ロシアジュニア選手権(女子フリー)感想

ロシアジュニア選手権(女子フリー)感想

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シェルバコワ。フリーは146.80の3位。合計223.97の3位。冒頭の4Lzの転倒以外はミスもなく、力を出し切りましたね。JGPファイナルで崩れたのは何だったのか?と不思議です。

この3人をまとめて見ていて感じたのは、シェルバコワは、いわゆる「エテリ式」のスケート、つまり、これまでの先輩たちのスケートのエッセンスを最も凝縮した選手だなと。逆に、トゥルソワとコストルナヤは、先輩たちとあまり似ていない。トゥルソワはジャンプの技術が飛び抜けているし、コストルナヤのスケーティングと表現は先輩たちとはちょっと違います。

この子に関しては、昨日の記事の通りで、体型変化だけが心配です。なぜなら、彼女の偉大な先輩たち、例えば、リプニツカヤ、メドベージェワ、ザギトワ、全員が体型変化で苦しんできたから。しかも、この構成を跳べなくなった時、それに対応したプロを作ってくれるようなコーチじゃないですからね。自分のベストパフォーマンスを維持できなくなったら「私の元を去りなさい」という指導方針ですから。きっと本人は、そういう暗い未来を考えないようにして、今を必死に生きているんだと思います。健気ですね。

コストルナヤ。フリーは150.82の2位。合計230.79の2位。シーズン当初は、このロミジュリの酷い編曲に失望したものですが、これを見るのも、残すところ世界ジュニアだけになるのかと思うと、ほんのちょっとだけ寂しい気持ちになります。

流麗な冒頭の2Aからして、いつもの彼女ではあるんですけど、この日は身体がキレていてスケートにスピードがあるのか、いつもは勢いがやや落ちる3連コンボも、もう一つつけて4連にできるのでは?というぐらい、調子が良さそうでした。内容が良すぎて世界ジュニアが心配になる反面、でもロシアナショナルに続いて優勝を逃してはいるので、気を引き締めたまま、次のビッグゲームに臨めるというのは好材料なんじゃないかと。

演技直後に、現地ロシアの放送局の実況のおじさんの「大きなため息」をマイクがガッツリと拾っていましたけど、そういう表現のできる選手ですよね。羽生君のスケートもそうですが、本当に美しいものというのは、そうした普遍性を持っているのだなと改めて思います。

トゥルソワ。フリーは164.44の1位。合計233.99で優勝。中居君の番組で「サンボ70」の大特集をしていましたが、本田武史さんが「トゥルソワは、陸トレでは3Aを回ってはいるけど、軸が傾いている。だから氷上では跳べない」と解説していました。

ただ、冒頭の2本の4Tは、彼女がこれまで「成功」させてきたクワドの中でもベストの出来だと思います。加点の+4.07や+3.53が妥当かどうかは別にして、高さもあって回転もかなり余裕がある。注文をつけるなら降りた後の流れが足りない点ですが、ジャンプの質は、男子のシニアのクワドにまったく負けていませんね。

まぁ、しかし、相変わらず「子どもが次から次へとジャンプを跳びまくっているだけ」という印象は拭えません。表現面での「ハッと息を飲むような美しい瞬間」がまったくない(先述の実況のおじさんも淡々と喋っていますしね)。でも、「そんなこたぁ、知ったこっちゃねぇ」とばかりに、おそらく北京五輪の頃でも、こんな感じでジャンプに特化したスタイルを堅持しているんだと思います。

しかし、日本人目線で言っても、来季が本当に楽しみです。おそらく3人同時にシニアに昇格すると思いますが、来季のGPシリーズのアサインを想像した時、おそらく紀平さんとザギトワはかぶらないはずで、そうなると、この3人の誰か(あるいは全員と)、シリーズで直接対決する可能性は十分にあるでしょうね。

例えば、NHK杯。紀平・宮原は外さないとなると・・・。コストちゃん来てほしいな!と、やっぱ来季は熱いなぁとワクワクしています。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. ととちゃん より:

    冒頭の写真、エテリ組無双といったところでしょうか。ジュニアの試合なのに観客も多く
    「エテリガールズ」のバナーを持った人もいて、やはりロシアでのフィギュア人気は相当なものですね。

    体型変化については そんなロシア国内でも議論があるようで、プルシェンコ(ヤナさん?)が ある年齢で苦しみ出すエテリ組の女の子にシンパシーを寄せ、25歳まで続けさせてあげたいと言っているといった情報を知りました。トゥルソワ自身は、クワドを跳ばないことはフィギュアの進化を止めることと認識しているようですが、実際どうなっていくのか、本当に数年待たないと分からないですね。

    ともあれ、来季のシニアでの戦いは楽しみです。GPFは、今回の3人と紀平さんが表彰台を争うのか、流れが変わるのか…。N杯のアサインも大注目ですね!

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      ロシアに限らず、シングル競技の五輪金メダリストの指導者ってちょっと思い当たらないのですが、そんなレジェンドの中のレジェンドの彼が、そのような発言をしてくれるのは頼もしいですよね。

      日本とは状況が違って、金メダルを獲れば人生が一変するようなロシアでは、本人も、親も、そして従来の指導者も必死なわけですよ。そこに彼は警鐘を鳴らしてくれている。スポーツとしてフィギュアスケートが存続するためには、若手選手の心身のケアが急務だと思います。おそらく、羽生君もこのテーマについて、そしてプルさんの指導についても注目しているような気がしますね。