羽生君&真壁さんFaOI関連インタ。「Quadruple Axel 2019」(1)

羽生君&真壁さんFaOI関連インタ。「Quadruple Axel 2019」(1)

2019年6月17日発売。定価「1,950円」。すでにキスクラも購入済なんですが、本書の方は未購入の方もおられると思うので、今回は、羽生君と真壁さんのインタからFaOI関係の部分のみ、ご紹介します。まずは、羽生君から。

――振り付けは、いつされたのですか?

『CRYSTAL MEMORIES』はデイビッドが幕張に来てくれて、ほぼ1日で振り付けて、もう1日でブラッシュアップするという感じでつくりました。『マスカレイド』は、僕が日本に経つ直前にトロントでつくる予定だったんですけど、シェイが膝を痛めてしまって、振り付けができなくなってしまったんです。それで、『マスカレイド』の曲を送って、「この歌詞とメロディからシェイのイメージする振り付けで演じてほしい」とオーダーしました。僕は、シェイが踊っている映像をひたすら観て、振り付けを覚えて。

――『マスカレイド』の最後は、グローブを氷上に投げるシーンで終わりますが、あれも振り付けの一環なのですか?

当初は、仮面を手で外すしぐさをして(実際に仮面を取る動作をしながら)、その仮面を投げるように見せる、という振り付けだったんです。もともと衣装を作ったときに、左手のグローブが氷上で映えるように、黒に白を入れていたんです。そしたら、ちょうど仮面っぽくなったんですよ。それで、シェイの振り付けを見たときに、その左手のグローブを取って投げたら、仮面をバン!と脱ぎ捨てる表現ができるかなと思ったんです。

――情景が心に残るラストになりました。

みなさんもすごく気に入ってくださっているみたいですね。初めて観る方には、びっくりされるんですけど、効果的な振り付けができたのかなと思っています。さすがにあの演出を試合でやってしまうと、(衣装の落下による)ディダクションになってしまうんですけど(笑)。僕自身が日本人だからこそ感じる歌詞の深みを加えつつ、ToshIさんがこれまで歩まれてきた人生観や背景をいろいろと考えたうえで、そういうラストにしました。

シェイの怪我の件は、P&Gのトークショーでも明かされていましたが、「手袋スパーン!」の経緯がより明らかになって良かったです。羽生君からシェイに対して、やはり『マスカレイド』の歌詞の意味も含めた相当細かいレクチャー&リクエストが行っていたようです。

「オペラ座の怪人」自体が、まぁ、フィギュアスケートでは相変わらず人気ですし、羽生君も自分が演じたフリー以降、他の選手のオペラ座も当然把握していると思います。「手で仮面を」というのは、よくあるっちゃあるので、「他人とは違うものを入れたい!」という所から、「投げ捨てる」アイデアをひねり出したんじゃないかなと思っています。すべてにおいて妥協の無い人ですからね。

つぎに真壁さんのインタから、羽生君とToshIさんに言及した部分のみをご紹介します。

――羽生選手は、日本を代表するロックバンド『X JAPAN』のボーカリストでもあるToshIさんとのコラボレーションも見せてくれました。

当初、ToshIさんとのコラボレーションは、羽生選手の足の負担などを考慮して、1曲のみの予定でした。候補曲は、ToshIさんとも相談して、最終的には『マスカレイド』と『CRYSTAL MEMORIES』の2曲に絞り込みました。私としては、英語曲のほうが海外のエキシビションでも滑りやすいでしょうから、「『CRYSTAL MEMORIES』の1曲だけで問題ありません」とお伝えしていました。ですが、羽生選手は両方の曲でコラボレーションする意向を示してくれたのです。羽生選手は音楽にこだわりがありますから、楽曲をじっくりと聴き込んだうえで判断したのだと思います。どちらも素晴らしい曲ですから、気に入ってくれたのでしょう。

真壁さんのお話も総合すると、やはり、デイビッドに振り付けを依頼した時点で、「19-20シーズンのEXはクリメモ」という所を想定していたのかな?という気がします。P&Gのトークショーで、羽生君は、「マスカレイドは富山が見納め」と発言していましたが、クリメモについては何も語っていませんでした。今回のFaOIのツアーでマスカレイドを「3日のうち2日」で演じたのも、「FaOI限定だから」というのはあるんじゃないでしょうか。

――今回、ToshIさんは幕張、仙台、神戸、富山と全公演で出演されます。キャスティングされたきっかけは?

ファンタジーオンアイスの音楽監督である武部聡志さんと一緒に仕事をしているメンバーの推薦です。・・・ToshIさんはご存じのように、『X JAPAN』のボーカリストです。歌唱力も抜群で、ゆったりとしたテンポの歌を壮大に歌い上げることができます。私が目指すショーをつくりあげることができる、という期待がありました。ToshIさんが歌うのは、1日の公演で4曲ほど。プロとして、のどの調子を保つため、そしてベストの声で歌えるのが数曲までだとうかがいました。

この質問の回答を見る限り、ToshIさんへの出演依頼は、真壁さんの思いつきではなく、「武部監督とバンドメンバー」に依る所が大きいということになりますね。では、「全公演出演も?」とこの点も気になります。まぁ、ここからは私の想像ですけど、今年に関しては、真壁さんが何から何まで独断で決めたというよりは、武部さんの意見が相当入っているような気がします。

来年のFaOIも、今年のような高いレベルでアーティスト&ミュージシャン勢が躍動するためには、武部監督の存在が不可欠のように感じます。やはりプロに任せるのが一番ですね。

そろそろGPシリーズのアサインが出るはずですが、明日はその話題になるのかな?と思います。間に合わなければ、書籍・雑誌のレビューを続ける予定です。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. 名無しの猫 より:

    クアドラプル、読み応えのある良い号でしたね。
    キスクラも、前号は少し迷ってからの購入でしたが、今号は即買いしてきました。
    27日にはマガジンが、少し先ですが通信DXも(7月29日発売?)のようです。

    アサイン出ましたが、これについては、Junさまの記事を待つこととします。
    (N杯 ファイナル 全日本と続くハードスケジュールの心配ばかりしても…なので ^^;)

    • Jun より:

      名無しの猫さま

      アサインについては、今晩アップの記事にまとめましたので、そちらをご覧ください。

      ハードスケジュールとは言っても、怪我をしたら休むしかないし、そもそも怪我をするほど無理をする必要もないので、チームの中でピーキングや練習内容も含めてかなり情報共有されているんじゃないでしょうか?ジャンプもFaOIであれだけ「戻したこと」を証明しましたし、あとは組み合わせの問題と、調整面での工夫かなと思っています。

  2. ととちゃん より:

    今回のクワドラ、本当に良かったですね。

    何より羽生選手の独占インタビューを取っていること。ショーの合間という絶妙のタイミングでインタを敢行し、まだFAOIの余韻抜け切らない時期に発売したことが大きな勝因だったと思います。加えて 後輩スケーター達の羽生リスペクトが存分に掲載されている点も評価したいです。

    それにしても たった一晩で 映像から振り付けを覚えて、即本番をこなす高いセンスと技術力…。
    やはり天才だと改めて思いました。

    アサインを受けて、ただただ、続けてくれる幸せを感じています。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      今回のQuadrupleはかなり頑張ってくれたと思います。羽生君関連で言えば、杉田さんの「さいたまOrigin徹底解説」も素晴らしかった!

      明日は雪肌精のイベントのレビューをする予定なので、その後ぐらいにご紹介できればと思います。