「協力・スケ連」記載の無い意味。「フィギュアスケートMemorial 世界フィギュアスケート選手権2019」

「協力・スケ連」記載の無い意味。「フィギュアスケートMemorial 世界フィギュアスケート選手権2019」

2019年4月9日発売。税込み価格「1,404円」。

写真重視系雑誌レビューシリーズの第2弾です。「通信」は中身を事前に調べなくても皆さん購入されていたでしょうが、こちらはそういうわけには行かないと思いますので、少し詳しく見ていきます。

表紙・裏表紙・目次は画像の通り。表紙の裏はカートを引いての空港でのショット。裏表紙の裏はOriginの衣装で日の丸を掲げるショットです。奥付はネイサンでした。目次と下記の(1)の間(2~3頁)にOriginの見開き1ショットもあります。ここまで、羽生君の写真は計7ページ。各章の写真の配分は、以下の通りです。

(1)世界フィギュアスケート選手権2019 メダルセレモニー(4~9頁)計6ページ

(2)羽生結弦(10~29頁)計20ページ

(3)他の選手(30~57頁)

(4)エキシビション(羽生君・58~67頁)計10ページ(その他の選手・68~77頁)

(5)公式練習&記者会見(羽生君・78~83、90~94頁)計11ページ(その他の選手・84~89頁)

(6)世界フィギュアスケート選手権2019 男子シングル結果(94~95頁)

「羽生君部分は合計すると54ページ」で、全体の半分強という所ですか。そういう意味では、「マストバイでしょう!」とは言えませんね。「通信」との写真の比較で言うと、OtonalとOriginについてはそんなに差は感じなかったんですが、「春よ、来い」は本書の方がはっきり良い写真を選んでいると思います。単純に大きめの写真をピックアップしていることと、様々な表情を楽しめるようなセレクトがなされていますね。あとは、公式練習の写真で、羽生君がフェンス越しにブライアン・ジスラン・トレーシーと談笑しているショット(78~79頁)で、実はフレームの中心にはランビさんがいて、ランビさんもその会話を聞いていたのか、最高の笑顔を見せてくれています。ランビファンは必見でしょう。

本書には、通信にはあった「協力・日本スケート連盟」の記載がありません。ちなみに、ウチの手元にある、さいたまワールド後の雑誌の中で、「協力・スケ連」の記載があるのは「通信」と「応援ブック」だけです。「羽生中心の誌面にするなら、スケ連にカネ払え」ってことですね。羽生君に対して、あれだけさいたまで嫌がらせしておいて、「羽生で儲けている雑誌からピンハネする」というのは、つくづく悪質な組織だなと思います。

ただ・・・ネット上で評判になっていた本書の「テキスト部分」を読んでみると、個人的には、写真のボリュームに対する不満も、あまり気にならなくなりました。

今大会、フリーで羽生があれだけの演技をしてもネイサンとの差が広がってしまったが、演技だけ純粋に見比べたとき、差がそんなにあるようには思えない。ジャッジに文句は言えないとわかっていても、羽生しか飛べない発明的ジャンプシークエンスの4T-3Aや、羽生しか飛んでいない4Loで、加点が渋られているのが気になった。誰も跳んでいない、やれていない技に対して「もっと評価すべき」と、ここは強く言いたい。4Lzだけが高難度というわけではないのだから。

もう一箇所、ボーヤンについての論評も見てください。

課題はPCS(構成点)につきるが、正直、今大会のインフレ気味のPCSに対して、ジンへの評価は低すぎるように思えた。年々、彼のスケーティング技術は良くなっているのは間違いない。自分を信じて、再び表彰台の高みを目指してほしい。

「構成・文」に、「辻めぐみ」さんという方の名前がクレジットされているんですが、実に真っ当な意見で爽快感すら感じます。もしかりに「協力」のお墨付きと引き換えに、テキスト部分にも検閲が入るとしたら、本書には尖ったままでいてほしいですよね。実は、ウチにあるMemorialのバックナンバー8冊、すべて彼女の名前が記載されているので、ちょっと調べてみようと思います。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. ごろ寝 より:

    雑誌、丁寧に作業すれば、切り離し、必要な部分だけで再作成できるものですね。月に2冊程度ですが、余計なものは処分中です。
    「辻めぐみ」さんのテキスト、過去の記事も読み直してみます。残す価値がありそうかな。

    スケ連、現役でいる間は関わらなければいけない。羽生さんの思いは知るべくもありませんが、一ファンとしては屈辱的な数年間です。

    ヘイトの件にしても、1週間前のコメントを今頃?Jカス?
    20日に合わせての発表は、何かしらの策略かと疑っています。「バイト」に触れない文面を見ても、今後の策が見えるようです。なりすまし羽生ファンとヘイターを争わせ、羽生ファンを怒らせる。ファンの諍いであるとして収束させる作戦でしょうか?もちろん、「バイト」を使って。

    • Jun より:

      ごろ寝さま

      スケ連は、表向きは「状況は承知していますよ」とアナウンスだけはしておいて、実際には見てみぬふりの放置じゃないですか?

      まぁ、でも珍バイターやら、珍バイターもどきの悪質ライター・記者の書く内容ってマンネリのワンパターンで見え見えなので、我々もしっかり監視しつつ、情報共有して、時には周知していけば良いと思います。

  2. sennin より:

    辻めぐみさんですね?覚えておきます。仰る通りですよね、Memoriaruは購入していない紹介のでありがとうございます。チョット忙しくて書店に様子を見にいっていないので助かりました。

    明日はいよいよ結弦くん登場ですね?応募したけど前回同様ダメでしたが夜日テレでやりそうですね?YouTubeも楽しみです。ワールドの試合やFaoiもなんにも引っかからなくて悲しくなります。

    ところで、城田さんは本当に監督でいるのですかね?ワールでも見かけませんでしたね。体調でも崩していなければ良いのですけどね。

    • Jun より:

      senninさま

      FaOIといえば、本日発表された、ザギ・メド・リーザの「全会場出演」には度肝を抜かれました!

      さすが真壁さん、やるなぁ・・・と。この3人が全員揃って出てくれるということは「あの人の出演」についても内定を取ってるからじゃないの?と思わずにはいられません。

  3. ととちゃん より:

    4Loに対する評価が低いのではないか、と羽生選手自身もちょっと言及していましたね。
    ライターの方で明確に指摘している人を 他に知りません。

    世選のPCSについてはマッシさんがズバリと指摘されたようですが、トップ2に関してのみなので(勿論 胸がすきましたが)、ボーヤンの評価へのモヤモヤを共有できるライターさんがいて嬉しく思います。辻さんについて、何か分かれば是非教えて下さい。

    それにしても こうした出版界への横槍といい、スケート連盟という組織には 今や不信感しかありません。何か声明を出したようですが、声明を出した事実を作っておいて、あとは放置でしょう。折しも明日は久しぶりの帰仙ですから、せめてその間だけでも 気持ちよく過ごして欲しいと願っています。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      モニュメントイベントに際して、おそらく囲み取材はあると思いますが、もし記者からこの件を投げられたら、羽生君もピシャっと言ってやればいいんですよ。ただ、どう返すのかは興味がありますね。

      新刊雑誌のレビューが一段落したら、辻さんのテキストをまとめてチェックして、いい物があったらご紹介したいと思います。

  4. 名無しの猫 より:

    今日は、キスクラを買おうかな、前号も買ったし、と本屋さんに行きました。
    Junさんのレビューで、Memorialも中を見てみたいと思いました。
    キスクラは買って、Memorialは確認するだけかな、と思っていたのですが、中を見て
    キスクラとMemorialの気持ちが逆転しました。

    Memorialの記事は、特に最後の頁、納得の内容でした。スルーしていて後悔しました。

    キスクラですが、松原さんの羽生くんの記事はなんら問題ないと思いましたが、
    小宮さんというライターさんが、ハビにインタビューしているのですが、ハビに
    「あなたがオーサーコーチに羽生選手を紹介したのですか」と質問しており、
    ???となりました。
    その小宮さんが宇野選手の記事も書いており、世選で台乗りしていないのに、
    「王となる〜」という記事に、私が記事の良し悪しを判断するわけではないのですが、
    ライターさんの羽生くんと宇野選手への熱量のあまりの違いが伝わってきて、
    うーん、買いに来たのになあ・・・と悩み、一旦保留にしたのでした。

    表紙の羽生くんがよくても、中を確認しないで買っていいのは、(私的に)三大マスト、
    マガジン 通信 ジュエルズだけかな、と思いました。
    応援ブックも、本屋さんで、羽生くん100%なのを確認してから買いました。

    以前はあまり考えずどんどん買っていたのですが、最近は重箱の隅をつつくわけでは
    ないけれど、ちょっと過敏になっているようです。

    • Jun より:

      名無しの猫さま

      キスクラはまだ手元には無いのですが、小宮さんという方はもともとはサッカーライターの方で、スペイン語ができるということで今回ハビに取材したんだと思いますね。

      ハビも、プロスケーターになったことで、世界中のいろんなメディアから取材を受けているはずで、的外れな質問には慣れているとは思いますが・・・。うーん、まだ中身を見ていないので何ともコメントしにくいですが、私は絶対に買う予定ですので、レビューをお待ちいただければと思います。

  5. 名無しの猫 より:

    Junさん、お返事をありがとうございます。

    キスクラは、世選応援号が表紙もとても凝っていましたし、
    特にシーズン開幕号の布陣がコーチ陣、織田くん、山本くん、須本くんで大満足だった
    ので、この路線でいってくれないかなぁって思っていたのです。

    世選号でそれはムリとわかっていますが、私の中で勝手にハードルが上がっていたのと、
    最近の諸々で少し過敏になっていたものですから、失礼しました。
    キスクラ、今号も買うと思います。Junさんのレビュー楽しみにしています。

    • Jun より:

      名無しの猫さま

      キスクラ自体は入手済なんですが、別の雑誌を先にレビューしますので、キスクラの方はもうしばらくお待ちいただければと思います。