手の方が圧倒的に多いと。そりゃ、西山君のように若くてスケーティング技術のある選手がトライアウトに参加したら、すばやく決まるわけですよね。

そして、やっぱり、哉中ちゃんが突如クリスとのカップルを解消して、その後、まったく続報が入ってこないのは気になります。「自分で運命を決めなさい」というアドバイスは、言葉だけ聞けばかっこいいですけど、その後のケアはどうなっているのか?内部事情を知らない一般人の心情的には、五輪代表になって、しかも次の大会も目指せるような選手がカップルを解消してそのまんまというのは、いくら何でもスケ連としてはマズいでしょ?と。

ただ、今回の「解消」にまつわるアレコレ(噂話のレベルでは、クリスとの方向性の違いとか、チームの問題とか?)をスケ連は把握した上で、こういう状態なのかなという気がします。実際、このインタの中で、かなクリのことは一切出なくて、小松原・コレト組へのサポートの現状に話が移っているので、まぁ、そういうことなのでしょう。

小松原美里&ティム・コレト組とは、アイスショーで日本にいる時やNHK杯の時などに何度も話し合いをしました。日本のトップ選手だし、もっと上に行ってもらいたい。そのために何が必要か、選手が考えていることを聞いて、連盟として手伝えるところはサポートしていく、ということですね。3ヶ月先から数年単位のものまでプランを確認し合って、この時期にこの先生を呼ぼうとか、強化合宿を組もうとか、なるべく選手に貢献できるように、と思っています。

「フィギュアスケートLife Vol.16」121頁

シングル競技のトップ選手の白岩さんでさえクラウドファンディングを募っているぐらいですから、いくら「サポートしていく」とは言っても、金銭の面では、アイスダンスの場合、ほとんど自費で活動しているんじゃないか?という気がします。そもそも、ACT NOWを使って支援を募ったのは、「チームココ」が先でした。だからこそ、連盟としては、モチベーションの高い選手をサポートするしかないようですね。引き留めても、茨の道を進んでいかなきゃいけない・・・。

私のような趣味ブロガーにできるのは、アイスダンスの試合もできるだけ紹介して、皆さんと情報を共有して、応援していくことぐらいです。西山君の活躍、そして哉中ちゃんやクリスの続報、そしてチームココの躍進に期待していきましょう。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. マリィ より:

    こんばんは
    遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします。
    お気遣いありがとうございます。
    風邪は38度までいきましたがすっかり良くなりました。
    junさんは今年は元気に過ごされましたか?
    年末年始、記事に苦労されてますね。
    お疲れ様です。
    昨日の新聞は羨ましいです!
    素晴らしいレイアウト。
    東京の友達も故郷に帰ってて頼めず残念!

    吉田さんもクリケットにいるわけじゃないですよね?
    息を合わせないといけないし、二足のわらじで出来るものなのでしょうか?
    アイスダンスは地上波だとエキシくらいしか放送ありませんが、なんだか映画を観るようなイメージです。
    外国のトップ選手のレベルはすごいですね。
    日本も少しでも追いついてほしいですね。
    それにしても少ないですね。
    どうしても日本人は子供の頃からペアをって考えると想像してみても無理!って感じます。
    スケ連のバックアップの薄さを思うと余計にですね。
    村元さんとクリスは気になりますね。
    外国人を帰化させてとか難しいですね。
    村元さんはまた出てきてほしいです。
    真央ちゃんが引退する時も書き寄せを発案して、しっかり者のお姉さんてイメージです。

    • Jun より:

      マリィさま

      いえいえ、私の記事の苦労なんて、風邪に比べればなんてことはないです。こちらこそご心配をお掛けしてすみませんでした。

      今回のインタビューを読んでいて、スケ連としてはカップル競技で勝てる選手を本気で育成する気は無いのだな・・・という気がしました。
      やる気があるスケーターを引き上げて、活躍の場を準備するだけ。資金面は自分でね、ということでしょう。
      現体制のままではこの状況は変わらないでしょうから、会長には一刻も早く新天地にご活躍の場を移していただきたいものです。

  2. ととちゃん より:

    西山くんと言えば、シーズン初めの試合で あまりジャンプが決まらず、オーサーが心配顔をしていたキスクラを思い出します。その後、怪我をしたとか…。そんな経緯もあってアイスダンスを視野に入れるようになったのでしょうか。

    結果が出るのはまだまだ先かと思いますが、
    西山くん自身が前を向いて進んでいる様子は
    清々しいですね。資金など色々な問題があるかと思いますが、是非頑張って、と思います。

    村元さん、本当に素敵な選手だったので、競技を断念してほしくないです。今はパートナー探しの段階なのでしょうか、でも、相手があるって難しいことなんですね。御家族も含めて同じ熱量を持っていないと続かないのですね。村元さんにまた、良い相手が見つかって、続行出来ますように。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      クリケットでトレーニングを受けたスケーターが「若くしてアイスダンスへ」というのは、北米の選手でも私は知りません。西山君は、クリケットでの経験を武器にして、自信を持ってチャレンジしてほしいですね。

      哉中ちゃんは本当に心配ですね。彼女がクリスとカップルを組んでいた頃は、お姉さんの小月さんも頻繁に情報を発信してくれていたんですが、パタっと止まってしまいました。
      お姉さんは昨年7月に結婚されたんですが、かなクリのカップル解消が8月に発表されて・・・。うーむ、いろいろと心配ですね。