写真集『羽生結弦』(矢口亨・高木恵)感想

写真集『羽生結弦』(矢口亨・高木恵)感想

2024年7月19日発売。定価「4,400円」。

これまで矢口亨カメラマンが撮影した羽生さんの写真集としては、『羽生結弦 2019-2020』(2020年6月18日発売)と『羽生結弦 2021-2022』(2022年7月29日発売)があって、今回が3冊目です。ちょうど2年ごとでの発売になるんですね。

今回も、縦30cm×横30cmの「特別サイズ」を踏襲しています。もしこれまでの2冊をお持ちでしたら、ぜひ改めて再読してみると良いかなと思います。

まず、これまでの2冊と比べて「薄く」はなっています。過去2冊は160ページ以上のボリュームでしたが、今回は128ぺージとはっきり違います。ただ、他のカメラマンの写真集と比べれば十分な分量ですし、大判ですし、「物足りなさ」は感じません。余白を効果的に使ったレイアウトのスタイルも踏襲されています。

・過去の2冊はいずれも競技者時代の写真なので、プロ転向後の矢口さんの写真集としては1冊目。じゃあショーの写真も時系列的に並んでいるかというと、かなり工夫があります。まず、表紙の黒シャツの写真は仙台のスタジオで撮影したと言われる「単独取材ショット」ですが、このシャツに黒のスラックスに素足というコーディネイトで、その時のショットが分散的に配置されています。モノクロもあればカラーもあり、ポージングも豊富で、もちろん顔のアップもあり、この単独ショットだけで63ページありました。彼のファンならばこれ目当てでもマストだと思います。

・ショーの写真のクレジットが巻末にあるんですが、「プロローグ」「notte stellata 2023」「RE_PRAY」「FaOI2024」からのセレクトで、羽生さん出演の全ショーを網羅というわけではありません。「FaOI2024」は、ミーティアが1ページ、ダニーボーイが4ページ、オープニング・フィナーレで2ページで構成。「GIFT」はいろいろ難しいから分かるとして、「notte stellata 2024」が未収録というのは、今年も3冊セットの写真集が出るからでしょうか?

前半にアイリンの通路での練習風景のショットがあって、「これは、SharePracticeのやつ?」と思ったんですが、特にクレジットが無いので不明です。あの日は取材陣がわんさかいたし、日中だったし、違うかもしれません。

巻末の高木恵さんのテキストが秀逸です。羽生さんの競技者時代の奮闘と、そしてプロ転向後もなおストイックに探求を続ける姿を見事に描写しています。報知の記事でもいつも心に染みる表現を必ず盛り込んでくれていますが、たくさんの美しい写真を堪能した後の彼女の文章も格別です。

印象に残ったポイントはこんな所でしょうか。本書のアイスショーでの写真は、これから田中さんのフォトブックも出ますし、今年のノッテの公式本も出るでしょうし、網羅性という点では劣ります。ただ、繰り返しになりますが、本書の主役は「単独取材のショット」ですね。むしろ、アイスショーの写真の方が「箸休め(?)」的に感じてしまうほどインパクト・サプライズに溢れていますので、ぜひぜひお手に取ってみてください。

では、また明日!

Jun


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