JGPラトビア(女子フリー)感想

JGPラトビア(女子フリー)感想

リザルトは「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。

住吉さん。フリーは104.32の8位。合計161.06の8位。ショートでの純白の衣装とは対照的でかわいらしい色合い。女性らしさ溢れるプログラムでステキなんですが、転倒したジャンプのみならず、着氷したジャンプもSO気味で、どうも「地に足が着いていない」印象でした。ただ、スピンはすべてレベル4で安定しています。第6戦「クロアチア大会」にアサインされているので、この悔しさをバネに頑張ってほしいです。

クラコワ。フリーは117.32の5位。合計175.97の5位。初めて見る選手です。元々はロシア生まれの17歳のスケーターなんですが、ポーランド代表として出場。拠点をクリケットに移して、ブライアンの指導を受けています。振付はデイヴィッドとのこと。これでもかのタノ・タケノコ祭りですが、それよりも、「ああ、ロシアの子だな・・・」という、古き良きロシアフィギュアスケートの伝統をたっぷり受け継いでいるように見えます。エテリの子たちより、よっぽどロシア的。サハノヴィッチのような雰囲気もありますね。ただ、キスクラでの様子は、17歳にしては子どもっぽいですね。モロに「ロシア」な所作が、これから北米スタイルに変わっていくのでしょうか?今後の成長が楽しみですね。

フロミフ。フリーは121.80の4位。合計190.73の4位。冒頭の3Lzの転倒で、ありゃぁ・・・とビックリ。その後も、着氷でグラつくジャンプもあって、彼女本来の実力を出しきれなかったようです。「ゴースト」のサントラという選曲はとてもいいと思うんですが、後半盛り上がるデュエットパート(2:40前後から)でも、せわしなく相変わらずエレメンツは詰め込みまくりで、まったく曲と合ってなくて、単なるBGMになっていますよ。グレイヘンガウスが悪いのか、エテリが横から口出ししてこうなったのか真相は不明ですが、曲と振付をあわせるセンスが絶望的に無いなと感じます。

松生さん。フリーは126.62の2位。合計193.03の3位。見事でした!いやぁ、日本女子のジュニア1年目の14歳が、初戦から190点台を出してJGP台乗りというのは、ちょっと記憶にないです。これは、先週の駿君の優勝に匹敵する快挙だと思います。

キビキビとした所作と音楽に合わせてピタっと決まるポージング。見ていて気持ちのいい演技です。そして、得点源の3Lz-3T-2Tは、ちょっと危なかったですが、見事に成功。やっぱり、ジャンプを決めきることができれば、世界的に無名のジュニア1年目のスケーターでも、これだけのスコアが出るんですよ。そして、フィギュアスケートTVを見ていて、シニアのお姉さんたちの身体が明らかに重くて悪いので、これぐらい細く絞らないと、ノーミスできないんだと思います。エテリ組や韓国勢を見習えとは言わないですが、世界との戦いで台乗りを目指すのであれば、最低限の管理は必須になってくるのかもしれません。

松生さんの2戦目は、第7戦「イタリア大会」にアサイン。ライバルは、ロシアのシニツィナ、カニシェワ、韓国のパク・ヨンジュン(第2戦・アメリカ大会で186.58で2位)がいますが、これは優勝を狙ってもらいましょう。ノーミスすれば200点に迫るスコアが出ると思います。

ウサチョワ。フリーは125.36の3位。合計194.40で2位。「ザ・BGMプロ・その2」って感じです。このパワフルな女性ヴォーカルの存在意義が分かりません。なんだか、昭和時代の甲子園常連高校で、1番から9番のマルコメ頭の選手全員がバントが上手でファールで粘りまくって相手投手の球数を増やさせる技術を叩き込まれているというか、野球のような団体競技ならまだしも、個人のしかも採点競技なのに個性も何もあったもんじゃないですよ。

無個性ぶりが、トゥル・コス・シェル時代よりも明らかにひどくなってませんか?選手本人に責任はまったくないですが、もうちょっと考えてあげたら?と思いますね。

イ・ヘイン。フリーは130.70で1位。合計197.63で優勝。曲目は「リバーダンス・ファイアーダンス」ということですが、どちらかというと、ファイアーダンスに移行する前に、ジャンプをある程度決めてしまおうという「主張」の感じられるプロですね。たしかに、そつなくジャンプを決めていくんですが、それでも、200点目前のスコアが出てしまうんですね・・・。ほんの1~2シーズン前は、190点というのは、ある程度の個性と技術を併せ持った選手に限られるという印象だったんですが、高難度ジャンプが無い選手に対しても、「インフレ化の波」が押し寄せているのを感じます。こりゃ、シニアのGPシリーズが始まったらどうなっちゃうのか。

明日は男子フリーのレビューを行って、いよいよオータムモードに切り替えていくつもりです。隙あらばFaOIフォトブックかToshIさんのニコ生を何とかハメ込みたいですが・・・。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. sennin より:

    松生さん頑張りました。快挙ですね?継続プロらしいですがリズムに乗って楽しそうに演技してました。次戦も頑張って欲しいですね。
    りをんちゃんは調子悪いんでしょうね。残念でした。不安そうな表情でしたが、スタートしたら激変しました。やはりアスリートですね。

    ヘインさん頑張りましたねえ、私はいいなあ〜と細かくは見ていないので…。韓国が初めてのJGPで金メダルは8年ぶりとか?だそうで賑わっている事でしょう。
    プロミフは期待していたんだけど、確かに最初は音楽も彼女の演技と溶け込んで良かったんですが、後半の音楽も疑問に感じましたね。グレイへんカスはこの選手の何を表現させてあげたいのか?今季も精神不安定の音楽構成が健在のようですね。選手はそれを受けて自分のものにするように頑張っているのに感心します。

    ロシアのテストスケートありましたね?数人の演技を動画でみましたが細かい事はさておき、私はメドべちゃんとコンスタンチノワに惹かれました。メドちゃんのSPエクソジェネシスはたくさんのスケーターが滑っていますが好きな曲です。ステップだけジェフ振り付けのようです。彼女も流石にもう顔芸ではなく魅力的でこちらが入ってしまう演技が出来るようになりましたね?。ボーカルの声が昨年Junさんが貼ってくれたバンドのボーカルに似てるんですが時々観たくなるんですけど、昨年の5.6月の事なので見れないんですよね?ヨダレを垂らして歌ってたアーティストです。ご記憶にありましたらアーティスト名と曲を教えて頂けると助かります、YouTubeで探します。

    • Jun より:

      senninさま

      「ヨダレを垂らして歌ってたアーティスト」ですって?誰だろう・・・。まったく記憶がありません。

      最近は、ニガミ17才、八十八ヶ所巡礼、あとは、ポルカドットスティングレイとか、日本のバンドをよく聴いています。特にポルカはなかなかいいですよ。ヴォーカルの女の子は椎名林檎みたいでよくいそうな感じなんですが、後ろの男性3人の演奏陣がめちゃくちゃ上手い!FaOIでも、バックの演奏陣の頑張りが素晴らしかったですが、やっぱり技術があるっていいな・・・としみじみ感じます。

      • sennin より:

        変なこといいましてすみません。ホントにヨダレが出てたんですよ。それほど私何回もみたんです。まさかブログが消されるなんて世の中あるとは思ってなくて( ω-、)海外のアーティストでした。その他にもお気に入りの海外アーティスト観させて貰いました。Junさんはスゴいなあとよく知ってるなあとスケートだけでなく楽しませて貰ってます。
        そのボーカルは多分歌いながら陶酔してて気がついたらヨダレがでて慌ててた雰囲気でした。ジョニーの紹介の記事のときだったかも知れません。今度から気に入った動画はメモしておくことにします。
        はい!八十八ヶ所も気にいっております。

        • Jun より:

          senninさま

          ジョニーと言われて、すぐに分かりました。Radioheadの「Creep」のことですね。

          そうそう、ニガミ17才のリーダー(ヴォーカルのおじさん)が以前「嘘つきバービー」というバンドで活動していたんですが、「虫こない」というMVがYouTubeでも見られるんですけど、なかなか強烈なので、ぜひチェックしてみてください。「そうくるか?」と思わず笑ってしまいました。

  2. ととちゃん より:

    フロミフの振り付けについて、junさんの批評に思わず吹き出しました。本当にここまで曲を無視した振り付けは、「絶望的」なセンスの無さと言っていいですね。エテリ組にいる限り、他の人に頼むことは出来ないのでしょうが、気の毒です。

    松生さん、素晴らしかったですね。アシンメトリーの衣装も綺麗で、所作も美しく、ジャンプは私には危なげなく見えました。次戦が本当に楽しみです。
    住吉さんも、後半ジャンプに苦戦してはいましたが、素敵なプロだと思います。もう1戦あって、またこれを見られると思うと 楽しみです。

    余談ですが、FAOI公式ブック、本当に迷っています。場合によっては、オータム後でも
    結構ですので、junさんの感想をお聞かせ下さい。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      エテリ組のプロって、最初から特に良くもなかったですけど、年々どんどん悪くなりますね。

      ロミジュリとかオペラ座の怪人の編曲も、まぁ曲のツギハギがひどかったですが、そこはコストちゃんとザギちゃんの「頑張り」でなんとか持っていたわけです。

      ところが、ジュニア1年目の子たちの「曲だけは違うが振付は同じ」というプログラムを見せられて、この手抜きっぷりは情けなくなりますね。いちいちブログでレビューするのも時間の無駄かなという気がしています。