JGPアメリカ(男子SP)感想

JGPアメリカ(男子SP)感想

リザルトは「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。上位3選手のみレビューします。

駿君。79.19で1位!先週の佐籐操先生の「ガッツポーズ」も熱かったですが、日下先生のリアクションも最高ですね。

先週の鍵山君のSPのスコアシートも並べてみましたが、ゴゴレフ君も含めて、TESは駿君がトップ。PCSについては、鍵山君とゴゴレフ君には及ばないですけど、それでもJGPデビュー戦で世界的にほぼ無名に近い駿君が「35.16」をもらえるなら十分でしょう。そもそも、昨シーズンのJGPシリーズでの島田君が、あのランビプロを引っさげてのPCSが34点台でしたから(3位に入ったJGPファイナルで35.87)、滑走順が第1グループの2番滑走で、よくこれだけ出してもらえたと思います。

ジャンプはもともと高さと回転の速さを併せ持ったタイプで、この日のショートの動きもキレていました。スケーティングや身のこなしも、「ジュニアの子が頑張ってる感」が完全に消えて、しなやかでシャープで、本格的な動きになっている。最後のスピンだけグラつきましたが、レベル4を取れているから問題なし。よくやってくれました!

ゴゴレフ君。78.85で2位。「3Aの助走はこんなに長かったっけ?」と、いよいよネイサンっぽく、というかラファの弟子って感じになりましたね。それだけ教えられたことを吸収するのが速い子なんだと思います。

ジャンプの質も、スケーティングも、駿君もぜんぜん負けていないと思いますので、これは完全に「フリーの高難度ジャンプの一騎打ち」ですね。

アメリカのイリア・マリニン君。71.34の3位。「あのSEIMEIの子」が14歳になり、JGPシリーズにデビューしました。陰陽師からバイカーに転身。コスプレ風の衣装がお好きなのは、コーチか親御さんの趣味なんでしょうか?

どんな感じに成長したんだろう?と興味本位で見ていたら、いやいや、冒頭の3Aめちゃくちゃいいじゃないですか!高さもあって素晴らしいジャンプ。正直、地元判定でもっとGOEが盛られてもおかしくないと感じましたが、ルッツコンボのセカンドのURもしっかり取っているし、逆に考えると、シニアがきわめて政治的な採点がなされている一方で、JGPシリーズはまともなジャッジをしていることの表れなのかもしれません。

なんだかんだで、ゴゴレフ君は昨シーズンのファイナル王者ですから、駿君とのPCSの差は広がるでしょうが、どちらがジャンプを決めきるかでしょうね。回転不足やエッジの判定をどのように見るのかも注目したいと思います。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. Fakefur より:

    レビューお待ちしてました。
    駿くん、スピードがある!着氷後の次のエレメントへの移行が速い!背中も美しいS字を描いていたし、全身使って大きく、手先の動きも叙情的で、去年よりも格段に洗練されていましたね。

    ゴゴレフ君の表現が思ったよりも固く、グメンニクなら上手く踊りそうなバレエ的動きで、後半は早いコレオについていけていなかったので、PCSでこんなに差がつくかなあ・・・とモヤモヤしていたので、Junさんさんの解説で溜飲が下がりました。

    No.1ジャッジの兵庫スケ連の人の露骨すぎるサゲ採点にはムカムカしますが、他国ジャッジが割と高評価なのが救いです。フリーは4回転を3本降りて、TESの威力を遺憾なく発揮してほしいです。

    ゴゴレフ君、子供から少年に変わってましたね。私も、ジャンプのゆづ色が消えたように思いました。ワチャワチャ感はネイサンに近くなったし、衣装がまたモジモジ君だったら、がっかりだったのですが、フワフワ金髪の水兵さんは「ベニスに死す」のビョルン・アンデレセンのようではないですか。日本のおばちゃんニンマリです。

    マリニン君、去年のバタバタ可愛いSEIMEI様が、むっちゃ進化してましたね!?3A高くて、スピンが上手い。両親揃って、ロシア出身ウズベク代表のオリンピアンなんですね。そりゃ上手くなりますよね。

    • Jun より:

      Fakefurさま

      駿君は、いま流行り(?)の「ジャンプだけでそれ以外はスカスカ」というタイプではなく、シャープな所作やスケーティングの伸びと、他にもたっぷり魅力の詰まった選手に成長したと思います。そのジャンプも正しく踏み切ってきっちり回り切ってますから、本当に清々しいですよね。

      引き続き、日本の不届きなジャッジには警戒しなきゃいけませんが、国際大会で結果を出してこそ真の一流選手で、そんな所も偉大な先輩の歩んできた道を進んでいるように見えます。フリーのレビューは今晩アップしますので、そちらもお楽しみに!

      • Fakefur より:

        本当に、今期の駿くんはジャンプだけじゃない、スケーティングもスピードも所作も、ジュニアから一段階高いところに成長しましたね!

        キスクラや表彰式での佇まいは、素朴で、慣れていない感じが微笑ましい。慣れていないのは日下コーチもで、キスクラでSPの点が出た後、嬉しくてすぐ立ち去ろうとして、スタッフに止められて、二人してシュンとして座っている姿がなんとも可笑しかったです。

        ちょっと気になるのは、ISUのプロフィールにある週の練習時間で、16時間って少なくないですか?ゴゴレフ君は24時間、鍵山君は31時間です・・・。適当なら良いんですけど。

        • Jun より:

          Fakefurさま

          上半身のさばきがシャープになりましたよね!むしろ、鍵山君の方が場面によっては「カチャカチャ」しているように映るので、駿君の無駄のない滑らかな動きには感心させられます。

          たしかに、ISUのbioにはそんな欄がありましたね。あそこにアップデートされる情報のすべてが最新のものかは疑問ですが、研究熱心な彼のことですから、もっと練習しているんじゃないでしょうか。

  2. ととちゃん より:

    佐藤駿くん、スケーティングがすごく滑らかだと思います。SPでは、ゴゴレフくんよりも見応えを感じました。鍵山くんもそうですが、一年で本当に成長するのですね。

    マリニンくん、2人に比べるとまだまだですが、危なげなくまとめていると思います。
    ビールマンが取り入れられていて、やっぱり羽生選手リスペクトなんだな、と思いました。

    フリー、結果だけは知りましたが、junさんの記事を楽しみにしています。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      駿君も鍵山君も、実力に見合わないような優遇をされてこなかったからこそ、その反骨精神もあったのでしょうか、大きな試合で結果を残せるほどのタフな選手に成長したんだと思います。

      第3戦に出場する三浦君も「つぎは俺だ!」と燃えているはず。これがアスリートのあるべき姿であり、友でありライバルですよね。次戦以降も見逃せませんよ。楽しみです!

  3. sennin より:

    急な所用で田舎に行きましてライストでは見れず動画で駿君達の演技を観ました。

    Junさん!キスクラの日下コーチ最高でしたが(笑)駿君見ましたか?あれだけの演技をしていながら首を傾げて不満そうな表情ですよ。点数が出てこちらもコーチが盛り上がり駿君もやっと笑顔になりましたが、私は、納得いかない表情をみて「良し!」って思いました。結弦君に負けないくらいこの子は負けず嫌いだと感じたからです。

    昨年のEXナンバーがとてもエレガントだったので、もうすでに指使いや腕のしなやかな動きと1テンポ遅らせるような間をとる腕の所作が素敵ですよね〜。そういえば駿君は仙台にいる時に女の子に交じってクラッシックバレーを習ってましたね?。

    いやいや、それにしても3Aの前ステップ入れてますよねえ〜。そのうち、イーグルからそのうちバックカウンターからですかあ?昨日の記事のインタを聞いたら結弦君の新ロミジュリの映像を相当観てるんですよね?やりそうですよね?そして、3回転が高いので解いて降りてるから2回転に見えるではないですか?助走は短いし「スゴイ」しか言葉が出ません。

    日下コーチはクリケとお付き合いでもあるのでしょうか?ダンス出身だからか?駿君とうたしんチーム、日下先生とクリケのコーチ、トレイシーとのショットがTLでながれてましたね?お付き合いがあるなら喜ばしいですね!。

    • Jun より:

      senninさま

      駿君は、鍵山君のスコアを意識していると思うので、「自分の方がジャンプが得意なのだから、負けてられない!」と、日頃から考えてるんじゃないかと。だからこそのあの表情のように感じました。そもそも、キスクラで彼が感情を爆発させるような所を見たことはないですが。

      失礼ながら、日下コーチは選手をコントロールするような指導者ではなく、本人の自主性に任せるようなそんなお人柄のように見えます。そこで、駿君は、羽生君をリスペクトするだけでなく研究対象としても見ているフシがあるので、日々の練習でマニアックな探究やチャレンジをしているであろう彼は、伸び伸びと自分のスケートに打ち込めているんじゃないでしょうか。