便利な一冊。でも・・・。「フィギュアスケートファン通信SP 2007→2017~伝説誕生から10年の軌跡~」(リライト企画)

便利な一冊。でも・・・。「フィギュアスケートファン通信SP 2007→2017~伝説誕生から10年の軌跡~」(リライト企画)

2017年5月29日発売。本体「1,000円」+税。

こちらも読者の方からリクエストのあった、通信の「SP」です。アマゾンの中古価格は最安で「2,480円」と比較的マシな値段に落ち着いていますね。

(1)2007→2017 羽生結弦 Road to Glory~伝説誕生から10年の軌跡~(4~103頁)

全100ページの大企画です。以下、内訳を列挙しておきます。

<07-08>「火の鳥」(全日本ジュニア、4ページ)。全4ページ。

<08-09>「パガニーニ」(全日本ジュニア、4ページ)。全4ページ。

<09-10>「M:I 2」と「パガニーニ」(全日本ジュニア、2ページ。JGPF、2ページ。世界ジュニア、2ページ)。全6ページ。

<10-11>「ツィゴイネ」と「ホワイトレジェンド」(全日本、2ページ。4CC、2ページ)。全4ページ。

<11-12>「悲愴」と「旧ロミジュリ」(ワールド、6ページ)。全6ページ。

<12-13>「黒パリ」と「ダムパリ」(スケアメ、1ページ。NHK杯、1ページ。全日本、2ページ。ワールド、4ページ)。全8ページ。

<13-14>「パリ散」と「新ロミジュリ」(GPF、4ページ。全日本、2ページ。ソチ五輪、6ページ。ワールド、4ページ)。全16ページ。

<14-15>「バラ1」と「オペラ座」(中国杯、2ページ。NHK杯、2ページ。GPF、4ページ。全日本、2ページ。ワールド、2ページ)。全12ページ。

<15-16>「バラ1」と「SEIMEI」(NHK杯、10ページ。GPF、6ページ。全日本、2ページ)。全18ページ。

<16-17>「レックレ」と「ホプレガ」(オータム、2ページ。GPF、6ページ。ワールド、8ページ)。全16ページ。

<年表&主要大会記録一覧>4ページ。

07-08シーズンから16-17シーズンまで、大会の競技写真のみをまとめた企画。EXやアイスショーの写真はゼロです。「シング・シング・シング」(07-08・SP)と「ボレロ」(08-09・SP)が一枚も入っていないのですが、おそらくその理由は「全日本ジュニア」という括りだと、この両プログラムの写真を入手できなかったのでしょう。通信の「創刊号」(6~7頁)には両プロの写真が一枚ずつ掲載されているものの、前者は「ジャパンスーパーチャレンジ 2008」、後者は「DOI 2008」とクレジットされていました(※「FIGURE SKATERS Vol.6」には別ショットが掲載)。

内訳を見てみると、ソチ五輪シーズン、300点突破シーズン、ヘルシンキシーズンの3シーズンが多めです。一冊で歴史を振り返るという意味ではとても便利な作りですが、特に珍しい写真が入っているわけではなく、上記3シーズンに限れば、それこそ能登さんや田中さんの写真を他誌で堪能できますから、微妙と言わざるをえません。

(2)日本スケート連盟表彰式(104~109頁)

2017年4月27日開催。裏表紙の下半分の写真も参照。橋本会長や小平選手と並んでのショットや、立食パーティでオレンジジュースを飲むショット、スーツ姿の写真は大きめのものが3枚(3ページ)あります。先日発売された「FIGURE SKATERS Vol.11」のスーツ特集には、なぜかこの17年の表彰式の写真は未収録でした。ただし、通信だと「22号」の80頁にこの表彰式でのスーツショットが一枚入っています。

(3)チームビルディング(110~113頁)

2017年4月28日開催。こちらも裏表紙の上半分の写真を参照。ミズノのウェアを着て、他競技の選手たちと軽い運動をしたり談笑をする写真が中心。こちらの様子は他誌でも見ることができます。例えば、「KISS & CRY」(FaOI2017特集、金のジャケットの表紙の号)の56頁、「FIGURE SKATERS Vol.6」、「通信22号」は要チェック。特に、FIGURE SKATERSと22号の写真は、本誌よりもよっぽど良い写真が入っているので、このチームビルディング目的で購入するメリットは無いと思います。

というわけで、まぁ、ユーズド価格が2000円台に留まっているのも納得という感じです。便利ではあるけど、ゆづの歴史が頭にしっかり入っている方には、あまり必要のない一冊。

やはり、通信は、ある程度時期を短く区切るか、一試合に集中して、そこに大量に写真を投下するスタイルだからこそ、価値があるというもの。もちろん、定価で発見できたら持っておいて損の無い一冊ですが、よっぽどのコレクターやマニアでなければ、わざわざ倍以上のお金を払うのは・・・というのが、正直な私の感想ですね。

では、また明日!

Jun


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コメント

  1. 名無しの猫 より:

    通信SP レビューありがとうございます。

    別冊とSPの違いってなんだろう?と思ってたのですが、10年の軌跡なのですね。

    通信の魅力は 集中、大量投下、速い ということを考えれば、
    持っておいて損はないけど・・・ということ、よくわかりました。

    それにしても、アマゾンでは中古でそんな価格になっているのですね。
    ちょっと覗いたら、私の持っている、別冊世界選手権2017の新品は¥9990だったので
    あらまあ(°_°)と驚きました。
    たくさん持っている通信、大事にしよう、と思いました(笑)

    通信は本当にファンのニーズをよくわかっている、内容も価格も文句のないものだった
    だけに、今更ながら残念ですね。
    売れなくて休刊、廃刊は出版界ではよくあることですが、売れすぎて、というのは
    なんだか闇を感じます。終盤、羽生くんの頁を減らさないといけなくなった経緯など、
    どこの横やりが入ったのかは知りませんが・・・

    平等で高くて遅い、の老舗本は、よほど充実した独占インタビュー(たぶんムリ・・・)
    でもなければ、買うことはないだろうなと思っています。

    • Jun より:

      名無しの猫さま

      通信のような、目のつけ所の素晴らしい「ビジネスモデル」が衰退するケースは、より優れたライバルが現れるか、(さまざまな理由で)潰されるか、質が落ちるかの3つぐらいの理由に集約される気がします。

      今回は2つめの理由によるものですが、ただ、他誌の、FIGURE SKATERSやKISS & CRYは明らかに「ゆづ重視」にシフトしましたし、ジュエルズも、五輪後に大判のフォトブックを緊急出版したにも関わらず、しっかり7月にシーズンフォトブックも出してくれました。

      通信の件は残念ですが、優秀な他誌が出ていることも事実。私も微力ながら応援していこうと思っています。

  2. ととちゃん より:

    久しぶりに見返してみました。
    うーん、何故買ったのだろう?と思いながらページをめくりました。多分その時は、表彰式とチームビルディングの写真が欲しかったのでしょう(笑)。

    が、仰るように他の本にも載っているとなると、?です。このSP号で他誌より先に確認できたからなのか、やはり価格に誘われたのかも知れません。

    今になって他競技の選手とアクティビティをする様子を見ると、感慨深いものがありますね。この頃は、オリンピックまで万全の状態が続くと信じていたものでした。北京に出ないなら、こういった光景も もう見られないことになるので、楽しそうな写真は貴重だと
    思うことにします(笑)。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      私も、「通信だから」という理由で買っていて、でも購入当初は満足していたんですよね。

      ただ、新刊の発売が途絶えてしまって、中古品価格が高騰し、じゃ、各号を比較してみるとどうなの?となったとき、けっこうクオリティに差があることは今回の発見でした。でも、人間が作るものなんだから、多少の並があって当然。私の記事だってそうですからね(汗)。

      五輪に向けたチームビルディングは、北京前もきっと盛んに行われることでしょう。もしかすると、夏季五輪の東京に向けてのこのような取り組みに、羽生君がゲストとして呼ばれることもあるかもしれません。94年生まれの「なんとか世代」というのを、夏季五輪の選手の方が言っていて、羽生君にラブコールを送っているぐらいですもんね。